きりうゆかりの難民部屋

ボツ原稿、発表のあてのない原稿、出だししか書いてない小説などをアップしています。

ら・くらかあちゃ

2009-06-09 11:50:35 | Weblog
(この文章は5月のmixiに書いたものです)

 好悪の念とゆうのはリクツではない。いや、そこにリクツをつけるのが元来大好きな性格であるがゆえのわたくしという存在なのであるが、「何々を好きだなんておかしい」と言われるのも困るが、それ以上に困るのが、「何々を嫌いじゃないなんておかしい」と言われることだ。とりわけ不潔関係がそうである。
 わたくしは、元来別段汚くてちらかっててものが腐ってるのが好きなわけではない。ただ、気にならないだけである。あまりにもそれを異常だ異常だと言われるので頭に来て、不潔こそが本来の有り様であり高等であり神聖なのだという主旨で「川を覆う闇」を書いたわけだが、本当は、不潔がんもう好きで好きで毎晩生ゴミでパックして寝たいとかそういうことではない。ただまあ、ガス台の隙間から下に落ちて鉄板ごと外さないと回収不可能なチャーハンのかけらなんてのは、半永久的にそこに止まることにはなる。
 結果として、わが家の裏家主は、黒くて平たい昆虫の皆様ということになる。我々(ダンナとみみ太と私)と彼らとの間には不可侵条約が成立しており、彼らが音を立てて走り回ったりいきなり顔に止まりに来たりとかの暴挙に出ない限り、殺虫剤スリッパ丸めた新聞紙などの迎撃行動は起こさない。廊下で会っても黙ってすれ違うか、たまには「こんにちはどちらへ」なんぞと話しかけたりもする。
 結果として、うちの黒いかたたちは、ものすごく動きがゆっくりである。皆様は彼らをとにかくすばしこい奴らとお思いかもしれないが、あいつらだって危険を感じてなければ普通に歩けるんである。人間と少しも変わりはない。
 しかし彼らにも寿命は来る。頭を切り落としても失血死ではなく口がないゆえの餓死を遂げるとゆうほど生命力の強いかたがただが不死ではない。よく廊下に引っくり返って死んでいる。と思ったら、まだ触覚が動いていたりする。そのままだと踏み潰してしまいそうなのでつま先でちょちょいのちょいと物陰に寄せてやったりもする。
 と思ったら、いつの間にか廊下のど真ん中に戻ってたりするんだよなこれが。明るいとこで死にたいのか?
 とゆうわけで、本日の「日月」歌会に出詠した歌。

終焉はしづかならめと死にかけのごきぶり移せば灯りに戻る 深森未青

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 本当は殺すんだろうとずいぶん食い下がられたが、だから、違うんだってば!