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雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その33続探偵小説家・石原慎太郎(2005/08/24)

2005-08-24 19:53:53 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 これが、一等むずかしいのだが、とりあえず、石原慎太郎の長篇探偵小説のリストだ。

 ①夜を探がせ(長編推理小説) 光文社 1959(週刊読売/1958年7月22日号~1959年2月15日号)→1660光文社カッパ・ノベルス→1978角川文庫
 ②汚れた夜 新潮社 1961(毎日新聞-夕刊-/1960年10月~1961年5月)→光文社(カッパ・ノベルス)1963→講談社(ロマン・ブックス)1968→集英社(集英社文庫)1978→文春ネスコ2003
 ③断崖 新潮社 1962(週刊読売/1961年3月~11月)→光文社(カッパ・ノベルス)1964
 ④銀色の牙 講談社 1964(小説現代/1963年2月号~12月号)→銀色の牙 講談社(ロマン・ブックス) 1966→角川書店(角川文庫)1979 
 ⑤青い殺人者 集英社 1966(週刊明星/1965年6月~1966年7月)→集英社(コンパクト・ブックス)1966→集英社(集英社文庫)1979
 ⑥黒い環 河出書房新社 1967(平凡パンチ/1966年1月~11月)→講談社1971

 というように、たぶん、わずか6作品。
 たぶん、と形容したのは、実は石原の長篇探偵小説が、いくつあるか、わたしもほんとうはよく知らないのだ。
 たとえば単行本『男の掟』(角川書店)1959(別冊文藝春秋65号/1958年8月発表)なんぞは、他の小説末の自社刊行物目録による紹介では、ど真ん中の探偵小説である。そして、このたびはじめて読んだが、りっぱな探偵小説であったのだけれども、残念ながら「男の掟」は短篇小説であった。単行本『男の掟』は、短篇集であったのだね。わたしはてっきり、別冊文藝春秋に発表した作品を長篇化したものとばっかり思い込んでいたのだ。
 だから、単行本『傷のある羽根』も、その類(長篇探偵小説ではない)ではないかと類推するのだが。
 もうひとつ、気になるのは『雲に向かって起つ』だ。
 これは長篇小説には間違いないが、いかに新聞記者が主人公で、小説中殺人事件が取り上げられているといっても、それがすなわち探偵小説とは短絡てきにはいえないだろう。どちらかというとミステリ味のある現代小説という位置づけが正しいのかもしれない。
 まあ、これは読んでからの話だね。
 とりあえずここでは、石原の長篇探偵小説は6作ということにしておこうではないか。
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その32探偵小説家・石原慎太郎(2005/08/23)

2005-08-23 19:52:36 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ひょっとすると、石原慎太郎が作家だということを知らないひともいるだろうか。
 それだけ政治家としての面の認知度は高いに違いない。
 その、石原が探偵小説をものしていたということは、より知られてしかるべきだ。
 事実、石原の書いた探偵小説は完成度が高い、と私は感じている。
 また、その探偵小説世界の惹きこませるテクニックも充分すぎる。
 その石原の探偵小説群の魅力について語ろうか。
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その31パパいらずの舟(2005/06/19)

2005-06-19 19:51:21 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 わたしが、ミステリマガジン(以下HMM)を定期購読しだした以前に同誌に連載されていたのが『パパイラスの舟』(小鷹信光)だ。
 翻訳探偵小説に興味を覚えて、近隣の古書店を歩きまわって、ぽつぽつと集めはじめたHMMのバックナンバーに、それ、が連載されてあった。
 後の刷り込みか、翻訳ハードボイルド探偵小説紹介と、ずっと思い込んでいたのだけれども、あらためて同書を、通し読みしてみて、幅広い翻訳未訳探偵小説の、紹介だったのだねえ。
 後年の木村二郎氏の連載と、混同してしまっているのかしらん。
 同輩、よる年波には勝てずか?
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その30偉人たち(2005/04/24)

2005-04-24 19:49:48 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 島内透=桂千穂説は、結論が見えないので、ひとまず、休憩。

 日本探偵小説界のビッグネイムを考えてみた。
 昭和初期(戦前)は、だれがなんといおうと、江戸川乱歩だろう。
 小栗虫太郎や夢野久作あるいは木々高太郎、甲賀三郎、海野十三といったつわものたちも挙げられようが、大乱歩に比べると、見劣りするのは否めない。
 昭和(戦後)となると、だれか。
 横溝正史か。あるいは、鮎川哲也、高木彬光といった面々か。
 わたしは、その大衆性、娯楽性、普遍性から、松本清張を推すのだが、いかに。
 また、大藪春彦や佐野洋といった名前も出るかもしれないね。

 問題は、いまの平成の探偵小説界を背負っている大物、一人を指名しろ、と訊ねられれば、あなたはどの作家を想像するか。
 これは、むずかしくないか。
 それを、無理を承知で、
 「西村京太郎」では、どうだ。

