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雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その23赤い顔の人(2005/02/22)

2005-02-22 19:36:47 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 いかにも探偵小説通にふるまっているが、以下は、じつは、わたしが未読で、つねづね、恥ずかしいと、感じている、国産探偵小説作品群。
 
 1.浜尾四郎『殺人鬼』
 2.高木彬光『白昼の死角』
 3.仁木悦子『猫は知っていた』
 4.仁木悦子『林の中の家』
 5.仁木悦子『棘のある樹』
 6.仁木悦子『黒いリボン』
 7.水上勉『飢餓海峡』
 8.水上勉『雁の寺』
 9.水上勉『棺の花』
 10.赤川次郎『マリオネットの罠』

 いずれも、なんだかのベスト選びで、入選した、誰もが知る、有名作品ぱかりだ。
 けれども、ちょっとばかり、言い訳を。

 1.読んではみたい(どこかで、新保博久が読みやすいと云っていたようだが、テキストがわたしの手許にない。家のどこかにあるはずたが、捜すのが、面倒だ)
 2.正直のところ、高木の探偵小説は、わたし向きではないのだ。以下ノーコメント。(しかしながら、『帝国の死角』だって『黒白の囮』だって、読んでるぜ)
 3.~6.仁木は大好きな探偵作家だが、この兄妹探偵長篇4部作は、もったいなくて、なにかの機会に読もうと大事に保管してあるのだよ。
 7.~9.そしてまた告白すると、水上も、これまた大好きな探偵作家で、ひょっとすると、9.なんか眼をとおしているかもしれくて、ただ単に、そのことをわたしが、忘れているだけなのかもしれないなあ。
 10.ああ、恥ずかしい。この本は、アイラ・レヴィン『死の接吻』の読後と、なぜかしら、決めているのだ。そう、あの『死の接吻』が積読の山の中。つまり、未読ってことね。
 うむ。これが、いちばん恥ずかしい。
 
 以上、ここに、懺悔する次第。

 (追記)実家の書棚で、創元推理文庫版を発見した、浜尾四郎『殺人鬼』を2007年3月18日、読了。
 感想は<机上殺人現場>へ記したが、こちらでも一言。
 たしかに読みやすい。
 いかにも、良くも悪くも、戦前の探偵小説。
 解決の前に探偵が他所へ行って現場を留守にしたり、惨劇がひとつところで連続して起きる(犯行の無駄な空間移動がない)など、謎とき探偵小説の約束事を護ってくれていて、そこも愉しい。
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その22バカミス発進?(2005/02/20)

2005-02-20 19:35:12 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 また新聞広告から。

 『苦いカリス』小説・原主水 ★伝説のキリシタン旗本をめぐる初のミステリー時代劇。新キリスト教文学! 宗任雅子 1890円

 広告元は三一書房。
 三一書房は、ときどき思い出したように探偵小説を出版するので、あなどれない。
 しかしながら<思考機械>その4で触れた某書も出版社は、三一書房。
 そして、忘れちゃいけない、あの『キャンパス殺人事件』(中川裕朗)も、わたしは未読だが、相当な作品らしいが、これまた、版元は三一書房だ。
 
 ちなみに、三一書房のHPにいくと、最近でも、他にも、探偵小説をいくつか刊行しているようだ。

 ここしばらくは、三一書房をマークせよ!
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その21おおはずれ殺人事件(2005/02/12)

2005-02-12 19:32:02 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ここのところ、インターネット古書店になぜかしら目覚めてしまい、お小遣いが残り僅少にも関わらず手当たりしだいに注文してしまった。
 結果は・・・・・・。注文書は各書店にすべて在庫なし。お友だち(家人ではなく)に借金して、買わなくてすんだ。
 これを幸というか不幸というか。

 ちなみに、興味のある方は、いらっしゃらないとは思うが、自身の覚えがきとして、書名を列挙すると、
 
 荒木一郎『ありんこアフター・ダーク』河出書房新社
 山田風太郎・高木彬光『悪霊の群』講談社
 北村鱒夫『花やかな虚像』青樹社
 戸川幸夫『かけだし記者』和同出版社
 ウィース『スイスのロビンソン』岩波書店
 
 など。
 など、と云っているところが、奥床しい。
 
 ところで、どなたか、格安でゆずっていただける方がございましたら、掲示板までご連絡を。
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その20SM(2005/01/29)

2005-01-29 19:30:47 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 SMの話題でもうひとつ。

 島本春雄『被縛呪法』(あまとりあ社)の巻末の自社刊行本リストのうち、興味深いものを2冊ほど紹介

 瀬戸内海に浮かぶ死の島を舞台に秘密諜報部員の不死身の活躍! 誘拐とリンチが渦巻くスパイ小説(岡鬼一『死の島作戦』)

