反・公式的見解

夢の形は千差万別、儚くも燃ゆる我が命、私の軌跡は明日への奇跡

王様のレストラン・Ⅱ

2005年06月16日 | Weblog

 店の概観は予想に反して豪華であった。なぜならこういう選ばれし者のみが許される店というものは「お忍び的要素」満載であり、概観は質素店内が派手リンという場合が多く、ましてや「王専用」ならばなおさらだと思っていたからである。
 
 店の周りはぐるりと高い壁に囲まれているのだが、その壁は実は壁などでは全くなく全てハニワだったのである。これでもかというほどハニワが前後左右・右往左往・縦横無尽に敷き詰めてあり、もうこれ見よがしにハニワハニワしている。ハニワっぷりったらありゃしない。王らしいといえば王らしいのだが、所詮ハニワはやはりハニワでしかなく、ハニワの中のハニワである彼も無数のハニワの中に埋もれてはやはり一般ハニワとの区別もつかず、ただ悲しげな視線が宙を泳いでいるだけであった。特筆すべきは店の看板である。電飾で出来ているのだ。等間隔で彩り鮮やかにキラキラ下品に輝くそれは、パチンコ屋よろしく、もう目立ってしょうがない。ここで一般市民の皆さんはその電飾が「王様のレストラン」という文字を作っているとお考えだろう。うん、その通りである。そう易々と期待を裏切る満足ビックリがあるはずがない。現実なんてそんなもんである。
(続く)