「女だからといって、変えられぬ事など 何もない」
“file.no-34” でも扱いましたが、中国史上唯一、女性の身で皇帝となった『 武則天 』。
今回は彼女の人生を主題とした大河ドラマ『 武則天 』についてです。
( 注; 画像は、ドラマ 『武則天』 DVD版 の一場面のものです。)
このドラマは、1994年に中国の華僑電視台によって制作されました。
主演は、誰あろう、2002年に中国 史上最大の脱税事件 で逮捕された劉暁慶さん。
当時は、一人の影皇(中国最高の銀幕スターの尊称)としてこの歴史上の人物を演じていましたが、のちの彼女の動向を考えると、まさにハマリ役だったんだねぇ・・・と思わざるをえません。
女帝・武則天を演じた彼女は、当時三十代後半であったにもかかわらず、十七歳の武則天と最晩年七十五歳頃の武則天までを見事に演じきっています。その卓越した演技のすばらしさは、中国で絶賛されたそうです。
このドラマは、1998年(1997年だったか?)に日本でもNHK衛星第二テレビでも日本語版が放送されました。小山芙美さんが、武則天の声を当てていましたが、これもまたハマリ役であったのを覚えています。
今回、中国深圳市のとある有限公司から販売されているVCDを購入したのです。どうも、いくつかの版があるようですが、日本で入手できるのは限られているようです。
追記;
日本でも、チャイナソフト( コニービデオ ) から、DVDが発売中。
冒頭画像は、そのDVD版のもの。
日本語字幕が付いており、オリジナルマスター版の映像が、けして良いものではないですけれど、VCDよりも 鑑賞には耐えれます。
―― ただし、日本語音声は収録されておらず、日本での BS放送版を ご記憶の方が 購入されると、おそらく 不快感を覚えられると思います。
これについては、また、別の機会に……。
全編に渡って繰り広げられる北京語。日本語版を視ていないと、また、この時代のことをある程度知識として持っていないと、さっぱり内容が分からないドラマです。
ですが、時代考証や唐代の衣装、風俗などを再現したこのドラマ。
劉暁慶を始めとした 中国俳優の人たちの熱演は、本当に素晴らしいのです!
感動するあまり、CDに残していた武則天に関するメモを基に、武則天のブログを作ってしまいました(笑)
よろしければ、どうぞ御覧ください。漢文ばっかです☆
上記ブログは、閉鎖しました。姪が大学生になれば、もしかしたら継いでくれるかも。あと6年、か…。
( 2011/02/11 修正、追加 )
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ログを振り返ったので、久しぶりにWEBで武則天の記事をざっと見ましたら、北魏の孝明帝の後釜に、公主を帝位に就けさせた「霊太后胡氏による一日就位」を挙げて、武則天だけが唯一の女帝ではない…とか書いているのを見ました。
うぅん……、嘘ではないけれど、アレを「皇帝」とみてよいかは、大いに疑義があります。
そも、皇帝の定義とは何ぞや。 「帝位」に就いていれば、なんでも皇帝なのか。
それなら、WEBのハンドルネームみたいに、「私は今から“皇帝”と名乗ります」と言えば、誰でも彼でも皇帝になってしまう。
たしか、在位は一日のみのオンリーワンデーだったので、最高責任者として例にもなりませんし。
おばあちゃんが頑張りすぎて、犠牲になっちゃった女の子でしかない。
その文脈で、彼女の帝位就位は、ハンドル=皇帝と ほぼ同義。
ただ、付け加えるなら、皇太子不在のまま、皇帝が死去した場合、その皇帝の母たる「太后」が、次代皇帝を指名・承認できる手続きというものは実際ありました。儒の呪縛にも、遵うものであり、システムとして機能していたと謂ってもよい。 漢代には、すでに確立していて、唐代までは、史実として多く例があります。
この決定には、基本的に、異を唱えられず、文治の安定期なら問題なく機能します。
まぁ、それでも、「女子」を「男子」と偽って皇帝にしたので、霊太后胡氏の事例は、まったくの詐欺なのですが。
儒に囚われた頑迷なオヤジどもと、丁々発止の遣り取りを、望むと望まざるとに関わらず数十年も続けた武則天と同列には置けないでしょう。
( 2011/10/03 画像変更、一部加筆 )
古い記事ですが、原百代さんによる評伝「武則天」を読んで以来、武則天リスペクトなので、コメントしますw
