目と鼻がぐしゅぐしゅで…
食欲が出なくて…
毎日暑かったし…
身体はなんだかあちこち痒かったし。
ぼーっとして…
動けなくなっていて…。
目の前を、
大きくて早く動くものが、
ビュンビュン走っていて…
でも…
怖さより…
身体が動かなくて…
誰かにヒョイと持ち上げられて…
動く何かに乗せられて…
ボク、ちょっと怖かったけど、動けなくて…
着いた先で、
身体じゅう触られて…
怖かったけど、
顔を拭いてもらったりしたらちょっとさっぱりして。
何やら聞き取れないことを
ニンゲンは話していたけど…
ボクは、そこで一夜、泊ることになって。
そこから始まる物語。
ボクが生きてゆく物語。