一小節の独り言 ~Naoto Nozaki's official blog~

「風のガーデン」

 放送されたのが2008年ですから話題にするのも今さらではあるんですが。

CSで「風のガーデン」が再放送されまして、あらためて全話視聴しました。 

 


倉本聰の富良野3部作の第3弾(あとの二つは「北の国から」と「優しい時間」)なんだけど、今あらためて観ると凄いドラマです。

 中井貴一さんが腕の良い麻酔科医で、末期の膵臓がんに侵されているという役。 その死に至るまでの家族の物語なんですけどね。
中井貴一さんはこの役の為に半年にわたるダイエットをし9Kg減量。 本当にげっそり痩せての熱演です。 
 ま、中井さんというと、かなり陳腐な脚本であってもその演技力で「そこそこ」のレベルに持って行ってしまうすごい俳優さんだとわたしは思ってるんですけど、この「風のガーデン」に関しては本当に素晴らしい。 

 放送当時は、その中井貴一さんの演技のものすごさに舌を巻きまして。 そっちに目が奪われていたんですけれどね。


 今回再視聴してみると、緒形拳がどんだけ素晴らしい芝居をなさっていたのかに気が付きました。

 だってね。

 このドラマ、緒形拳さんの遺作なんですが・・・・ 遺作も遺作、撮影を終了してわずか1週間ほどで亡くなっているんですから。

しかも、ドラマの主人公と同じ膵臓がんで。

周囲には病状を隠して撮影に臨んだそうですが、その心中やいかばかりだったでしょう。 そんなバックボーンを踏まえてドラマを観ると、何とも言えない感情がこみ上げてきます。


 

 良い笑顔で演じられてます。
 なんとも優しいお芝居をされてます。

 特にドラマの後半になると毎回「泣ける名シーン」があるんですけど、その多くは「登場人物はみんな笑っているのに泣ける」んですね。
これはなかなかに凄い事で。 さすが倉本脚本、と思わずうなってしまいます。


 「風のガーデン」、これは屈指の大名作ドラマだと思います。

 youtubeでも全話上がってるようですが、是非レンタルなどされてご覧になって下さい。
 優しく、幸せな気持ちになれる事請け合いです。


 

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