経管栄養は誰のため?〜療養型病院の現場から思うこと〜
何回か書いたかとおもいますが、私は療養型病院の内科病棟で、介護士として働いています。
この病棟では、寝たきりで自力で食事ができない方が多くいらっしゃいます。そのため、胃瘻(胃に直接栄養を送る)や経鼻栄養(鼻から管を入れて栄養を送る)といった経管栄養を行っている患者さんも少なくありません。
経管栄養を行うかどうかは、最終的にご家族が医師からの説明を受けた上で決めることになります。でも、現場で日々患者さんと接している立場から言うと、正直おすすめできないことも多いのです。
確かに、栄養を入れることで命を「維持する」ことはできます。
でも、それが本当に「本人のため」になっているのか?と、私はいつも考えてしまいます。
むしろ、「一生懸命やってます」というご家族の自己満足に見えてしまう場面もあるのが現実です。
経管栄養を始めると、痰が増えて常にゴホゴホしている状態になりやすく、吸引が頻繁に必要になります。
口を開けられない場合は鼻からチューブを入れて吸引することもあり、それもまた、とても苦しそうに見えます。
更に手が動かせて経管栄養の胃や鼻から出ている管を抜いてしまう方もいて、その行為が続くとミトンなども使われてしまいます。(拘束になるので家族の同意が有ってからですが)
そもそも、胃瘻や経鼻経管栄養といった方法は、元々は一時的に口からの食事ができなくなったものの、回復の見込みがある方に向けたものだったと聞いています。
それなのに、うちの病院ではどんな説明をしているのか、ほとんどの患者さんがそのまま経管栄養を続けているのが現状です。
そして、そういう方の最期は…正直なところ、けっこう苦しそうなんです。
痰が増え、呼吸もつらそうになっていく。
最期の時間を穏やかに過ごすというより、「何とか命を維持している」ような姿が多いです。
一方で、ご家族が「もう無理に何もしない」という方針をとる場合もあります。
そういう方の最期は、意外なほど穏やかで、静かに旅立たれることが多い印象です。
「命をつなぐこと」と「生きること」は、同じではない——
毎日、そう感じながら仕事をしています。
偉そうに介護士の本音 としましたけど、全ての人が同じ意見ではないですが、同じ様に感じている人がいるのも事実です。
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