おかあさんのうた

どこをどう歩いてきたんだろう。
おかあさん、子供たちよ。
あのぬくもりはもう帰っては来ないのだろうか。

逢いたい

2012-10-07 11:51:58 | 随筆
 由布子に逢いたい。

“紅いのばらがただひとつ
 荒れ野の隅に咲いていた
 ものみな枯れた山陰に
 風に震えて咲いていた“

あれはどこのホテルだったっけ。
「おんちゃん、男の歌がいいよ」
由布子はそういった。
この歌を歌ったっけ。
“昔の名前ででています”じゃなかったっけ。

 どこだったんだろう。
ホテルなんかで俺が歌うわけないよな。
「男の歌を歌いなさい」
お前はそういってくれた。
ここだ! というときには俺は男の歌を唄った。

逢いたいな。
どうしているかな。

タクシーなんか乗らないよ。
歩いて帰るんだ。
15分だからね。
勿体ないさ。
結構最近は、」経済観念が出来てきただろう。
ずいぶん、
苦労かけたね。

逢いたいなあ。

お前の小さい肩がみえるよ。
「こぼれ花」じゃなかったっけ。
あれは津和野のホテルだった?
津和野では泊まってないよね。
湯本温泉?湯田温泉だった?
とてもシックなホールだったよ。

今夜は月が出ていない。
空は漆黒だ。
もうちょっとだけ待ってね。

必ず、帰るから。

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