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雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その53続続『百人一書』~戸田和光氏へ

2008-02-13 18:43:20 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 とはいうものの、戸田和光氏に面識があるわけではない。それどころか、会話も、メールのやりとりをしたことも、皆無だ。
 おまけに、<謎宮会>では、わたくしは、ヘレン・ケラ一氏の寄稿文が、心待ちにするぐらい、より好きだったりしたのだが・・・。

 懐古は、それくらいにして、つづけよう。

 21.景山民夫 虎口からの脱出(新潮文庫)
 22.笠井潔 サマー・アポカリプス(創元推理文庫)
 23.加納一朗 シャット・アウト(東都書房)
 24.加藤薫 ひとつの山(文藝春秋社)
 25.狩久 不必要な犯罪(幻影城)
 26.紀田順一郎 幻書辞典(三一書房)
 27.樹下太郎 銀と青銅の差(文春文庫)
 28.久米康之 猫の尻尾も借りてきて(ソノラマ文庫)
 29.黒岩重吾 休日の断崖(角川文庫)
 30.小泉喜美子 血の季節(文春文庫)

 さあ、いよいよ、本領発揮。へんてこな作品を並べているわけではないのだが。

 23.『歪んだ夜』でもよいのだが、『シャット・アウト』の方が入手しやすいだろうと親心ならぬ、選者心。
 24.はっきりいうと探偵小説ではない。しかしながら心に訴えてくる、強い何かがある。
 25.本リストのうち、裏ベストワン。
 28.SFに設定を借りたロジックミステリ。ジュヴナイルという糖衣が逆に認知度を低めているか。
 30.自作に対しての評判に、そんなに喧嘩腰にならなくても、理解するひとは理解してくれているにちがいない、と鷹揚に構えない作者の姿勢が素敵。

 31.小杉健治 絆(集英社文庫)
 32.小林信彦 紳士同盟(新潮文庫)
 33.西東登 蟻の木の下で(講談社文庫)
 34.坂口安吾 明治開化安吾捕物帖(角川文庫)
 35.佐々木譲 真夜中の遠い彼方(集英社文庫)
 36.笹沢左保 霧に溶ける(講談社文庫)
 37.佐野洋 透明受胎(角川文庫)
 38.島田一男 黒い花束(春陽文庫)
 39.島田荘司 斜め屋敷の犯罪(講談社文庫)
 40.高木彬光 人形はなぜ殺される(角川文庫)

 ここいらあたりは、まあ、穏当か。
 33.江戸川乱歩賞受賞作では、10.『猿丸幻視行』が最も好みだが、『蟻の木の下で』は、同賞最大の異色作。この凄みは尋常ではない。
 35.とても清清しい。
 38.『上を見るな』でも『去来氏曰く』でもよい。<南郷次郎>がわたくしのお気にいりだ。この奇想天外な奔放さは、本書が突出している。<南郷次郎>シリーズが不可であれば、『湖底の囚人』にしよう。

 41.高場詩朗 神戸舞子浜殺人事件(天山出版)
 42.高橋泰邦 大暗礁(光風社)
 43.高森真士 割れた虚像(青樹社)
 44.多岐川恭 氷柱(講談社文庫)
 45.竹本健治 匣の中の失楽(講談社文庫)
 46.多島斗志之 <移情閣>ゲーム(講談社文庫)
 47.田中光二 わが赴くは蒼き大地(角川文庫)
 48.檀一雄 夕日と拳銃(河出文庫)
 49.陳舜臣 炎に絵を(文春文庫)
 50.塚本邦雄 十二神将変(河出文庫)

 いよいよ、本番。
 でも、これらについては、次項にて。
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その52続『百人一書』~戸田和光氏へ

2008-02-12 21:38:41 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 では、各作品について、触れてみよう。
 前項では、出版元を記入し忘れていたので、書名の次に( )で書きくわえてみた。
 
 1.青柳友子 あなたの知らないあなたの部屋(新潮社)
 2.赤江瀑 オイディプスの刃(角川文庫)
 3.赤川次郎 幽霊列車(文春文庫)
 4.赤瀬川隼 潮もかなひぬ(文春文庫)
 5.赤羽堯 脱出のパスポート(文春文庫)
 6.阿木慎太郎 拳聖処刑行(廣済堂文庫)
 7.飛鳥高 ガラスの檻(学研)
 8.鮎川哲也 憎悪の化石(角川文庫)
 9.有馬頼義 殺すな(角川文庫)
 10.井沢元彦 猿丸幻視行(講談社文庫)

