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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ファウンデーションの夢 12 「Albert Einstein 」

2021-10-13 05:11:01 | ファウンデーションの夢
12
「進化は必ずと言っていいほど袋小路に陥る。ふつうはそこで絶滅するが、一部のものだけは、時間を遡って、生存の糸口を探りだす。」(ジョン・ナック)

 レオナルド、その謎に答える前に、その神話の妥当性を調べて欲しい。

 ダニール。ナックは、その根拠を提示しています。ゲノムのハプロタイプDEの分岐は八万年前にアララト山の麓で起きたと、述べてます。
 そして、彼は、もう一人の二十世紀のヘリコン人の祖先を紹介しています。彼の名はアルベルト・アインシュタイン。相対性理論を明らかにしました。ナックは相対性理論とは、空間と時間の相関ばかりでなく、時間と時間の関係にも、当てはめられる、と言ってます。

 有り難う。レオナルド、これで大きな謎が解けた。
 選択の自由とは、拒否も含まれる。彼らは、東西に分岐しなくてもよかったんだ!あるいは今からでも遅くないかもしない、清らかな川の辺りに帰ることも。
 
 それは科学の理論では無理です。ダニール!

 果たしてそうであろうか? 原初に戻ることが可能ならばきっと、ガイア!

 ところで、レオナルド、君の謎というのは?

 ダニール、もうあなたが解いてしまわれました。あなたもひと(?)が悪い。

 私には、もう一つ解かなくてはならない謎があるのだよ!       

yatcha john s. 「 Albert Einstein 」『Foundation の夢』その8


ファウンデーションの夢 11 「Peter Ferdinand Drucker 」

2021-10-13 05:05:52 | ファウンデーションの夢
11
「最初の沿岸の民、インマレイド系とその後の内陸ハンターであるモンゴロイド系の2種が特色」( Akira Nara fb.2019.4.9)

廃墟になったカッシ市の上空でダニールの船は、いよいよ地球を離れようとしていた。
 超高度に仕上げられたレオナルドはすでに十分、会話の相手になっている。
 「レオナルド、ヘリコン人の地球時代の遺産は何かな?」

 22世紀にいたジョン・ナックの『歴史思想書』に、「私の独断かもしれないが、20世紀ほど画期的な時代はなかった。それはその後の宇宙開発の時代を切り開いた偉大な3人を生んだからだ。そのなかでもドラッガーが優れていると言いたい。なぜなら、彼はニフ人の中に他の民族にはない光明を見いていた。かの民族は多くの脆弱さにもまして一つの秀でた能力を有していた。」
 そしてナックは、一つの神話を紹介しています。「神は偉大な頂きのふもとの、清らかな川の辺りに、ニフ人とヘリコン人の先祖を呼び寄せて、二つの苗木のどちらかを選ばせた。彼らはそれまでは同じ民であった。知恵の実のなる苗木を選んだグループは西に行き、命の実の苗木を選んだのが、東に移り住んだ。」ナックは巧妙に奈良氏の文章を引用して...

 私にも貴方にお訊きしたいことがあります。よろしいでしょうか?

https://youtu.be/u89rE9tyFdE

yatcha john s. 「 Peter Ferdinand Drucker 」 『Foundation の夢』その7
photo はドラッガーが在籍していたカリフォル


ファウンデーションの夢 10 「地平線が光ってる!」 

2021-10-13 05:02:31 | ファウンデーションの夢
10
「地平線が光っている。
 上空の方でも、放射能による発光現象が無数にくりかえされており、夜の星々を圧倒していた。地表付近では、ところどころ、高い放射能で空気がはじけそうな気配も感じられる。恐ろしいほどの高濃度になってる場所もある。」
 ダニールは、とうとう探索の最後に来たかった、来たくはなかった、星に到着した。
 「ニフの星も、ヘリコンも似てはいるが、問題がある。二万数年前にアマディロとマンダムスが仕掛けたとはいえ、ジスカルドと私の判断は正しかったのか?この有り様が混沌なのだ!ニフは一度、津波で原子力施設が崩壊し、放射能が八方に散らばった。そのとき、時の政府、政治家は一切責任をとらなかった。オメガ教団の無差別殺戮事件の時もそうだ。事前に知ってても行動しなかった。ヘリコン人の故郷はもっと残虐だ。回りの国に容赦しない殺戮を引き起こしてる。ガイアの星は実現可能な理想だ。しかし、
 倫理性だ。鍵は倫理性だ!」
 それにしても、イライジャ!帰って来たぞ!心の友よ!

yatcha john s. 「来たかった、来たくはなかった」『ファウンデーションの夢』その6


ファウンデーションの夢 9 「 Gaia 」

2021-10-13 05:00:33 | ファウンデーションの夢
9
ダニールは、ようやく完成した10万倍の容量のデータロボットに問うた。「レオナルド、ヘリコンの基本情報をたのむ。」
 次の目的地は、ハリの故郷ヘリコンだ、天才を生んだ星の理由を知りたい。そして避けられないであろう暗黒時代の次の世界のイメージがきっとみつかるかもしれない。それに、ハリにも、家族にもすまないことをしてしまった。あのガールも、今ではトランター行きの定期便に乗っているはずだ。突然蒸発した学会は少しの騒ぎがあっただけであろう。多額のクレジットをバッグに入れてあげただけで。家族にはそれとなく言いくるめたけれど。
 「ヘリコンはその質量が1%だけ先ほどまでいました惑星シンナックスより少ないため、農業は主に水耕栽培が室内で行われ、特にタバコが際立っています。...移住者は地球時代の物理生物学者のラブロックが、地球は一個の生命体であるというガイア主義者が主で...」
 そういえば、ハリもタバコ水耕栽培の農家出身と言っていた。
 それにしても、ガイア! 

yatcha john s. 「 Gaia 」『Foundation の夢』その5




ファウンデーションの夢 8 「 What a genius !」

2021-10-13 04:57:18 | ファウンデーションの夢
8
「努力を惜しまないんだ。“天才は成すべきことを為し、秀才は為しうることを為す” しかしハリは自分のことを秀才にすぎないとしか言わない。」

 彼はハリのことを思い出して、目の前の盛んに喋るガールの話しを聞いていた。驚いた、彼は一万三千年二百年前の、私が企んだ歴史消失以前の知識を掘り起こせる感応力があったのだ!
 まだ時期尚早だ!しかし彼の能力と知識はいずれ応用することにしよう、そしてニフ人たちの努力を。
 彼らは地球の自然を完璧に移植してから、大学の図書館にへばりついて、まず地球時代の全知識を百科辞典として編纂した。それから独自の宗教を考案して、周囲の星ぼしを精神的に支配した。さらに貿易で威を振るった。そして科学で覇を顕にして、ついに軍事だ。ここまでだ、この段階はいかん。
 今、この青年を、学会に行かせる訳にはいかない。数学の能力と少しの感応力を残して、あとは申し訳ないけど、消去だ!

yatcha john s. 「 What a genius !」 『Foundation の夢』その4