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ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第27話 続・何度も何度も繰り返されて

2023-02-18 08:00:22 | エピローグ
209第27話続・何度も何度も繰り返されて
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ
第27話

続・何度も何度も繰り返されて

あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。

 ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。

 ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコントロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
 
 ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。

 ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命』と言われる)が徐々に進んでいった。

 それでも一つの危機的状況は依然として残った。改造帝国辞典編纂図書館が破壊されるとイルミナの機能が停止してしまうのだ。

 それを阻止するには二重のパスワードによるアンロックをされてしまうまでに時間霊廟のコントローラーと改造帝国辞典編纂図書館のコントローラーを同時にファー・スター2世号のコンピューターに移行させなければならない。

 それにはある移行措置が必要だとアンセルムは言う。

 しかも、その移行措置に必要な操作はミーターと関係があると言うのだ。


209

ペイリー その改造帝国辞典編纂図書館からファー・スター2世号に移行させるアンロックの術(すべ)があるのですね?

アンセルム 左様。ただこれにはアルカディアの秘宝の一つが必要なのですよ、ペイリーさん。

ペイリー 秘宝? 

アンセルム ペイリーさん、それについては、直接は知らないのですよ。ただずっと今まで推論してきましたが、ミーターさんだったら、それについては知っているのではないかと。

 ただし、これもまたわたくしの拙ない推論ではありますが、もしその移行措置を講じると同時に、今までとは違ったある異変が生じる、という可能性があります。

ペイリー そのある異変とは、アンセルムさん、もう少し教えていただけないでしょうか?

アンセルム それについて、やっと昨夜、気がついたばかりなのですよ。

ミーター と申しますと? 

アンセルム 先日ペイリーさんがダリバウの太陽の月食の淡い光を受けてアルカディアさんの小説をお読みになられ、涙を流されておられた。
 その光景の意味が、少し経ってから、わかったのですよ。

ペイリー わたしの涙で?

アンセルム そうです。前にもお話ししましたようにあの月食は12000年に一回起こる超宇宙現象なのです。

ハニス ということは、12000前と何か関係があると言うのですね?

アンセルム 図星です。ルリエスの伝説です。

 ご存知のように、ルエリス思想は、不思議な物語からはじまっております。

ハニス そう、あのルリエスが影響を受けたというあの伝説ですね。

アンセルム 左様。その12000年前とは銀河暦では、500年です。ちょうど銀河帝国がやっと銀河全域にその支配権を伸ばしつつあった時期の頃です。その出来事というのは、「身代わりの天使が甦った」、というのです。

ハニス それは確か、銀河暦500年頃と聞いている。ロドリック卿、その時に前回のダリバウに日食が起きている。

アンセルム その通りです。ペイリーさん、あなたが舷窓でお読みになられておられた小説のタイトルは?

ペイリー 『続・何度も何度も繰り返されて』です。

アンセルム その小説は、もちろん、アルカディア・ダレルが書き残したものには違いないでしょうが、ミーターさん、その発刊年はご存知ですよね?

ミーター 知ってますとも。忘れるはずがないではありませんか?

 彼女がなくなる1ヶ月前です。それを一週間で書き上げました。
 
 それは、たしか、その小説とは、アルカディアがドースさんの夢を見た内容が中心になっていると言ってました。

 そして彼女が以前書いた本になかった欠落の部分が、それで埋まった、と喜んでいました。

アンセルム それだよ。それをペイリーさんは、読みあげてくれたのです。

ペイリー ロドリックさん、それとわたしのこととがどう関わりがあるのですか?


ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第26話 図書館改造時のアルカディアの意図

2023-02-17 16:32:20 | エピローグ
208第26話図書館改造時のアルカディアの意図
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ
第26話

図書館改造時のアルカディアの意図

あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。

 ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。

 ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコントロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
 
 ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。

 ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命と言われる』)が徐々に進んでいった。

 それでも一つの危機的状況は依然として残った。

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ミーター またなんで、ハニスさんはいつでも一人で頑張ろうとするのですか?誰かいい相棒が側にいるのを忘れてやしませんか?ハニスさん一人にそんな危険な任務をやってもらうわけにはいきませんよ。僕も同行します。二人だったら阿吽の呼吸もピッタリですから。

ハニス いいや、ここは俺の出番だよ。その「時間霊廟」のコントローラーと図書館のコントローラーとの連結場所を俺は十分心得てる。

アンセルム ハニス殿、ではその連結場所がわかっておられるのでしたら、その移行操作の術(すべ)もご存知ですかな?