 特務機関の密命を受けた新聞記者と美貌の女の出没するところ、愛欲と私刑と謎が展開する痛快編!(金王丸『黒い花の群れ』)

 2冊とも、強烈な官能美に満ちた挿し絵が満載 エロチック・サスペンスの傑作・SM選書だそうなのだが、わたくしSM小説については、浅学非才にて、SM小説家は、蘭光生くらいしか知りません。
 けれども、たとえば『死の島作戦』の作者を、黒木曜之助、『黒い花の群れ』のそれを、島田一男に変えても、全然違和感ないでしょう? 有名作家の変名ってことはありえませんか。
 まあ、ないでしょうね。
 
 妄言多謝。
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その19サスペンス・マガジン(2005/01/29)

2005-01-29 19:29:32 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 探偵小説初心者ならば<サスペンス・マガジン>ときくと、ふつう、ミステリマガジン(HMM)やヒッチコックマガジン(AHMM)を、連想するでしょう?

 なにも知らない、当時のわたしは、小さな古書店で<サスペンス・マガジン>を手にとって吃驚。あら、どの頁をめくっても、探偵小説のかけらもありはしない。ただの<SM雑誌>ではありませんか。真っ赤になっているわたしは、あわてて、それを、許の書棚に戻しました。
 たしかにそのころは、SMじたい、おおっぴらでなく、アンダーグラウンドの存在で、公けに雑誌を刊行することが、サスペンスだったのでしょうね。
 
 なぜそういうことを回想したかというと、昨日購入した島本春雄『被縛呪法』の書籍のなかに栞として<サスペンス・マガジン>の広告が、裸体女性の緊縛写真付で入っていたのです。
 
 いまは、懐かしい古書店での思い出ですが、あのころは、それこそ、サスペンスでした。
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その18ああ、若桜木虔(2005/01/22)

2005-01-22 15:44:03 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ああ、若桜木虔先生。
 まことにもうしわけございません。
 共著ながら『新本陣殺人事件』若桜木虔・矢島誠(河出書房新社)で2001年の週刊文春の年間ベストで、何と5位にランクインされてたのでしたね。
 <思考機械>その16での発言について、わたくしの不明を恥ずしだいであります。
 つきましては『修善寺・紅葉の誘拐ライン』(ジョイ・ノベルス)についで、上記書を、わたくしの懐と相談のうえ、読破させていただきたい所存でございます。
 なにとぞ、ひらにご容赦のほど。
 それでは失礼いたします。
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その17獣人の最後(2004/12/22)

2004-12-22 15:42:47 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 岩波文庫版エミール・ゾラ『獣人』のあとがきから

 ・・・この作は、犯罪小説・探偵小説のような一面があり、またそのブルータルなエロチシズムにより、通俗的興味満點かも知れないが、そういう興味だけでこの作を讀まれないように、老婆心ながら讀者のためにゾラの人及び作品について一言しておきたい。・・・

 笑止。
 わたしは、探偵小説として、これを讀む。
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その16おお、若桜木虔(2004/12/22)

2004-12-22 15:41:34 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 あなたは週間文春2004年12月23日号の「2004ミステリーベスト10」をご覧になりましたか?
 わたしは、国内部門の第9位を、ひとめ見て、吃驚仰天。

 9位『修善寺・紅葉の誘拐ライン』若桜木虔(ジョイ・ノベルス)

 ときたもんだ。
 おいおい、これが驚かなくてどうする。
 若桜木虔先生なんて、木谷恭介先生よりも、年末ベストテンに無縁のイメージだったんだけれども、さすが、識者は、おさえるところはおさえているんだなあ、と感服。
 ようし、他の作品は、読まなくても、ぜったい、これだけは、読んでやるぜ!
 まってろよ、若桜木虔。
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その15ふたたび横須賀の方へ(2004/12/18 )

2004-12-18 15:40:22 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 『このミステリーがすごい2004年版』(宝島社)の矢作俊彦『ロング・グッドバイ』(角川書店)の評項を斜め読みして-

 現在は、ヒーローの存在するハードボイルド探偵小説は、ほんとうに成立しないのか。30~40年前に、中薗英助がスパイミステリの行末といったのと同じく、それは、喜劇としてしか存在しえないのか。
 では、以前の原の登場は、なんだったのか。沢崎はヒーローではないかのか。
 評者の固まった視点からのことばに、ふと疑問をもった。
 『愚か者死すべし』(早川書房)が、その答えをだしてくれるか?
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その14獣人の復讐(2004/12/17)

2004-12-17 15:39:13 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 まいった。
 エミール・ゾラ『獣人』。誰もご教示くれないので、インターネットで検索したら、あるわあるわ。超有名な作品だったのね。自らの不勉強を反省いたします。これからは、もっと幅広い読書にいそしむことを、ここに誓うかもしれません。
 合掌。
コメント (2)
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