反・公式的見解

夢の形は千差万別、儚くも燃ゆる我が命、私の軌跡は明日への奇跡

王様のレストラン・Ⅶ

2005年06月27日 | Weblog

 店内は薄暗い、というのが高級感溢るる風光明媚な店やレストランの常識であろうが、この店は必要以上に明るかった。そりゃもう透明性抜群、毛穴の奥までLOOKING、蛍光灯が愛燦々と降り注ぎ、ムーディー気分もどっちらけな感じであった。ここまで思ったところで私はハッと大事なことを忘れていた。自然な感じで常に放出してしまっているオーラ及び後光を消し忘れていたのだ。店内が明るいのも無理はない。店員が慌てた様子で「お客様、眩し過ぎます。失礼ですが、そのオーラ及び後光、少し弱めていただけないでしょうか?」とお願いしにきたのも納得できる。いやはや、私としたことが、自然な感じでまたもオーラ及び後光を垂れ流しにしてしまっていたようだ。私は急いで上腕の裏側に設置してあるスイッチをOFFに切り替えた。ときにオーラ及び後光も罪となる、そんなことを学んだ来店であった。

 私が自然な感じで出してしまっていたオーラ及び後光を消すと、店内は静けさを取り戻し、まぶしくて目を覆っていた人々も食事を再開した。(続く)

王様のレストラン・Ⅵ

2005年06月25日 | Weblog

 「王様チェックシートと言いましても、この結果いかんで貴方様の入店の可否を問うなんてことはしないので。まあ単なるアンケートみたいなもんです。王様向上委員会での参考資料にさせていいただいても構わないということにさえ同意していただければ。」

 私が『王様チェックシート』を書き終えてボーイに渡すと、彼はそう言いつつニコリと営業スマイルを繰り出して一度店内に戻った。私がその隙に持参したアブトロニクスで腹筋でも鍛えようとするやいなや、先程と同じボーイが現れ私の同意の意志を確認すると、急に声色が高くなり、
「ようこそいらっしゃいました!君主のためのレストラン『王様のレストラン』!」
と身悶えつつ叫び、
「それでは店内へどうぞ!」
と私を案内した。しかし店内に足を踏み入れようとしたまさにその時、入り口にいた伝説のギャルソンが
「お客様、というより王様、当店は王冠着用がルールでございます。王冠のない王様は王様にあらず、王冠なしでは他のお客様の手前、入店を認めるわけにはいきません。」
私は背筋が凍りついた。王冠をハンガーにかけたまま外出してきてしまったのだ。あんなにハンガーにかけたまま日和見に毎日を過ごすなと仙台の王からも言われていたのに。するとセバスチャンがそっと私の頭に王冠を乗せてきた。
(「セバスチャァァァァァン!!」)
私の心の声が辺りを包むと、その空気を掻き分けるようにして伝説のギャルソンの声が入ってきた。
「ごゆっくり食事をお楽しみ下さい。お客様のお越しを心よりお待ちしておりました。」
私はうなずき、威厳たっぷりに店内にその足を進めた。

 受付のところで日本という国の首相小泉が店員ともめていた。
首相「どうして私はここで食事できないんだ!」
店員「あなた様は王様ではございませんから。お帰り下さい。」
首相「国家の代表だぞ!」
店員「所詮あなたは首相。王様ではありません。独裁性が感じられません。」
首相「お前抵抗勢力か!」
そこへ伝説のギャルソンが割って入る。
ギャルソン「私は先輩のギャルソンからお客様は王様であると教えられました。しかし王様のなかにはその首を切られた者も大勢いると。王様でないお客は客にあらず、お帰りください。」
首相「郵政民営化!」

 おずおずと首相は帰ったが、店内を見渡すと王貞治が食事していた。なぁ~んだそういうことか、と私は思った。
(続く)

王様のレストラン・Ⅴ

2005年06月24日 | Weblog

王様チェックシート(私の回答編)

①まず家族に相談します。しかしそれでも問題が解決しない場合は警察に届けますね。

②ペニシュリン

③僕と貴方のホットライン

④ああ、僕の父の話ですね。あの場合完全にアウトだったのは彼に照れがあったことです。鏡の前で彼が「ドッペルゲンガァァァァ!」と自分を押し殺すために叫んでいたのをよく憶えています。うん、それだけやはり不安だったんでしょうね。むしろ本気で自分の裸に自信を持っていたほうが父として尊敬できました。そうです、私が照れるなというのは裸をみせることに対してです。

⑤反復横飛びの国技化
 
⑥混雑時のATM

⑦天照大神が思ってる以上に閉じこもっていたこと

⑧若者よ 書を捨て デザートを食せ

⑨シェフの気まぐれ風ピンクのトーテムポール

⑩口約束

(続く)

王様のレストラン・Ⅳ

2005年06月18日 | Weblog

 王様チェックシート

①他国を侵略したい衝動に駆られた時はどうする?

②王様らしく振舞うには語尾に何を付けたらよいか?

③農民は・・・・・・・。「・・・」を埋めよ。

④裸の王様をどう思う?

⑤王様にとっての“正しいこと”とは?