 このなかでは、「おや?」と思われるのは、4.5.6.あたりか。
 4.5.は、いずれも、直木三十五賞候補にもなった有名な作品だから、まだしも、6.は、ひょっとすると、探偵小説ファンでも、耳にしたことがないひとがいるかもしれない。その『拳聖処刑行』は、わたくしは、関口苑生が、高く評価していたのに興味を惹かれ、読んでみたが、これが滅法面白い。活劇小説好きで、未読の方は、どうぞ、お試しあれ。

 11.生島治郎 黄土の奔流(講談社文庫)
 12.石沢英太郎 カーラリー殺人事件(講談社文庫)
 13.岩崎正吾 横溝正史殺人事件あるいは悪魔の子守唄(創元推理文庫)
 14.江戸川乱歩 化人幻戯(春陽文庫)
 15.逢坂剛 空白の研究(集英社文庫)
 16.大谷昭宏 新婚夫婦殺人事件(幻冬舎アウトロー文庫)
 17.岡嶋二人 あした天気にしておくれ(講談社文庫)
 18.岡田鯱彦 薫大将と匂の宮(国書刊行会)
 19.小沼丹 黒いハンカチ(創元推理文庫)
 20.海渡英祐 影の座標(講談社文庫)

 ここでは、15.16.20.が気にかかろうか。
 15.逢坂剛は、現代を代表するエンタテインナー。ジャンルに縛られないオールマイティのつわものだ。『百舌の叫ぶ夜』や『カディスの赤い星』を選択せず、あえて『空白の研究』を選んだのは、逢坂剛の幅の広さを見せつけたかったからだ。
 16.どうして、探偵小説マニアは、大谷昭宏作品を推さないのか、不思議でならぬ。こういう傑作が埋もれてしまっているとは、嘆かわしい。
 20.海渡英祐=『伯林-一八八八年』という図式は、どうにかならないか。海渡英祐の器用ぶりは、江戸川乱歩賞受賞作だけでは、評価できようはずがない。『影の座標』の、憎らしいほどの企みを見よ。
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その51『百人一書』~戸田和光氏へ

2008-02-11 21:42:24 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 これは、わたくしが、以前、愉しみにしていた<謎宮会>という探偵小説についてのコミュニティサイト(http://tokyo.cool.ne.jp/meikyu/)の、2001年12月-2002年1月号に掲載された、戸田和光氏『極私的「百人一書」』に対する、わたくしなりの<極私的な>回答である。
 
 内容については、前記サイトをご覧いただきたいが、わたくしの、選定については、誤解があってはいけないかと、少しばかり、補足しておく。
 
 わたくしが、自らに課したことは、次の三つである。

 1.選ぶ作品は、昭和20年~63年(つまりは戦後の昭和時代)発表・発行。
 2.ハードボイルド作品は除く(個人てきな感情を省くため)。
 3.泡坂妻夫作品は除く(同、上記)。

 1.については、あまりにその対象範囲をひろげても、わたくしは、最近の探偵小説については、ほとんどというより、まったく読んでいないのだ。選びようがないではないか。
 2.意識して外したのは、例えば、順不同で、数点挙げると、

 石原慎太郎『汚れた夜』
 河野典生『群青』
 中田耕治『危険な女』
 山下諭一『危険とのデート』
 結城昌治『死者におくる花束はない』

 など、有名、人気作品、続続なのだけれども、次に、具体てきに云う。

 結城昌治は、これはややこしいかもしれないが、ハードボイルドという括りでいえば、ベストは、『幻影の絆(幻の殺意)』だと、わたくしは思っているけれど、いっとう好きなのは、上記作だ。それでも、自分の思いこみを、意識して思いとどまり、選んだのは、下記、選出のとおり。
 仁木悦子にしたって、『冷えきった街』がベストだと信じているんだけれども、以上のことから、選定作は、異なったものになっている。
 わたくしは、ハードボイルド探偵小説に、想いいれが強すぎるため、あえて、選ばなかったと、ご理解いただきたい。
 3.についても、その考えは、同様で、この探偵作家については、ひとことでは云えないくらいの想いいれがあるため、泣いて、棄権したのだ。

