のんたんち

ネコは相棒

旅立ち と もうひとつの物語

2020-08-31 21:07:17 | 猫マンガ
こんにちは。変幻自在 神出鬼没のエンジェルキャットのんたです。


27日の夕方、おばさんちの玄関先で佇むシロタヌキ。


おばさんちは私道の奥です。

暗くなってシロタヌキは私道のもう少し道路(公道)方面に移動しました。
暑い日でしたから、土の上のほうがヒンヤリと気持ちが良かったのかもしれません。

11時頃シロタヌキの鳴く声が聞こえたので見に行くとさらに道路の方へ移動していました。
おばさんを見るとにゃあにゃあ鳴くので、シロタヌキの傍らにしゃがみ込んで奴に話しかけました。
ひどく痩せてしまった背中をゆっくりと撫でてあげました。頭も撫でてあげました。
奴はおとなしく撫でられていました。 少しだけ喉を鳴らしたような気がしました。
ずっと前からふたりは仲良しだったような気がしました。
もう水も飲まなくなっていました。それでも指につけて鼻や口を濡らしてあげました。
まだ少し動く力が残っているので、あと1~2日は頑張れるかなと思いました。(頑張らなくてもいいんだけど)



日付が替わった頃、おばさんはシロタヌキに「 おやすみ 」を言いました。
「 道路(公道)に出ないで、ここにいなさい。」と言い聞かせました。
その時のシロタヌキ。これが奴のさいごの写真となってしまいました。


夜中に様子を見に来ようと思っていたのに、すっかり寝てしまって 気が付いたら5時でした。
慌てて外に出ましたが、シロタヌキの姿はどこにもありませんでした。
夜中に雨が降ったようで、道路が濡れていました。
雨を避けてどこかに移動したのか、それとも・・・

近所の車の下や、猫が通りそうな家と家の隙間などを探し回りましたが 見つかりませんでした。
道路にシミがあれば白い毛がないか、見回しました。

なんで365日のうちのたったひと晩くらい一緒にいてあげなかったのか! 悔やんでも悔やみきれません。

後ろ髪を引かれる思いで仕事に行き、家の前でシロタヌキが待っていることを願いながら帰ってきましたが、
やはり奴の姿はどこにもありませんでした。

そのまま疲れてごはんも食べずに寝てしまい、29日は4時に目が覚めました。
近所を探して回りました。
近所でカラスが騒いでいないか、大きなハエが飛んでいないか。異変はありませんでした。
夜も探しましたが見つかりません。

考えてみればシロタヌキのいったいどれだけのことを知っていたと言えるのでしょう。
どこで寝起きをしていたのかすらわかりません。
うちでごはんを食べていたのはシロタヌキの生活のほんの一場面に過ぎなかったのではないでしょうか。
何でもわかってる気になって、その実 何ひとつ奴のことを知らなかったことに今更ながら気が付きました。


そして30日も。
この3日間、猛烈な暑さが続いていました。
諦めの気持ちと 後悔がどんどん大きくなりました。
シロタヌキが行方不明になってから今までおばさんはPCもラジオも点けませんでした。
ラジオは3.11以来 夜中も点けっぱなしだったのに。
シロタヌキが戻ってきて鳴いたらすぐわかるように音に出るものは目覚まし以外何も点けませんでした。
でも奴が鳴くことはありませんでした。





そして今日、おばさんは泣くのを止めました。 もう泣かないと決めました。
今日 どうしてもやらなければならないこと。 その一つ目。



これは蓮華寺の本堂。 本堂の裏手に動物霊園があります。



動物霊園の友愛観音さま。



きれいなお顔の観音さまです。
シロタヌキの安らかな旅立ちをお願いしてきました。



観音さまの向かい側にある絆塚(合祀墓)。
シロタヌキの旅立ちを見守ることができたなら、ここに入れてもらおうと思っていたのに、
奴はさいごのさいごまで筋金入りの野良を貫き通したようです。
ばばあの思い通りになんぞならねぇよ。」って言ってる姿が目に浮かびます。



シロタヌキのためにお花を買いました。
のんた君にもシロタヌキのことをお願いしました。



『 よっし、任せろ。(のんた) 』


おばさんにできること。 それはシロタヌキのことを忘れないでいてあげること。
いつもケンカばかりしてたけどさいごに仲良くなれたよね。 ありがとう。忘れないよ、いつまでも。
























そして もうひとつの物語

シロタヌキが消えた28日の朝、近所を探し回って家に戻ると、玄関先にふらりと1匹のネコが現れました。



以前に何回かやって来た子、はちのじと思われます。
遠慮がちにこちらを見ています。 今までもシロタヌキの残りを食べたりしてたのかもしれません。
ここであげたらシロタヌキが戻ってこれなくなるとも思いましたが、目の前でごはんを乞う子にあげないわけにはいきません。
美味しそうに食べてました。

見ると左後ろ足に怪我をしています。
覚えてますか?
むかしシロタヌキが足に怪我をして腫れあがって、薬を飲ませて治したことを。
左右のちがいこそあれ同じところを怪我しています。
何か因縁のようなものを感じました。
怪我に効くかどうかわからないけど、マタタビをあげました。
少しびっこを引きながらどこかへ帰っていきました。

