熊じぃの戯言

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見ていて安心感のある守護神西川周作に関するコラムを紹介。

2013-11-18 14:00:11 | 日本代表


オランダ戦で久々に先発したGK西川周作に関するコラムがフットボールチャンネルにあったので、全文掲載しておきます。


バックパスされても慌てないで処理(フィードする)のは安心してみていれます。


ガンバレ! 西川周作選手



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 “2番手”以上の存在感を示したGK西川周作。日本に流れ呼び込んだ高いビルドアップ能力に迫る

オランダ戦、GKは川島永嗣ではなく西川周作だった。2失点はしたが、彼の良さが出た試合でもあった。西川の武器は正確なキック能力。DF陣との細かなやりとりから攻撃の起点となり、日本に流れをもたらした。

2013年11月18日

text by 河治良幸 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography



DFに細かく動きを要求していた西川



西川は出場した試合で高い勝率を残し、東アジア杯では優勝を経験した【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 オランダと2-2の引き分け、それ以上にザッケローニ監督が求めていた内容面でもポジティブなものを見せた日本代表。世界でもトップレベルのパスワークを誇るオランダに対し、多くの時間帯で試合の主導権を握りながらチャンスを構築できた要因の1つが、GK西川周作のビルドアップだった。

「心の準備はしていた。来い来い来いと」

 そう笑顔で応える西川は“川島永嗣の2番手”という位置付けの中で折れることなくチャンスに備えている。出場はオランダ戦を含め11試合(先発した9試合)で7勝3分1敗と高い勝率を残している。

「ホームが多かったので。でも、いいことですね」と語る西川はキャッチングやカバーリングといった守備の安定感に加え、ビルドアップでも高い存在感を示す。

「基本的にサイドの選手がフリーの時にはサイドチェンジを使って、チャンスがあれば(本田)圭佑にボールを当てて、クサビを入れる様なイメージは常に持っている」と語る西川は、相手FWのプレスに応じてディフェンスやボランチからバックパスを呼び込みながら、広角にキックを繰り出した。

 キック力は川島もあるが、西川の持ち味は相手のプレッシングに慌てることなく、落ち着いて的確なパスのターゲットを探せること。さらに「自分に出したらもう1回動いてくれと、それは言っていた」と語る様に、ディフェンスラインの選手が西川からパスを受ける予備の動きにも細かい要求をしているのだ。


相手のプレスをいなしたビルドアップ


西川周作のパスゾーン

 オランダは序盤、ウィングのロッベンとレンスがSBをチェックし、トップのS・デ・ヨングと攻撃的MFのストロートマンとファン・デル・ファールトが日本のCBとボランチの“ボックス”にプレッシャーをかけてきた。

 ザッケローニ監督はボックス間のパス交換から、より高い位置に上がったSBや前線の選手につなげて、攻撃をスピードアップさせる練習をしている。

 そこを狙われたことで序盤はパス回しがあたふたしてしまったが、徐々にGKの西川を使いながら相手のプレッシャーをいなすことで、落ち着いたボール回しが出来るようになったのだ。最初の方で何度かパスをカットされ、大きなピンチを招きそうになった山口も「試合の中で意識するようになった」と振り返る。

 西川は「試合前には自分のところから、つなげたらつなごうと話していた」と語るが、オランダのプレッシャーを受ける中で、リスタートのみならず流れの中でも、西川のビルドアップをしっかり使うことで、日本の良い攻撃リズムを作ることができたのだ。


切れなかった集中力

「自分は所属チームでもそういうサッカーをやっていて楽しいので、GKとして守るだけじゃなくて攻撃参加というのを出そうと思っていた。オランダも足下が悪い中でかなりつないでいましたけど、ミスをしてもまたトライする姿勢は素晴らしかった」

 そうしたオランダとの試合で、西川のビルドアップは非常に研ぎ澄まされていた。キックが正確なだけでなく、どこに蹴るべきか、ディフェンスにつなげるべきかという状況判断は海外でもハイレベルにあるだろう。実際、この試合ではアヤックスの若いGKシレッセンよりはるかに目立っていた。

 もちろんビルドアップだけではない。2失点はしたが、「下を向くこと無くやっていましたし、本大会でも先に点を取られるようなことはありうるので、その後が大切」と最後まで守備の集中を切らせることはなかった。

 オランダやスペインの様に、前からプレッシャーをかけてくる強豪を相手に、ディフェンスラインのつなぎだけで主導権を握ることは難しい。守備の要でもあるGKは基本的にレギュラーを固定する。彼らが“守護神”と言われるのもそうした背景があるからだが、チーム作りにおいて絶対的な基準ではない。

 ザッケローニ監督の中で守護神・川島に対する信頼は揺らいでないはずだが、強豪とのテストマッチにおいて西川が日本の攻撃にリズムと深みをもたらす良質なビルドアップによって“第2GK”以上の価値を示したことは確かだ。

【了】




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