うおちゃんはドバイへ旅立ち、
そこで競走生活を終え、
アイルランドへ旅立ってしまった。
うおちゃんには
まだ、「ありがとう」の言葉すら言えていない。
観戦したレースの素晴らしさも伝えてない。
うおちゃんが命がけで産んでくれた
宝物を守り切れなかったことに
ひたすらに「ごめんね、ごめんね」
と泣いた日もあった。
それ以上に
うおちゃんの子供たちが
成長し、活躍の場を拡げていく様を
誇らしく嬉しく
年を追うごとに
母ウオッカを彷彿とさせる姿に近づく姿は
競走馬時代のうおちゃんを知る者だけの
ひそかな楽しみでもあった。
身体はなくとも、
私の勝手な想像の中で
うおちゃんは生き続ける。
うおちゃん、うおちゃん、
今日はうおちゃんの誕生日だよ。
あなたのことを思う人たちが
あなたを待ってるよ。
うおちゃん、走って戻っておいで。