 くだくだしいので、以下、発表。
 戸田和光氏に倣って、(たぶん)五十音順。
 
 青柳友子 あなたの知らないあなたの部屋
 赤江瀑 オイディプスの刃
 赤川次郎 幽霊列車
 赤瀬川隼 潮もかなひぬ
 赤羽堯 脱出のパスポート
 阿木慎太郎 拳聖処刑行
 飛鳥高 ガラスの檻
 鮎川哲也 憎悪の化石
 有馬頼義 殺すな
 井沢元彦 猿丸幻視行
 生島治郎 黄土の奔流
 石沢英太郎 カーラリー殺人事件
 岩崎正吾 横溝正史殺人事件あるいは悪魔の子守唄
 江戸川乱歩 化人幻戯
 逢坂剛 空白の研究
 大谷昭宏 新婚夫婦殺人事件
 岡嶋二人 あした天気にしておくれ
 岡田鯱彦 薫大将と匂の宮
 小沼丹 黒いハンカチ
 海渡英祐 影の座標
 景山民夫 虎口からの脱出
 笠井潔 サマー・アポカリプス
 加納一朗 シャット・アウト
 加藤薫 ひとつの山
 狩久 不必要な犯罪
 紀田順一郎 幻書辞典
 樹下太郎 銀と青銅の差
 久米康之 猫の尻尾も借りてきて
 黒岩重吾 休日の断崖
 小泉喜美子 血の季節
 小杉健治 絆
 小林信彦 紳士同盟
 西東登 蟻の木の下で
 坂口安吾 明治開化安吾捕物帖
 佐々木譲 真夜中の遠い彼方
 笹沢左保 霧に溶ける
 佐野洋 透明受胎
 島田一男 黒い花束
 島田荘司 斜め屋敷の犯罪
 高木彬光 人形はなぜ殺される
 高場詩朗 神戸舞子浜殺人事件
 高橋泰邦 大暗礁
 高森真士 割れた虚像
 多岐川恭 氷柱
 竹本健治 匣の中の失楽
 多島斗志之 <移情閣>ゲーム
 田中光二 わが赴くは蒼き大地
 檀一雄 夕日と拳銃
 陳舜臣 炎に絵を
 塚本邦雄 十二神将変
 辻真先 宇宙戦艦富嶽殺人事件
 土屋隆夫 影の告発
 角田喜久雄 高木家の惨劇
 都筑道夫 悪意銀行
 天藤真 殺しへの招待
 戸板康二 グリーン車の子供
 塔晶夫 虚無への供物
 東郷隆 定吉七は丁稚の番号
 富島健夫 容疑者たち
 中薗英助 密航定期便
 中町信 奥只見温泉殺人事件
 中村真一郎 黒い終点
 夏樹静子 天使が消えていく
 南條範夫 三百年のベール
 仁木悦子 殺人配線図
 仁科東子 針の館
 西村京太郎 D機関情報
 西村寿行 滅びの笛
 新田次郎 空を翔ける影
 日影丈吉 内部の真実
 東野圭吾 放課後
 樋口有介 ぼくと、ぼくらの夏
 平井呈一 真夜中の檻
 平石貴樹 だれもがポオを愛していた
 広瀬正 T型フォード殺人事件
 福島正実 異次元失踪
 藤沢周平 秘太刀馬の骨
 藤原審爾 夜だけの恋
 藤村正太 脱サラリーマン殺人事件
 藤本泉 地図にない谷
 船戸与一 夜のオデッセイア
 星新一 気まぐれ指数
 眉村卓 ぬばたまの・・・
 三好徹 風は故郷へ向う
 宮脇俊三 殺意の風景
 水上勉 耳
 松本清張 零の焦点
 もりたなるお 真贋の構図
 森村誠一 異型の白昼
 山下武 異象の夜に
 山田太一 飛ぶ夢をしばらく見ない
 山田風太郎 妖異金瓶梅
 山田正紀 火神を盗め
 山村美紗 花の棺
 山本周五郎 寝ぼけ署長
 結城昌治 白昼堂々
 夢枕獏 飢狼伝
 横溝正史 本陣殺人事件
 連城三紀彦 運命の八分休符

 以上、九十九人一書。
 詳細については、別項で。
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その50ベスト1(2007年)

2008-01-01 15:03:08 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 2007年は、これといった、作品を読むことができなかった。 
 というか、これといった、作品を見つけることができなかった。
 なにもなしというのは、淋しいから、それでも、いくつか、候補を挙げてみよう。

