おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンになることを夢見て、故郷大分から上京してきた青年・根岸宗一(松山ケンイチ)。数年後、彼は多くの熱狂的なファンを持つ、カリスマミュージシャンになっていた。…悪魔系デスメタルバンドDMCこと“デトロイト・メタル・シティ”のボーカル兼ギタリスト、ヨハネ・クラウザーⅡ世として。「僕がしたかったのはこんなバンドじゃない!」大学時代の憧れの人、相川さん(加藤ローサ)に嫌われまいと、自分がクラウザーだということを隠し続ける根岸。しかし、その涙ぐましい努力とは裏腹に、DMCの快進撃は海の向こうの“デスメタルの帝王”ジャック・イル・ダーク(ジーン・シモンズ)の耳にも届き…。
映画「デトロイト・メタル・シティ」公式サイト
注意:今回もネタバレあります。まだ映画を見てない方はお気をつけて!!
えー、まずは感想をひとことで。
映画の根岸は原作の根岸よりいい奴だった。
です。はい。原作読んでるときほど根岸に殺意を抱きませんでした。これは多分、
原作→中身にイラッとくる。
映画→外見にイラッとくる。
だからだと思います。映画の根岸は原作ほど調子こいてなくて、キモいけど殺したくなるほどではありませんでした。むしろちょっとかわいそうになったりもして。まあ松雪さんの社長が根岸をしばきたくなる気持ちはものすごく共感できましたけどね。
原作付きの作品はどうしても
「原作のあの場面がどれだけ忠実に映像化されるのか」
に目が行きがちですが、この映画の場合、原作を再現した場面よりも映画オリジナルの場面のほうが私のツボにはまって面白かったです。特によかったのは、
・大学時代、佐治君と相川さんに根岸が自作の曲を聞かせる場面。あの場にいた全員の夢見具合がいかにも大学のサークルっぽくて笑えた。
・渋谷の音楽教室にいた親子。映画オリジナルの場面なのに、原作の雰囲気が出ててる。
・クラウザーさん@新幹線。そしてその写メール。誰が撮ったんだ!!
などです。意外とオリジナルよりも原作のネタのほうが空回りしていた気がします。特にインディーズ戦国時代のバトルシーンはいまひとつ…原作ファンへのサービスとして、とりあえず出しときました、って感じ。そこははしょってかわりにシャギ(細田よしひこ)とカミュ(秋山竜次)の出番を増やして欲しかったかな。合コンのエピソードとか見たかったのに~って、あのエピソードの西田君はヤバすぎるか。
後半、根岸が実家に帰るあたりからどんどん原作と違う方向に話が進んでいきましたが、あれはあれでよかったかな、と思います。だってやっぱ実写で見てたら、クラウザーさんの正体がばれないのが不思議だもの。親しい人なら。
ジーン・シモンズのジャック・イル・ダークは予想以上にかっこよかったです。やっぱ本物は違うんですね。出演シーンが短かったのが残念です。もっと見たかった~!って、もしやこれはDVDを買わせるための戦略か!?
ラストのオチは、原作ファンとしてはちょっとがっかり。相川さんのパンツが原作と違うなんて…じゃなくて。相川さんに正体がバレるのは別に構わないけど、根岸本人はそのことに気づいてない、ってのがよかったな~。だって根岸に人並みの幸せなんて似合わないもん!!
色々不満もありましたが、実写版クラウザーさんを見られたことについては非常に満足しています。まさかクラウザーさんを「かっこいい」と思う日が来るとは。もっと動くクラウザーさんを見ていたかったです。特典映像次第ではDVDも買うかもしれません。
こんばんは~。とうとうご覧になりましたか!
>まさか自分に「根岸をもっと見たい」と思う日が来ようとは…
私も根岸に同情して、さらに好感すら持ちそうになってる自分にびっくりしました。基本的には女社長にほぼ同意なんですが。
消化不良な部分は原作に忠実と言われてるアニメを見てカバーしようかなと思っています。家族に見つからないようこっそり見なくてはいけませんが…。
やっと映画版DMCを見てきました。
>映画の根岸は原作の根岸よりいい奴だった
まさにそのとおりでしたね。
まさか自分に「根岸をもっと見たい」と思う日が来ようとは…
あと相川さんも普通のジョシ部に見えて驚きました(原作は時々根岸以上にイラっとくるキャラなのに)
>ジーン・シモンズ
想像以上にノリノリの演技だったので少しビックリしました。
クラウザーさんが「甘い恋人」を歌うという(原作から考えたらとんでもないオチも)彼のリアクションで笑えましたし。
私もいろいろ不満がありますが、見てて楽しかったし、マンガの実写化としては成功してる作品だと思ってます。とくに新幹線(笑)