亀ゼリー

香港の女性達が肌の不調を感じた時に飛び込むのが、街角の亀ゼリー屋さん。
亀ゼリー（龜苓膏）は、清熱解毒、つまり身体に溜まった熱を冷まし、毒を出してくれるので、
暑い季節はもちろん、ニキビや便秘など、様々な悩みに効果を発揮してくれる女性の強いミカタ。

元々は、清朝時代に宮廷漢方薬として使用されていたものが、民間まで普及し、現在に
至っている。
材料は、金銭亀（ミスジハコガメ）の腹甲に、土伏苓、甘草、仙草、火麻仁、耐冬などを加えて作られる。
ただし、現在は金銭亀ではなくツチガメが使われているそう。

亀ゼリー専門店で有名なのは恭和堂と海天堂。その他、涼茶舗（漢方ドリンクスタンド）や、許留山など
でも提供しているので、街のいたるところで見つけることができる。
必要を感じたときに、サッと店に入って食べられる手軽さは嬉しい限り。

肝心のお味はかなり苦く、漢方臭もするので、初心者はシロップをタップリかけるのがおススメ。
オーダーの際に、温かいものか冷たいもの、どちらかを選ぶ。
味と臭いが気にならず食べやすいのは冷たい方だが、温かい方が身体には良いので、私はいつも
温かいものに、別添えの甘いシロップを多めにかけていただく。
シロップなしで美味だと言う人もいるが、私はまだその域には達しておらず‥。


龜苓膏（許留山）

結構苦い方かも‥。



気に入った人は、おみやげ用パックも売っているので買って帰ろう。
ただ、スーパーなどで売っているものは、味、質ともにイマイチの場合が多く、注意が必要。

おススメは、気軽に入れる漢方薬屋、余仁生の『秘製龜苓膏』（$32）
サイズは大きいが、マイルドで美味。十分な量のシロップとスプーンが付いているので、
ホテルの部屋でも食べられる。

余仁生には、この基本タイプの他、泡参（アメリカ人参）入り、羚羊角入り（アンテロープの角）、
霊芝入りの計四種があり、私はちょっとフンパツして$38の『霊芝龜苓膏』を購入している。

デトックスを促し、新陳代謝を活発にする成分てんこ盛りの亀ゼリーに、中国で「不老長寿の薬草」と
まで呼ばれ、血液浄化や免疫力アップ効果など、様々なパワーを持つ霊芝をプラスしたなんて、何だか
とっても効きそうな気がするのだ。

今年の夏は、日本も異常な暑さだったから、熱による不調がいろいろ現れ、「香港で亀ゼリーを
買いだめしとくんだった～」とつくづく後悔した。