⑥国民の安泰と王室のリフォーム、優先すべきは?

⑦あなたの最も印象に残っている歴史的出来事は?

⑧執事があなたの言葉に対して過剰な反応を示しました。さてあなたは何と言った?

⑨今日のラッキーアイテムは?

⑩王様が絶対にしてはならないことは何?

(続く)


王様のレストラン・Ⅲ

2005年06月17日 | Weblog

 何故か「地震より自信」と明らかに適当な彫刻刀で彫ってありなおかつ発光ダイオードをジャム状にして塗りたくってある門をくぐると、「一期一会」とフェルトペンでホワイトボードに書き殴りつつメリーポピンズのテーマを口ずさながらウェイターが現れた。中肉中背の面白みのない平凡な感じだ。あの鬼嫁との仲がうまくいってないのか、片手に「鬼平犯科帳」の台本を持っていない様子。しかし鬼嫁と彼の仲を私が心配していることなど露知らず、ウェイターは無言で私に「王様チェックシート」なるものをスローイングしてきた。大たい骨でそれをキャッチした私は前転宙返りに花を添えることに成功した。なるほど、このチェックを行い、それに合格した者だけが入店を許されるということか。(続く)


王様のレストラン・Ⅱ

2005年06月16日 | Weblog

 店の概観は予想に反して豪華であった。なぜならこういう選ばれし者のみが許される店というものは「お忍び的要素」満載であり、概観は質素店内が派手リンという場合が多く、ましてや「王専用」ならばなおさらだと思っていたからである。
 
 店の周りはぐるりと高い壁に囲まれているのだが、その壁は実は壁などでは全くなく全てハニワだったのである。これでもかというほどハニワが前後左右・右往左往・縦横無尽に敷き詰めてあり、もうこれ見よがしにハニワハニワしている。ハニワっぷりったらありゃしない。王らしいといえば王らしいのだが、所詮ハニワはやはりハニワでしかなく、ハニワの中のハニワである彼も無数のハニワの中に埋もれてはやはり一般ハニワとの区別もつかず、ただ悲しげな視線が宙を泳いでいるだけであった。特筆すべきは店の看板である。電飾で出来ているのだ。等間隔で彩り鮮やかにキラキラ下品に輝くそれは、パチンコ屋よろしく、もう目立ってしょうがない。ここで一般市民の皆さんはその電飾が「王様のレストラン」という文字を作っているとお考えだろう。うん、その通りである。そう易々と期待を裏切る満足ビックリがあるはずがない。現実なんてそんなもんである。
(続く)



王様のレストラン・Ⅰ

2005年06月15日 | Weblog

 四民平等の世の中ではあるが、やはり差別というものはこのうらぶれた現代社会に根強く残っている。そしてやはりその身分に応じて、それ専用の店というものが存在する。権威が重量感たっぷりお徳用サイズで張り付いている王様のみがその入場を許されたレストランがある。その名を「王様のレストラン」という。

 私の国は「ウエスレヤンハンペン第一工業国」という。国王は「ファッキンパッキンボッキン398世」であったのだが、副流煙の影響で先日死去した。そのため、たくさんの応募の中から抽選が行われ本日私が新国王に選ばれた。余談ではあるが、私が国王に就任した今日この日は偶然にも1649年前にあの憎い「アオダケフミ共和国」よりわが国が独立した「一人前サンシャイン記念日」と重なった。

 そうと決まればあの店に行かない理由はない。私はセバスチャンに大急ぎで牛車を手配させ、勇み足で「王様のレストラン」へと向かった。あの格調高き店についに足を踏み入れることになったのだ。(続く)


未知との遭遇

2005年06月14日 | Weblog

 今日我々人間の祖先であるネアンデルタール人にインタビューする機会が与えられた。極秘裏に行われたそのまさに時を越えた対談は非常に有意義なものであり、それを報告しないでいることは、風船が目の前にあるにもかかわらず息を吹き込まないでいるようなものであり、到底我慢できるものではない。であるから、今回はその対談をここに発表しようと思う。

 対談場所である多摩川河川敷。定刻より遅れること7分、ネアンデルタール人何故かスコットランドの民族衣装を着て登場。

 「おはようございます。」

 「dhylぬdんwfsぅp57fbhすぉg。」

 「いえいえ、とんでもない。多忙な中来て頂いただけでも十分満足です。」

 「g3kmぷ77w2がdgl、もr;うぃ2。」

 「さっそくインタビューを始めたいと思います。よろしくお願いします。」

 「gmとえほw3fdbg。」

 「まず、火を起こしたきっかけから教えていただけますか?」

 「えwんごえmvsbjtkv。」

 「えっ?あ、続けてください。」

 「hkgねgp4bhmjrvfへいヴぉfdb4うごんmね。」

 「はあ・・・。」

 「fkrhぼ3えうvんd。」

 「じゃあ結局きっかけはフジテレビだったんですか?」

 「fんjhろれ。」

 「でもそれだけじゃ、人類最大の発明と言っても過言ではない『火』は起こらないでしょう?」

 「hjろ4mjbvbds。」

 「ああ、なるほど、地下鉄の駅のホームのイスに忘れてあったライターを使ったわけですか。なるほど、それなら確かに火はつきますね。素晴らしい発想です。じゃあ次に石器についてお伺いしたいのですが。」