この映画は、ネットで知って視聴したいとは思っているのですが、行ける範囲のレンタルショップになく、いつかは…と願っています。
>十七歳の武則天と最晩年七十五歳
素晴らしい演技力のようですね。
時代考証、唐代の風俗も堪能できそうですし。
小山茉実さんといえば、戦う女性キャラの声をあてることが多かったように記憶しています。
はまり役ですね~。
文字では味わえない絢爛豪華な武則天の一生、いつかは視聴したいです。
ハンドル、SMELLのほうで書かせていただいてましたので、戸惑わせてしまい、失礼をww
S.Melvilleの 初めを取ったら、smellになり、奇しくも 意味も大爆笑モノですので、ブログ以外では、垢はSMELLでやっております。 入力を間違えてしまいました。
>評伝『武則天』~
お読みでしたかww
デラさんのライフワーク、リウィア。
オクタヴィアヌスの後継、実子ティベリウスと 仲が良かったのか悪かったのか、よく分からない女性。
武則天も、ボンクラな実子たちから帝位を取り上げ、結局 自身が就位した女性。
リウィアは、女性として (記録上) ローマ人初の尊称「アウグスタ」を受けた。
武則天も、実存する女性として 前例のない尊号「天后」を創作した。
考えてみると、共通する項が多い女性二人ですね。
旦那さんは、リウィアは、アウグストゥスという イケメン・薄幸的身体の弱さ・卓越した政治手腕 という 良い男。
武則天のほうは、病弱・気弱・才能あまりなしという ダメ男ですが…。
イケメンで、ちょっと病弱って、萌えます!!
卒論を武則天で書いたくらい、彼女はリスペクトする女性です。
邦題『則天武后』 にて、チャイナソフトさんからドラマDVD発売されてますが、「レンタルもあるかも」とは思い至りませんでした。
同時期、NHK-BSで放送した『三国志演義』 も、今でもレンタルしているのだから、あって不思議ではないですね。
武則天の『完全版DVD』 が、今月下旬に発売されるそうで… 個人的には購入しようか悩みどころです。
小山茉実さんの声で、日本語吹き替え収録されていれば、定価2万円でも購入するのですが…。
映像美を追求し、リメイクされた(?) ドラマ『日月凌空』 も、数年前制作されており、DVD輸入できます。
PVは、トップとラストに出るのは、武則天。 そして、配役も、 劉暁慶なのに、「主演じゃない」 という訳のわからなさ。
さらに、劇中、宮中に参内している日本人が、「チョンマゲしている」 というトンチキさ。
( 当時、日本は蘇我氏滅亡の時期…装束など、時代考証という言葉を疑う、すさまじさ )
こちらは、ネットで視聴できますのでググッてみると面白いかと。
視聴したら、第二話以降とDVD購入、ともに 躊躇してしまう、残念ドラマです。
最近のローマもので、有名どころは、『ROME』 でしたか。
近くのツタヤでレンタルできるのですが… 映画『グラディエイター』 みたいだったらどうしようか、残念賞だったら…! という怖れから、レンタルを躊躇っている次第です。
「ROME」残念賞ではありませんよ~。
好みはさまざまなので、「オススメ!」と断定はできませんが、おおむねローマ・ファンの評判は良いです。
ただ登場する女性が「ビッチ」だらけという指摘をされていたブログがあったように、「貞淑」なはずのオクタウィアが、やや派手な男関係を繰り広げていたり、アティアがどう見ても、小アグリッピナとメッサリーナをモデルにしたキャラとなっていたり、他にも大胆な脚色がされています。
とにかく、控えめで淑やかな女っていたかなぁ…?
出番の少ないカルプルニアでさえ、泣き寝入りする女じゃなかったし。
それでも、あの時代のローマ、キリスト教道徳に汚染されない前の、レンガの都の雰囲気もろとも再現されていて、大好きです。
R15なので、性描写も残酷場面も遠慮なしなので、そこらへんでも好悪がわかれるかもしれませんが。
>武則天の『完全版DVD』
今月下旬発売ですか。
ということは、気を長くして待てば、レンタルが出回るかも。
>ドラマ『日月凌空』
ネット視聴という手段があるとは、思いつきませんでした。
いまだに電子書籍とはなんぞやと悩んでいる人間なもので。
トンデモさにかえって興味をそそられます(笑)。
武則天とリウィアの共通点、面白いですね!
DVD情報をお聞かせ下さり、ありがとうございましたw