ハニス 移行操作の術(すべ)ですって?

アンセルム ハニス殿、よくお考えください。アルカディア記念図書館(帝国辞典編纂図書館)の建築構造はどなたが構想設計されたのでしょうか?

ハニス それは!オリンサスさんでしょう。

アンセルム いいえ、違います。オリンサスさんが改造に当たった時、彼はあらかじめ差し出されてあった設計図通りにつくられた。彼はその連結場所と移行操作装置のことは全く知らなかった。
 そうではないでしょうか、ミーターさん?

ミーター たしかに、おっしゃられてる通りのようです。なるほどアルカディアはそこまで用意周到に準備していたんですね。
 アンセルムさんに言われて初めてわかりました。
 アルカディアは、この時期が来ることもちゃんと、見込んでいたんです。

アンセルム 左様。
 もう一度、整理してみよう!

 ブラノらが、バーチャル図書館の機能を停止させるのには、もう1つのパスワードが必要だ。そのパスワードはコンピューターの演算機能で継続中だ。
 コンパー殿が、そう報告してくれている。
 彼ら政府は、それを見つけるかも知れない。
見つけないかも知れない。
 それでも、残念だが、第1ファウンデーションの要としてのターミナスの時代は終焉を迎えている、と言うべきだ。

 旧ターミナスの帝国辞典編纂図書館は、この際、ブラノらの図書館破壊計画を加速させるためにもファー・スター2世号への移行措置を進めたらどうであろうか?

ペイリー アンセルム・ロドリックさん、二三お聞きしてもよろしいでしょうか?

 まず、ブラノ首相はなぜ、改造されたバーチャル帝国辞典編纂図書館を破壊したいのでしょうか?

アンセルム それは、彼らの権力維持を固執しようとする本能的恐怖心からでしょう。
 とくに彼らが怖がっているのは、本当は第2ファウンデーションではなく、アルカディアの亡霊ですよ。

ハニス なんとまあ!

アンセルム そして、なんとなく彼ら、とくにコデルは感じてきてるらしいのです。

ペイリー 何をですか?

アンセルム アルカディアの側にいたロボットですよ。

ミーター 俺のことですか?

アンセルム 左様。ミーターさんの今回の地球探索のことは直接知らないはずであるが、権力志向のものにありがちな本能による予知のような。

ハニス アンセルム卿、この点についてはコンパーから漏れているということはないのですね?

アンセルム コンパー殿もそこまではしないはず。

ハニス そうであってもらいたい。
 
 ところで、ペイリーさん、もう少しロドリック卿にお聞きしたいと言うことは?


ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第25話 時間霊廟のコントローラー

2023-02-16 21:55:11 | エピローグ
207第25話時間霊廟のコントローラー
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ
第25話

時間霊廟のコントローラー


あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。

 ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。

 ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコントロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
 
 ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。

 ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命と言われる』)が徐々に進んでいった。

 それでも一つの危機的状況は依然として残った。

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ハニス そこでだ、ミーター君、ロドリックさん、ターミナスの担当者らが俺をここからターミナスに引き出しにくる。その前にここからターミナスに潜伏して、その破壊された図書館のロックを戻しに、変装して潜伏しようと思う。

ミーター ハニスさん、ここが思案ですよ。ここはじっくり別な妙案を考え出したらどうでしょう。

ハニス この策しかないんじゃないかい。そうじゃないと、ファウンデーションの伝統が消えてしまう。

アンセルム たしかにターミナスの伝統は消えるだろうよ。しかしファウンデーションの伝統は消えるわけではない。そうではないだろうか、ハニス殿。

ミーター その通りです。ハニスさん、ここが大事なポイントです。ハニスさん、ロドリックさんのおっしゃりたいことは、私たち長い間ターミナスが第1ファウンデーションだと信じていた。その考えがまた新しい既成概念、固定観念を産み出して、我らの新しい想像力をダメにしまっている、とおっしゃりたいのですよ。