 はい。異論は、無論、先刻承知のこと。
 しかしながら、その読まれかた、発行部数、各マスコミ、メディアへの取り上げられ具合は、いかに。
 かれが、トラベルミステリに専念しだしてからは、わたしは十数冊しか読んでいないが、それでもそのページタナーぶりは、すごいぞ。そんじょそこらの新人賞獲得組にはひけをとらない。否、凌駕しているじゃないかなあ。

 わたしは、昔の『D機関情報』がいっとう好きだけれども、もう昔には、かえってくれないだろうね。
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その29続続一人二役(2005/04/13)

2005-04-13 19:48:24 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 で、そのつづきだが・・・。

 島内透の生年は1923年ということであるが、桂千穂は先の国会図書館の検索では1930年生まれということらしい。
 また、手許にある『血と薔薇は暗闇のうた』(奇想天外ノベルス)のカバーの作者紹介には、年齢不詳。早稲田大学文学部演劇学科卒業とある。
 たしか、島内透は、石原慎太郎と同じ一橋大学入学で、同大学を中退していたのではないかと記憶するのだが・・・。

 おやおや<島内透=桂千穂>説が、なんだか怪しくなってきたぞう。

 to be continude!
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その28続一人二役(2005/04/13)

2005-04-13 19:47:14 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 <島内透=桂千穂>説のつづきです。
 
 今度は、桂千穂著作のリスト(島内透同様国会図書館からの抜粋)を試みに表記します。

1. 妖怪博士ジョン・サイレンス / A.ブラックウッド[他]. -- 国書刊行会 1976. -- (ドラキュラ叢書)

2. ドラキュラの客 / ブラム・ストーカー[他]. -- 国書刊行会 1976. -- (ドラキュラ叢書 ; 第2巻)

3. 狼男卿の秘密 / イーデン・フィルポッツ[他]. -- 国書刊行会 1976. -- (ドラキュラ叢書 ; 第7巻)

4. 怪奇幻想の文学. 1. -- 新人物往来社 1977.7

5. 怪奇幻想の文学. 2. -- 新人物往来社 1977.8

6. 怪奇幻想の文学. 3. -- 新人物往来社 1977.9

7. 怪奇幻想の文学. 5. -- 新人物往来社 1977.11

8. 背徳牧師 / カート・アルドリッチ[他]. -- フランス書院 1979.4

9. 怪奇幻想の文学. 1 / 紀田順一郎荒俣宏. -- 新人物往来社 1979.6

10. 怪奇幻想の文学. 2 / 紀田順一郎荒俣宏. -- 新人物往来社 1979.6

11. 怪奇幻想の文学. 3 / 紀田順一郎荒俣宏. -- 新人物往来社 1979.7

12. 怪奇幻想の文学. 5 / 紀田順一郎荒俣宏. -- 新人物往来社 1979.8

13. 女教師のめざめ / リチャード・ピーターズ[他]. -- フランス書院 1980.2

14. 媚薬 / バリー・リンダー[他]. -- フランス書院 1980.8

15. 女高校教師 / ノーマ・イーガン[他]. -- フランス書院 1980.9. -- (フランス書院ノベルズ)

16. 伯父vs.姪 / ノーマ・イーガン[他]. -- フランス書院 1981.12. -- (フランス書院ノベルズ)

17. 媚薬に狂う / バリー・リンダー[他]. -- フランス書院 1982.3. -- (フランス書院ノベルズ)

18. 插入る! / 桂千穂. -- フランス書院 1982.7. -- (フランス書院オリジナル)

19. 女教師のめざめ / リチャード・ピーターズ[他]. -- フランス書院 1982.9. -- (フランス書院スペシャル)

20. 年鑑代表シナリオ集. 1981年版 / シナリオ作家協会. -- ダヴィッド社 1982.4

21. 幻魔大戦. シナリオ / 平井和正石森章太郎[他]. -- 角川書店 1983.2. -- (角川文庫)

22. シナリオ少年ケニヤ / 山川惣治[他]. -- 角川書店 1984.1. -- (角川文庫)

23. 女教師のめざめ / リチャード・ピーターズ[他]. -- フランス書院 1985.12. -- (フランス書院文庫)

24. 私立女子高教師 / 桂千穂. -- フランス書院 1986.3. -- (フランス書院文庫)

25. 襲われる女教師 / ノーマ・イーガン[他]. -- フランス書院 1986.9. -- (フランス書院文庫)

26. 血と薔薇は暗闇のうた / 桂千穂. -- 大陸書房 1987.10. -- (奇想天外ノベルス)

27. 黒い下着の女医 / 桂千穂. -- フランス書院 1988.6. -- (フランス書院文庫)

28. 先生、エッチね! / ふらんそ-わ[他]. -- フランス書院 1988.6. -- (フランス書院コミック文庫)

