年末の新聞は面白いですよね。今年1年を振り返る的な特集が多くて。印象的な記事をいくつか。
「ひと」。
中国青島で柔道の普及に努め、今では青島から五輪メダリストが輩出するほど柔道を盛んにした徐さんという方の話。
「姿三四郎」に熱中して体育大学で柔道を専攻し、故郷に帰ってきたら誰も柔道を知らない。そこで子供たちを集め砂浜で練習を始めたと。
ある日省長さんが通りかかり、練習風景を見、「君たちは喧嘩をしているのかね?」「いえ、『柔道』です!」深々とお辞儀をする子供たちに感心した省長さんは青島に柔道場を作ってくれたんだって。
徐さんも、相手への敬意や精神性を重んじる柔道は本当に素晴らしいものだとお考えのようで
そりゃライフワークにしてるくらいですもんね!もっと柔道を中国に広めたいと(涙)
そうですよ柔道は素晴らしいんですよ。いま世界で大流行の「JUDO」ね、あれはいけません。
精神を大切にしなきゃ。ちゃんと組んで一本を取るのが柔道です。
社説で小泉元首相の言葉がひかれてました。先の参院選を受けての一言のようです。
「自民党はこの敗北に耐えられるか。民主党はこの勝利に耐えられるか」。
いつもながらうまいことを言いますよね。感心します。「ワンフレーズ・ポリティクス」といわれて良くも悪くもクローズ・アップされたわけですが、私は好きなんですよね。「良くも悪くも」ですけど。
歴史上名を残す政治家というのは、だいたい言葉がうまいです。後世永く残る言葉を残してる人、多いではないですか。小泉元首相がそういう政治家だとは言いませんが、政策とかはともかくイメージですけど、近年の日本の首相としては出来の良い首相だったよなぁと思い出してしまいました。
韓国では、「ブルドーザー」の異名を取る人が大統領になりますよ。なんつったけな。企業経営を長くしてた人で、「韓国のCEOになる」と言ってるそうです。それについての海外記事、英国のタイムズだったっけ?が紹介されていました。日本でいうと田中角栄みたいな感じだって。選挙期間中に汚職疑惑らしきものがあり、お金にダーティーなイメージがついたにも関わらず大統領選に勝ったのは相当な期待の表れなんではなかろうか。
ノムヒョンという人は、私の目からはどうも頭のバランスが今ひとつなイメージがありました。「わがままなおぼっちゃん」みたいなね。まぁ私も他人の国のことは言えませんが。そういう意味では安倍さんから福田さんに代わってホントに良かったと思います。
来年はその豪腕ぶりがどんなものかちょっと期待しています。太陽政策にも批判的だそうですし、CEOっていうと頭の中に計算機が入ってるような、名より実をとりそうなタイプなんかな。要はその「話がわかりそう」ではないですか。日本との関係もノムヒョンよりはうまくやるんじゃないかと。
海外面はパキスタン。「黒幕は誰か」という話になってきてますね。連日暴動が起きているとか。どうなるんだろうこれから。
「写真で2007を振り返る」というのもありました。そういえばこんなことあんなことあったなぁ、というのがズラリ。「これって今年だっけ?」みたいなもう遠い記憶の彼方みたいなのも多かったです。1年は早いものですね。
ミャンマーでビデオカメラを片手に仰向けに倒れた誰さんでしたか、ジャーナリストの
方の写真が痛ましかった・・・
いろんな「安全」が脅かされた1年というふうにまとめられていました。
1~2ヶ月に2日連載の形で続いている「東アジアの100年」。
今日は「アジア・太平洋戦争」の巻。当時の燃料担当で海軍にいた元中佐の話は「へぇ」と思わされるものがありました。歴史の証人の皆さんの多くはもう他界されていますが、その方はもう90を超えてなおご健在、貴重なお話を伺うことができたそうですよ。
彼自身は、「アメリカと戦争するのは愚の骨頂。勝てる見込みがない」と考えていたとか。当時の海軍の空気として、そんな考えを持っていた人も相当数いたことをうかがわせます。
対中戦を継続するためには南方資源を確保する必要があり、それにはイギリスとの戦争も不可避→アメリカとの戦争も避けられないという論法から対米戦も決意したという流れといわれていますが、外交交渉によって石油禁輸を解除する道も一方で模索しています。
東郷外相の乙案の回答がハル・ノートという形で示され、開戦の流れが決定的になったというのが通説ですが、もし米側の回答が暫定妥協案だったら、開戦は3ヶ月ほどは伸び、その間に米軍の太平洋側の軍備が整えられ、欧州戦線のドイツの勢いに変化もあったことから、到底対米戦など無理という判断を日本がした「かもしれない」というか「してただろう」というような「if」話も。
なぜ米国の回答がハル・ノートだったのかについては、今も明らかにはなってません。まだ歴史が生乾きですから、研究者たちの間で一定の合意ができるにはまだ時間がかかりそう。
それはさておき、印象に残るくだりがありました。このシリーズは、必ず「日中韓台のそれぞれの教科書ではどのように扱われているか」が比較紹介されているのですが、印象に残ったのが中国の教科書。中学世界史。最後に、生徒に向けて考えさせるような設問があるそうです。そのうちのひとつ。
「唯一の被爆国である日本では、日本は第二次世界大戦の被害者であるという考え方がある。そのことについてどう思うか」
中国の中学生はどう思うんでしょうか?まぁ「自業自得」的な感想を持つんでしょう。「核兵器がいかに恐ろしいかということを韓国人はあまり知らない」という韓国の研究者の話も紹介されていました。日本人も日本人ですが、やっぱりそのあたりを埋めるのは難しいだろうなと思ってしまいます。歴史認識についての壁はまだまだ高そうと思いました。
このシリーズは面白いので、いずれ全部出揃ったら感想を書いてみたいなと思います。
まぁ朝日嫌いの方々にはオススメしませんが。
ではでは、皆さんよいお年を!