 フレドリック・ブラウン『パパが殺される!』東京創元社(創元推理文庫)
 フレドリック・ブラウン『わが街、シカゴ』早川書房(H・P・B)

 の<エド・ハンター>シリーズ。

 あるいは、 

 マイクル・アヴァロン『ある戦慄』早川書房(H・P・B)

 の翻訳書三冊ではどうだ。
 けれども、どれも、がつんとくるという感じではなく、どちらかというと、うひゃうひゃと独り喜ぶような感じだからなあ。

 で、決定したのは、

 講談社名作文庫10『一休和尚漫遊記』講談社(講談社文庫)

 これで、どうだ!
 落ちついて、人生を考えてみるには、格好の書。

 今年は、1年に一度は、こういう小説が読めることができて、幸せだというような探偵小説を見つけたいなあ。
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その49知と地

2007-12-02 13:45:03 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 わたくしが船知慧の名前を知ったのは、尊敬する葉山響氏と同じく『本の雑誌』誌上であった。(「シリーズ 絶版本の快楽 第四回 竹内義朗『黒い果実 ブラック・フルーツ』」謎宮会1999年7月号 http://tokyo.cool.ne.jp/meikyu/art99/hym9907b.html)
 『破れても突っ込め』という、その作品は、北上次郎氏が選ぶ、国産ハードボルイドベスト20に挙げられていたのだが、題名からしても、なにやらぞくぞくするような妖しい匂いを濃厚に発散させているではないか。
 すぐにでも、読みたかったのだが、あいにくともう絶版のようで、もちろん地方の小さな古書店の棚には、並ぼうはずはない。(現在にいたるまで、一度も、眼にしたことがない。)
 その『破れても突っ込め』が、『暗黒の海』と改題されて再出版されていることを教えてくれたのも、また、『本の雑誌』で、船知慧を紹介していた北上次郎氏だった。

 いまここで、『暗黒の海(破れても突っ込め)』の感想を述べるべきではないようだ。
 というのは、船知慧は、ミステリマインドを心のうちに矜持する作家ではないかと、わたくしはみるからで、作品の表面に出ているのは、<不良少年たちの青春>という、いまでは珍しくもないが、所謂アウトローたちの行動なのである。
 ひとによれば、これを探偵小説として看做すのには、首をかしげるかもしれない。
 わたくしは、たしかに緩いとは思うが、これは、まちがいなくハードボイルドにちがいない。
 だからと云って、開きなおるのだが、それは、読者自身が判断すべきことだと考えるのだ。
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その48書鬼その2

2007-09-25 08:03:10 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 <深夜の告白>でも報告させていただくが、ボアロー&ナルスジャックほか『牝狼 窓』(東京創元社現代推理小説全集14)を、インターネット古書店で購入した。
 価格は、いくぶん高いかなと感じたのだけれど、お友だちたちと、最近遊んでいないので、財布には、こころもち余裕があり、思いきって注文することにしたのだった。
 待つこと数日。郵便ポストに書籍小包が届いていた。
 期待を膨らませながら、包みをほどいて、がっかり。
 べったり、大きく、朱色の蔵書印が、あるではないか。
 サイトの書籍紹介には、そんなこと一言も謳っていなかったよ。
 ああ、残念。
 と思いながら、よくよく、その押印を眺めてみると、待てよ、この印どこかで見たことがあるぞ・・・・・・。
 あわてて、裏表紙を確認する。
 あったぞ、あった。例の蔵書管理シールが貼ってある。
 やあ、あのひとだ! 
 間ちがいない。
 なんという奇遇だ。こんなことがあろうなんて。

 というのは<思考機械>その37書鬼、で触れた、探偵小説の鬼と思しいマニアの旧蔵書氏所有だった書籍の放出品であったのだ。
 もちろん、わたくしが今回購入した先のインターネット古書店は、わたくしが以前、店先で買いもとめた古本屋では決してない。
 どうめぐりめぐって、旧蔵書氏の古書は離散してしまったのか。
 それを思いめぐらすと、なにやら不思議と、もの悲しく切ない気持ちになってしまう・・・・・・。
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その47フラワー・ショップ

2007-09-21 09:16:14 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 昨日、古書店で何気なく手にとった丸背の冊子。
 抒情文芸誌『灯』とある。
 表紙絵からすると、夢見る文学少女向けの専門誌のようだ。
 わたくしは、興味外なので、棚を戻そうとしたのだけれども、せっかくだからと目次をひらいてみた。
 寄稿者も知らないばかりで、面白みがまったくない。
 なあんだ、と思った瞬間、飛びこんできたのは、次の名前。

