北山ナーセリー*クリスマスローズ日記

富山の園芸店・北山ナーセリーのスタッフによるブログです。冬はクリスマスローズのブログに変身します♪

「宿根草」ってなんだろう?

2008年11月02日 18時47分45秒 | 園芸アドバイス

携帯電話を忘れてきて、今日は写真が撮れなかったスタッフAです
会社のデジカメを使えば良かったのですけどね。
いつも接客や作業の合間を縫って撮るので、
わざわざ事務所まで行くのがめんどくさかった・・・。(笑)

今日は写真なしで出来る話題にしようかな。何を書こうかな。
などと考えながらテルスターの花がら摘みをしておりますと、
お客様からこんな質問を受けました。

「”多年草”ってどういう意味ですか?」

・・・・・・・・これだ

というわけで、
今日は一年草・多年草・宿根草の区別についてお話しようと思います。
ベテランの方は良くご存知のことと思いますが、
この手の質問は意外と多かったりします。


まずは下の図をご覧ください。(汚い図でごめんなさい


草花には、一年で枯れるものと何年も生きるものがあります。

どんなに上手に管理しても、一年草(いちねんそう)は一年で枯れます。
そういう性質の植物なんですね。

一方、多年草(たねんそう)は何年も生きます。
こちらは管理が悪いと一年で枯れてしまうこともありますけどね

では、「宿根草」(しゅっこんそう/しゅくねそう/やどねそう等)とは何なのか?
これは、多年草の一部です。

多年草のうち、

冬になると地上部が枯れ、
地中の根が越冬し、
春になるとまた新芽が出てくるもの


を「宿根草」と言います。

本によって説明のしかたはまちまちですが、だいたいこんな理解でよいと思います

だからたとえば、
パンジーは「一年草」
カランコエは「多年草」
ルドベキアは「宿根草」ですね。

たまに「こぼれ種で増えるのが多年草」だと思っておられる方がいらっしゃいますが、
「たね」だから「たねんそう」というわけではありません

一年草にも多年草にも宿根草にも、こぼれ種で増えるものはありますよ


そして、ここからがややこしいのですが

寒さに強いか、弱いかという問題があります。

とても大雑把に説明すると、こんな感じ。

たとえば、
パンジーは「耐寒性一年草」
カランコエは「非耐寒性多年草」
白妙菊は「耐寒性多年草」ですね。

ただ、初めての方が「耐寒性多年草」などといわれても、
「なんのこっちゃ??」となってしまいますよね

なので、ナーセリーでは

一年で枯れるもの=「一年草」
室内に入れれば越冬し、毎年楽しめるもの=「多年草」
屋外で越冬し、毎年楽しめるもの=「宿根草」


という風に説明することが多いです。
そのため、ポップに「宿根草」と書いてあっても、
冬も地上部が残っているものもあります


しかし、ラベルや本に書いてある「耐寒性」は、あくまで目安です

「半耐寒性」と書いてあっても、霜よけなしで越冬できる場合や、
逆に「耐寒性」と書いてあるのに霜よけが必要だったりすることもあります

また植物は生き物なので、植えた場所やその年の気候などにも影響されます

耐寒性とは違った例ですが、今年はいろんなお客様から
「何年も育てたゼラニュームが夏に枯れてしまった。」と言う話を、よく聞きます。
暑かったからでしょうね。ゼラニュームには過酷な年でした。

このように、植物が今年の冬を越せるか?来年も咲くか?
というのは、性質だけで決まるものでもないということですね。

ただ、やっぱり毎年咲くかどうかは、
お客様にとってかなり気になるポイントのようです。

たまにですが、「枯れたら責任を取ってくれるのか
などと言われて困ってしまうこともあったり・・・。

私は生き物が相手ですから、
「必ず」とか「絶対」とか、「こうでなくてはいけない」などと強く考えず、
「来年も咲くと良いな」というくらいに、ゆったり構えるのがいいと思うのです

みなさんは、どう思われますか?



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宿根草 (kim)
2008-11-02 22:42:41
Aさんの分かりやすい説明でイメージがつかめましたありがとうございます。
ただ、確か宿根草は植物学上の分類には無く園芸用語だったのでは?
ところで私はAさんはきっとこの人だ!と勝手に思っているんですが、ピカピカの新人さんですよね。
どうして北山ナーセリーを選ばれたんですか?
ちょっと気になります、良かったら教えてください。
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