アロエベラの奮闘日記

アロエベラの日常から非日常まで

サイダーの味

2009-04-24 21:38:04 | 日記・エッセイ・コラム

母の実家は今でも携帯電話が通じない秘境の地である。幼いころつれられていくと家には夏でも薪ストーブが焚かれていた。というくらい寒い。薪のやけるにおい、川の流れる音、今でも目に焼きついている。遊びに行くと必ず三ツ矢サイダーがあってビンの蓋をあけコップについで飲む。家ではキリンレモンだったのでまた違うサイダーに心躍らせた。

 その母の実家は数年前に祖父が亡くなり、今度祖母が亡くなった。今日火葬と葬式だったのだが、今でもほとんど変わら無い光景。目まぐるしく変わっていく世の中から離れた地がまだそこにあった。薪ストーブ、川の流れ、ひなびた農山村の風景である。ただそこで出されたのはビンのサイダーではなくペットボトルのジュースであった。そしてまたこの集落から1件の空き家が生まれる。


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