 「山下諭一」

 ええ?
 掲載誌ちがいじゃないの。
 山下諭一は、官能と暴力を描く成人男性誌に似つかわしい感じなんだけれども。
 
 それでも、古書店には、同誌が、二冊(昭和40年1月号および同9月号)あった(どちらも、山下諭一作品を掲載)ので、ぜひ読みたく、すぐさま購入し、いそいそと店をあとにしたのであった。
 読後は、あえて<机上殺人現場>へ、その感想を載せようと思っているので、ここでは、購入した『灯』誌に載っていたバックナンバーから、山下諭一作品の掲載号と、題名を以下に羅列する。
 <フラワー・ショップ>という副題のようで、いずれも、花の名前がタイトルになっている。

 昭和39年3月号「フリージャ」
 昭和39年4月号「サイネリア」
 昭和39年5月号「アイリス」
 昭和39年6月号「パンジー」
 昭和39年7月号「エーデルワイス」
 昭和39年8月号「ゼラニューム」
 昭和39年9月号「ガーベラ」
 昭和39年10月号「ガーデニア」
 昭和39年11月号「コスモス」
 昭和39年12月号「ポインセチア」
 昭和40年1月号「スイート・ピー」
 昭和40年2月号「クロッカス」
 昭和40年3月号「かたくり」
 昭和40年4月号「やまぶき」
 昭和40年5月号「 」
 昭和40年6月号「あざみ」
 昭和40年7月号「しゃくなげ」
 昭和40年8月号「まつよいぐさ」
 昭和40年9月号「ひがんばな」

 目次録では、昭和40年5月号には、山下諭一の名前はなかった。
 また、昭和40年9月号以降、いつまで掲載が続いたのかは、いまは判らない。 
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その46ぬかよろこび(2007/08/10)

2007-08-10 20:14:55 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 柴田錬三郎『今日の男』(ロマン・ブックス)を古書店にて、ようやく見つけ、うはうは喜んでいたところ、何気なく、インターネットで検索してみたら、あらら、改題(『不安な遺言』)されて、廣済堂文庫として、再刊されているじゃないの。
 ああ、無情。
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その45リライトということ(2007/05/04)

2007-05-04 20:13:52 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 2007年4月25日に読んだ、ワイリー『地球さいごの日』だけれども、レンタルヴィデオで観た、大人を主人公にしている映画版と、小説の方は、子どもが活躍する、というちがいは、北原尚彦『奇天烈!古本漂流記』(ちくま文庫)を再読して、氷解した。

 「・・・・・・講談社版『地球さいごの日』では、主人公を少年に書き換えてしまった。・・・・・・」(上記から引用)

 あらあら、北原尚彦『奇天烈!古本漂流記』は、つい最近、眼をとおしたはずなのに、すっかり忘れていたよ。
 なあんだ。リライトか。
 それにしても、罪つくりだな。
 おとなをからかうもんじゃないよ。
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その44素朴な疑問(2007/02/27)

2007-02-27 20:12:42 | 思考機械(旧題・探偵小説のこと)
 ふらりと立ち寄った新刊書店で『ミステリーズ!vol.21 FEBRUARY 2007』(東京創元社)をみかけ、立ち読みする。
 もちろん興味は、宮脇孝雄氏の、高城高『X橋付近』の書評だ。
 わたくしが気になったのは、書評末尾の、島内透の引用をしている箇所。
 宮脇孝雄氏は、同時期のハードボイルド探偵小説として、島内透の二大長篇として『悪との契約』と『白いめまい』を挙げている。
 不思議なのは、それではなぜ『白昼の曲がり角』には、触れていないのかという点だ。
 おそらくは『悪との契約』は、60年、そして『白いめまい』は、61年の発表だが『白昼の曲がり角』は、間が空くこと64年の出版ということが『白昼の曲がり角』の書名をもち出していない理由ではないかと、勝手に推測するのだが、『悪との契約』と『白いめまい』を二大長篇というくらいの提燈をもつ(それだけの力作であるのはまちがいないが)のなら、その二作に見劣りのしない(あえていうと<北村樟一三部作>の完成形ともいえる)『白昼の曲がり角』についても、一言、触れておいてもよいのではないかと、島内透のファンとして、心にひっかかった。
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