29. スチュワーデス・肛虐飛行 / 桂千穂. -- フランス書院 1989.3. -- (フランス書院文庫)

30. スチュワーデス加奈子のひみつ / 土屋慎吾[他]. -- フランス書院 1990.4. -- (フランス書院コミック文庫)

31. 看護婦静香・二十歳 / 桂千穂. -- フランス書院 1991.2. -- (フランス書院文庫)

32. 妖怪博士ジョン・サイレンス / アルジャノン・ブラックウッド[他]. -- 角川書店 1994.4. -- (角川ホラー文庫)

33. スクリプター / 桂千穂. -- 日本テレビ放送網 1994.6

34. 白い少女 / 桂千穂. -- 角川書店 1995.1. -- (角川ホラー文庫)

35. スチュワーデス・肛虐飛行 / 桂千穂. -- フランス書院 1995.11. -- (フランス書院文庫)

36. にっぽん脚本家クロニクル / 桂千穂. -- ワールドマガジン社 1996.8

37. 昨夜星光 / 邱良余慕雲[他]. -- ワイズ出版 1996.1

38. ドラキュラの客 / ブラム・ストーカー[他]. -- 新装版. -- 国書刊行会 1997.3

39. 田村孟人とシナリオ / 田村孟[他]. -- シナリオ作家協会 2001.7

 半数が翻訳だね。実作(小説)は、8作と少なく(同題再刊もあるようだ)、それも題名からするとエロティックな小説がほとんどのようで、ハードボイルド探偵小説からはほど遠い内容のようだ。
 だからこそ筆名を分けていたのだろうか。

 (まだまだ本件の考査はつづく)
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その27一人二役(2005/04/06)

2005-04-06 19:45:39 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 4月6日(水)からの<深夜の告白>からの続き。

 ・・・昨夜の、島内透=桂千穂ショックは続いている。
 ほんとうに島内透は、桂千穂なのか。
 
 うーむ。

 国会図書館での島内透のリストを拾いだすと・・・
  
『悪との契約』河出書房新社 1960
『白いめまい』光文社 1961
『白昼の曲がり角』光文社 1964
『血の領収書』祥伝社 1979
『死の波止場』祥伝社 1979
『海風の殺意』祥伝社 1981
『春の口笛は殺しを呼ぶ』徳間書店 1983
『殺しの弔鐘』広済堂出版 1985
『天安門の密命』 1990

 となるのだが『白昼の曲がり角』までの3作が、島内透の全力投球の成果であり、十数年の沈黙後に発表された『血の領収書』以降は、どう評価しても、前作品群に比較して、抜け殻というか、かたちだけを装った擬似ハードボイルドだ、というのがわたしの考えだ。
 
 というように、島内透は、とても贔屓の作家ではあるけれども、わたしの心のうちでは、その初期3部作で、燃えつきたハードボイルド作家というイメージが焼きついているのだ。

 (あまりに興奮しすぎて、考えがまとまらない。以下は、冷静になって後日報告する)
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その26続マカロニミステリ(2005/03/25)

2005-03-25 19:40:56 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ネタ切れなので、またまたまた新聞広告から引用。
 
 イタリア捜査シリーズ-デルーカの事件簿Ⅱ
 混濁の夏 カルロ・ルカレッリ著/菅谷誠訳 1500円(税込)

 前回同様、柏艪舎(はくろしゃ)の広告の紹介。
 第二弾が出るということは、前作の評判はよかったのかな?

 元手がなく、読むのは至難だが、食指は動く。
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その25マカロニミステリ( 2005/03/06)

2005-03-06 19:39:26 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニウェスタンとはまったく関係ない話。

 またまた新聞広告から。
 
 イタリアン・ミステリ日本上陸!! 白紙委任状 イタリア捜査シリーズ デルーカの事件簿Ⅰ カルロ・ルカレッリ著/菅谷誠訳 1500円(税込)

 この広告を出している、柏艪舎(はくろしゃ)という会社は、探偵小説関係では、いままでも、東直己やデイヴィッド・リンジーの書籍を上梓している北海道の出版社。
 イタリアミステリときくと、映画『サスペリア』のプロデューサーだったか、その監督、あるいは脚本家、名前失念。くらいしか思い浮かばないなあ。
 仏国ぽい、粘液質で、観念てきな作風なのだろうか。
 
 毎度のことだが、興味はあるが、元手がなく、読むのは至難だ。
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その24続大はずれ殺人事件(2005/02/27)

2005-02-27 19:38:02 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 インターネット古書店への注文連敗記録は、レイン・カウフマン『完全主義者』(H・P・B)を小休止として、まだまだ続く。

 推理文学会編『推理文学』(新人物往来社)
 野口赫宙『黒い真昼』(東都書房)
 
 など、みごとはずれ。
 
 インターネット古書店も、メンテナンスをきちんとしなきゃ、顧客は離れていくよ。
 ちょっと、うんざり。
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