ハニス む~!言われてみれば、その通りだ。
 形あるものはすべて過ぎて行く。永遠の真理だ。
 忘れていた真実だ。下手をするとブラノらと同じ観念に囚われるとこだった。
 いつもそうだ、下手な道徳観念に囚われて、真実相が今一見えて来ないというのが、俺の欠点だ。

 なるほど、改造帝国辞典編纂図書館は、ファー・スター2世号と連繋しているんだったな。

 イルミナを大事に思うばかり、忘れていた。

ミーター そうですよ。ターミナスのイルミナは消滅しても、イルミナは存在し続けますから。

ハニス ただ、一点苦慮することがある。

ミーター なんでしょう?

アンセルム そうだね。ターミナスの地下のコントローラーは、ハリ・セルダンの「時間霊廟」と連結している。その「時間霊廟」のコントローラーと図書館のコントローラーをファー・スター2世号に移行させる切り替え操作が必要だ。

 ここは変装の得意なハニス殿にご足労願うことが上策かもね。ハニス殿だったらモーヴの隅々までご承知だ。潜入路も詳しい。

ペイリー ターミナスは、もう天の川銀河の指導的位置を失うんですね。

アンセルム ターミナスがこの銀河に燦爛と輝いた時代は過ぎようとしています。過ぎ行く現実を受け入れることは、痛ましい。が、新たな次元を開くためには、通らなければならない通過儀礼ではないかな!

ペイリー そうでしょうけど、憧れのターミナスが過ぎ去るのは悲しいことです。せっかく銀河の反対側からやってきたというのに。

ミーター ペイリーさんらしくないよ。なんかお上りさんみたいな!

ペイリー まあ、大変な皮肉ですこと。地球や月を侮辱してる発言ですよ、ミーターさんたら!

Photo ∶精神移行・遷移の象徴としての珍しい自然現象。

ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第24話 セクション33A2D17

2023-02-15 19:56:44 | エピローグ
206第24話セクション33A2D17 
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エピローグ
第24話

セクション33A2D17

あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。

 ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。

 ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコンロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
 
 ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。

 ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命と言われる』)が徐々に進んでいった。

 それでも一つの危機的状況は依然として残った。


206

ハニス ミーター君、かつてアルカディア家の全財産で、オリンサスさんが帝国辞典編纂図書館の全図書のバーチャル化を成し遂げたことはよく知ってることだね。 
 そのバーチャル化によって、全銀河の主要全域にある有力惑星の図書館と連繋でき、ファー・スター2世号とも連結している。

 その事実に今やブラノらは、気がつき始めたんだ。その取っ掛かりとして、今では『銀河百科辞典』は、人間は一切手をつけていなくなった。今はすべて、コンピューターがそのアルゴリズムを使ってつくってる。
 実に嘆かわしい。
 今や、百科辞典第1ファウンデーション委員会、理事会など存在していなくなった。

 これでは、ファウンデーション本来の存在意味が根底からくつがえすされてしまう。

 そして、ブラノらは、今度はオリンサスさんが改造したバーチャル機能化を破壊しようとしている。

 旧態依然に戻すというならまだしも、コデルら執行部は、図書館それ自体の存在をも否定してきた。

 そして、ターミナス内部の反対派に譲歩するような素振りを見せて、普通選挙と政党政治を復活させ、銀河内のファウンデーション連合の各主要惑星からも代表議員を送り込む法案を可決させた。結局、彼らの魂胆は、うまく反体制派を丸め込むという企みだ。

ミーター 彼らは、自分たちが結局、成功すると信じているのでしょうかねぇ!
 そこまで政権にしがみつきたいのですかねぇ!

ハニス ミーター君、人間の権力志向も一種の混沌、頽廃であって、人間の性(さが)というものなんだ。彼らの目指す方向は、ターミナスがあくまでも銀河の経済ばかりでなく、政治、文化、誇りの中心であり続ける、という凝り固まった利己主義と言わなければならない。

 私はヘンダーにターミナス政府の動向を監視して、その都度、報告してくれるように言ってる。

 実は、かのジム・ヘンダーがアルカディア農園の管理人として執務するように提案くださったのも、こちらのアンセルム・ロドリック卿だ。

 ヘンダーは、優秀で、そつなくターミナス政府とうまく付き合っている。

ミーター ところで、イルミナが危ないというのは?