 「愚かなる現代人どもよ、我こそが全知全能の神ネアンデルタール。我の前に跪き、永遠の忠誠を誓え。闇よ、世界を支配せよ。」 

 「なるほど、硬い木の実を割るために・・・。木の実を打ち付けるより、木の実に打ち付けたほうが手のしびれは少なくなるし、効率もいいと。素晴らしい。それが我々の全ての基本となったわけですから。」

 「gじぇおghじゅ4ぎdhg。」

 「いやいや、息子はまだ小学生なんでね。」

 「gj路6y49ghどghrfjふえいbgへ。」

 「そんな、またまた~。そりゃ僕だって仮装ぐらいはしますけど、だからといって洗濯物を晴れの日以外に干すのはね~。」

 「fdkgyんjぼ4yfvげ。」

 「まあ、わた菓子らしくもなりますね。あ、もうこんな時間だ。貴重なお時間ありがとうございました。」

 「ghろいふ58fけbb。」

 「ありがとうございました。」

キーワードラッシュ

2005年06月13日 | Weblog

 今日スターバックスで宮里藍を購入後、その足でハウルの動く城に爆弾を仕掛けるよう高校生に頼んで、腐女子達に囲まれたノリでライオンキングになったと同時にワールドカップに出場し、文房具屋であいだみつをにからまれ、その勢いでクールビズ姿の織田信長と神輿を担ぎ、それに乗せてたシャラポアをこれでもかというほど振り回し彼女の全てにモザイクをかけ、それでもやはりネアンデルタール14世がポテトチップを食べたいと言うので、その代わりに芥川賞を贈呈。


宮崎駿に会いたくて

2005年06月12日 | Weblog

 ベトナム戦争でアメリカ軍が使用した枯葉剤は、奇形児を生み出すなど後々の人間の体にまで影響を及ぼした。人間をただ殺害するのでなく、遺伝子的に破壊し、人間を根幹から破壊しそれを後世に至るまで残す生物科学兵器、ある意味でもっとも使うことの許されない兵器なのかもしれない。しかしこの平和日本で公的に承認された形で生物化学兵器を作り続けている人間がいる。その名を宮崎駿という。

 彼の作り出す化学兵器はまず日本人の視覚を攻める。細部に渡るまで豊かに描かれた色彩、子供・女性に受けそうなキャラクターデザイン、スクリーンに映し出される全てが日本人の視覚を虜にし、スクリーンから目を放すことを不可能にする。術にかからぬよう努めてその絵を見なければ、網膜を破壊され、結膜を充血させられ、視覚神経の操作を不可能にされ、生物化学兵器兼映画を最後まで見るしかなくなる。

 次にその生物化学兵器は聴覚に訴えてくる。まずはキャラクターの声である。もし宮崎駿が本物の映画人であるならば、その完成度を重視し、声優を職業とするプロをキャラクターの声に使うはずである。しかしあくまでも彼は生物化学兵器担当者であり、大衆を変革しやすい手法を選ぶ。そのためキャラクターの声の主に有名な俳優女優を選択し、テレビ等で馴染みのある声を人間の耳に流し込む。キャラクターの声はそれを担当する俳優があたかも話しているかのごとく錯覚させ、“魅力的”なキャラクターとその俳優という二重構造で、組み込まれた悪しきメッセージとともに人間を虜にする。

 さらに主題歌を含めた劇中で使われる音は人間の耳にうまく入り込むように形成され、聴覚汚染の海に人間をどっぷり浸からせ、無意識の意識下で自然と口ずさまされる強制力を持ち、“あの音”なしでは生活できない状態にまでしてしまうのである。

 最後は人間の心を汚染する。脳ミソを破壊し、違った形で構築する。子供に夢を持てと強制し、わけのわからない化け物が存在すると錯覚させる。そもそも「子供のために作った」という彼の発言であるが、子供なんてものは自分で何かを見つけていくものであり、強制的に“優しい”事を訴えかけられても、夢見がちなワンダーボーイが続出するだけだ。むしろもっと突き放すべきなのである。だいだい中学生が永遠の愛を誓い婚約までする、そんな一切の汚れのないものを突きつけてどう責任をとるのだろうか。『耳をすま』してみても、何一つ聞こえてこない。環境破壊を嫌味に押し付けてきても、西洋的な「人間vs自然」の見せ方は和風なベイベーにはいやらしくしかうつらない。しかし化学者宮崎駿の送り出す生物化学兵器はそういった批判・疑問を一切抱かせずに、無批判でそれを受け止め、「僕達がみ~んな悪いんです」と人間の心を腐敗させてしまうのである。

 彼の兵器による汚染を受けた人々はキラキラと輝く瞳を持ち、足並み揃えて一方向に行進し、まっすぐに前だけを見据え、自己というものを一切持たないサイボーグに変えられる。その腐敗した遺伝子は後世の人々にまで影響を与え、日本を徹底的に破壊してゆくのである。