大沼法龍師の言葉

故・大沼法龍師の著作の中から、お気に入りのものを、皆さんに紹介させていただきます。

102 親殺しの罪人

2007-09-01 01:28:01 | Weblog
 世の中に、親を殺したほどの重罪はない。いかなる処刑にすべきかを大名に尋ねたら、馬鹿大名だったので考えた末「東海道五十三次を駕籠に乗してぶらぶら歩いてやれ、これが一番辛い」と言ったそうなが、経験のない者は情ない、徒歩や乗馬よりどれほど楽な旅行かわからないのに、楽づくめの中にいるものは、その楽が苦痛なのだ。楽して楽知らず、信仰も体験のない人間には、仏法の妙味はわからない。
                             (「教訓」p138~p139)