ハニス ミーター君、今現在、残念だが、あの歴史的、威厳を誇る帝国辞典編纂図書館の建物は、跡形もなく消滅している。

 しかし、その機能はかろうじて生きている。地下のコントロールはまだ破壊されていない。ヘンダーの報告によると、それも時間の問題らしい。
 コデルらは、そのコントローラーの存在に気がついた。

 コントローラーを破壊するためには、二重ロックを解除する必要がある。

 そして彼らは、ついこの間、二重ロック解除のキーワードの一つに気がついた。

 残るは、もう1つだけ。

ミーター 二重ロックですか?
 一つ目のキーワードとは?

ハニス キーワードとは、パスワードのことだ。この銀河広しと言えども、そのパスワードを知っている人間は極めて少数なはずだ。

ミーター 何ですか、その一つ目のパスワードとは?

ハニス  『セクション33A2D17 』。

https://youtu.be/anyr5oYnIPg


ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第23話 イフニアの意味

2023-02-14 18:32:34 | エピローグ
205第23話イフニアの意味
ミーターの大冒険 
第九部
エピローグ
 
第23話 

イフニアの意味


あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。


205

ミーター ハニスさん、ハニスさん、見るからにお元気そうです。やっとお会いできました。18年ものあいだ、ご苦労様でした。
 僕もやっと帰って来ました。
 不死の従僕様にもお会い出来ました。
 そして銀河の最果てに人類の故郷、地球を再発見出来ました。
そしてその放射能に汚染されていた地球をもう一度甦らすことも出来ました。
 この旅は少しを残して大成功と自負しています。

ハニス ミーター君、ご帰還、おめでとう!よくやってくれました。
 ただ、君に申し訳ないのは、当のファウンデーション、ターミナスの現状だ。
 しかし、幸いにも、ここにいるアンセルム・ロドリック殿やコンパー君、そしてイオスのドースさんのおかげでだいぶ先が見えてきた。

 そこにいられる若きご婦人が、あの不死の従僕様の娘様ですね!

ミーター その通りです。我らの新しいメンバーです。地球の衛星のペイリーさんです。この方は、なんとあのガイア生まれだと聞いております。

ハニス おそらく、銀河復興の最終仕上げとしてのターミナスと第2ファウンデーションの新しい連帯を築くために、不死様が遣わされたのでしょう!

ペイリー ハニスさん、はじめまして!月女のペイリー・リャンです。パパがわたしをターミナスまでご同行させたのには、もう少し訳があるみたいです。直接わたしにはパパははなしてはくれませんでしたけどねぇ。
 そのように思えてしょうがありません。

 とくに、ロドリック様からダリバウの月とダリバウの太陽の重なりあう様を観てからずっと感じるようになっております。

 銀河の歴史にあるルエリスのことが心に引っ掛かっています。

ハニス どういうことでしょう?
 もう少しお話ししていただけますか?

アンセルム ハニスさん、代わりにわたしがお話しした方がいいのかも。
 
 さ迷えるシンナックス人ですよ。
 銀河復興の土台は、ルエリスに戻ることでしょうか。あるいは、ルエリスの魂の復興と言ってもいいです。

 ルエリスの宣託の『宇宙の大霊の業』に次のような一文があります。
 「汝よ、宇宙の大霊にむかって新しき歌を歌え、
宇宙の果てまで出て行って、
宇宙の大霊を誉めよ!」

 銀河復興に、本当に必要なもの、ルエリス思想の核心がここに述べられています。
 
 今、我らが真に目覚めることとは、人類相互の相反ではなく、さらにもっと高みに目を見開き「新しさ」を求めて限界を突破して行くことでありましょう。

 そうですよね、ミーターさん、ペイリーさん!

ミーター 心からご同意いたします。

ハニス 俺も若い頃、ここイフニアで過ごした。
 みんなも知っているだろうが、「ターミナス」とは、最終地点という意味よりも「折り返し」地点という意味らしい。そして「イフニア」とは「無限」という意味だ。