29日、30日は来たのか、来なかったのか、会えませんでした。
猛烈に暑い3日間、怪我が化膿してなければいいけれど・・・

そして今日、こちらに歩いてくるはちのじを見つけました。
「 おいで!」と呼ぶとついてきました。



少しおどおどしながらごはんを食べるはちのじ。



幸い 足の怪我は化膿してないようです。
今日はびっこも引いていません。 今日もマタタビをあげました。



はちのじは今のところなったく鳴きません。 警戒心もシロタヌキほど強くないようです。



割と近くまでやって来ます。



因みにはちのじは女の子のようです。



今日おばさんがやることの2つ目。


それは動物病院へ行って薬をもらうこと。
今日は間に合わなかったけど、明日以降も来るようなら ごはんに混ぜて食べさせる予定です。



動物病院の入り口にはいいろんな情報が貼られています。







世の中は不思議です。
ひとり旅立ってその涙が乾く間もなく、また別の誰かが現れる。
はちのじが のんたんちの4番目の野良になるかどうかは まだわかりませんが。



今日の5にゃんはお休みします。 みんな元気です。






今日も辛い話にお付き合いいただき ありがとうございます。



























あばよ!(シロタヌキ) 」
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (y&t)
2020-09-01 05:39:16
シロタヌキ・・・こんなに思われて幸せなだね。
おばちゃん、シロタヌキもきっとありがとうと言ってるよ。
彼のふてぶてしい野良魂!忘れません。
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Unknown (栃木のおばはん)
2020-09-01 16:07:15
びっくりしました。
でも、いっぱいケンカして死守し続けたおばちゃんの庭を最後に安らぐ場所に選び、”おう、世話になったな”とでも言うようにおばちゃんにあいさつしていったんですよ、きっと。シロタヌキ、なかなかの漢じゃないですか。
シロタヌキ、長い間、たくさん楽しませてくれてありがとうね。
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Unknown (しいちゃん)
2020-09-01 22:51:03
シロタヌキ君のひそかなファンです。読み逃げばかりでしたが、ねこばばあさんのシロタヌキ君に言葉を付けるのがあまりにもピッタリ代弁しているようで。異常なまでの今年の猛暑、野良ちゃんにもどれだけダメージがあったか計り知れなく…私からもありがとう言わせて下さい。シロタヌキ君向こうで仲間たちと自由に過ごしてね。いつかどこかで会えたらいいな。
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Unknown (黒猫ワグちゃん)
2020-09-02 18:01:49
ねこばばあさんの文章を読みながら私もわんわん泣いてしまいました。
シロタヌキは死を前におばさんに「ありがとう」を言いに来たのですね。
こんなにも優しい人に巡り合った彼は幸せな最期だったと思います。
おばさん、本当にありがとうございました。
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Unknown (Yoko-boo)
2020-09-03 13:45:00
あっぱれな野良猫魂、シロタヌキ
ねこばばあさんに巡り合って、とても幸せな子でした。
別れの、そして愛の拍手をシロタヌキに、感謝の拍手をねこばばあさんに yoko-booから送ります
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Unknown (chigusano)
2020-09-04 16:46:53
先日から気になりつつも
お母さんのブログを覗くのできませんでした。
今日は勇気を出して!!!

あふれ出る涙が止まりません。
お母さん~♡シロタヌキちゃんのノラ人生に
最期まで関わってくださって ありがとうございました。
シロタヌキちゃんにとって 唯一、頼りにした人が
お母さんだったのでしょう。
最後の最後まで お母さんのそばにいて人生を全うしたこと 本当によかった!立派!
お母さんのやさしさを はちのじちゃんにバトンタッチ!
彼は託したのね~~。
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Unknown (さんたまま)
2020-09-06 13:35:18
シロタヌキくん・・虹の橋を渡ったのかなあ。涙が止まりません。こっそり大好きでした。
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お返事遅れてごめんにゃさい (ねこばばあ)
2020-09-14 12:44:02
1匹の野良ネコにたくさんの愛情を注いでくださって本当にありがとうございました。
奴にとって何が最良なのか、考えながらの日々でしたがやはり後悔ばかり残っています。
奴は幸せだったのか、私にはわかりません。

☆y&tさ~ん
いつもいつも見守ってくださってありがとうございました。
奴のふてぶてしい野良魂、私も忘れません。

☆栃木のおばはんさ~ん
ケンカは強くはなかったのでしょう。
いつも傷だらけでした。耳なんかきくらげみたいに変形してました。
それでも7~8年のつきあいになりました。
おもしろい奴でした。

☆しいちゃんさ~ん
私が言葉を付けたというより 奴を見て感じるままを書きました。
シロタヌキを応援してくださってありがとうございました。
よければこれからも他のにゃんたちを見守ってくださいませ。よろしくです。

☆黒猫ワグちゃんさ~ん
ワグちゃんさんはシロタヌキに会ってたっけ?
あまりのふてぶてしさによくけんかしたけど、もっとけんかしたかった。
後悔ばかりが残ります。
奴は私の心にさいごに引っかき傷を残していきました。

☆Yoko-booさ~ん
後悔しないようにとやったつもりなのに、後悔ばかり残ります。
さいごを看取ってあげたかったです。

☆chigusanoさ~ん
わがことのように心配してくださってありがとうございます。
もっと何かしてあげられなかったのか、後悔、後悔の毎日です。
「ふん、頼り甲斐のない奴だぜ。」ってシロが言ってる気がします。

☆さんたままさ~ん
あの暑さの中、どこへ行ったのでしょう。
大威張りで虹の橋を渡ってる白いネコが見えるようです。
シロタヌキを応援してくださってありがとうございました。
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