陽の当たる場所へ

日陰を歩く者は
陽の当たる場所に辿り着くことを夢見て
思考に耽る

組織と活動の間で

2006年04月11日 | 活動日記
 要約筆記サークルの定期総会があり、自分は司会と議長を担当することになった。

 小さいサークルだからといって、皆がまとまっているかというそうでもない。
 皆が皆、個人的な考えに基づいてよりサークルをよくしようという思いがあるので、議事はもめにもめた。

 特に普通の議事とは異なり、難聴者も参加しているので、彼らに情報保障をしながらの進行を心掛けないといけない。
 そのため、皆が好き勝手に意見を言うのではなく、一人一人順番を待って意見を言うようにさせなければならない。

 また、とりとめもなく出された意見を、皆が理解できるようにまとめたり、採決をしたりと、苦労も並大抵のモノではない。

 どうにかこうにう成立し、無事に終わったわけだがなかなか…

 これじゃ新しく入った部員が続かないわけだ。
 聴覚障害者の為に活動をしようと思っても、わざわざこんな複雑な組織や人間関係の中に入ろうなんて物好きはおらんて。

 帰りに寄った本屋で知り合いのろう男性がいた。
 どうやら娘さんのお守りらしい。
 最初は本を買って帰るつもりだったのだが、ゲーム機の順番待ちをしている娘さんの後ろで暇そうにしている彼を見て、話をすることにした。

 2週間前にも、借りていたビデオを返したついでにカレー屋に寄ると、後から別のろう男性がやってきた。
 夜の7時台だったので、客が多く、彼はお店の人に注文をし辛そうだったので代わりにすることにした。

 手話ができるできないに関わらず、聴覚障害というものがどんなものなのか知っているということが、こういう日常の何気ない場面で発揮する。

 自分たちがしていこうとすることは、こんな日常生活で彼らとともに歩んでいくことなのに、そこに組織が絡んでくると途端にことは複雑になり、やる気をなくし、消えていく。

 障害者のために…なんて耳障りの良い綺麗なフレーズで障害者運動を促進しているが、実際はなかなか。

 よっぽどの覚悟がないとできん世界じゃわいね。