花とみどりの相談所で管理している補植用パンジーはビニールハウスのなかで日中、41度にもなり、ポットの土はカラカラだ。命の水をたっぷりとやった。9時ごろ、また風花が舞う。ロータリー花壇の花がら摘みを始めると、「あれぇ?」。パンジーが3つ4つ、株ごとつまみあがるではないか。「ネキリムシですかねぇ」というと、Kさんが即座に「いや、カラスですよ」。つづけて「私んところの花壇と同じやられかたです。それをみつけた方が苗にネットを張り保護しています」という。腹が減って食べたというようすでもない。なんでやろ。「土の中の虫を捕ろうと苗までくいちぎってしまったんと違う?」と“善意”な意見もでた。雪が降り積もったせいで食べ物が口に入らなかったのかもしれない。しかし動機がどうあれ草花を食いちぎるのは許せない。
そもそもカラスは益鳥なのか害鳥なのか。ハシブト、ハシボソ、ミヤマの3種のカラスについては、「有害鳥獣」として府県知事の許可を得れば駆除できることになっている。環境省自然環境局の「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」(平成13年10月)はそう書いている。しかし、実際の対応は「カラスは生態系の中で消費者であるとともに分解の入口、いわば掃除屋の役割をしています」(「生態系の中のカラスの位置」)などと理解に苦しむ評価を与え、住民からの苦情・相談には「たらい回しにしない」とか「冷静に対応」せよとか、いいかげんにあしらっている実態を裏書しているようなマニュアルである。カラスとなかよくという東京都の場合、1998年度のカラス駆除数は2319羽という(2001年度のカラス生息数は8万羽と推定されている。その3%位)。23区と三多摩でそれぞれ年間100羽にもならない。それで害鳥カラスを駆除したといえるのだろうか。国や東京都からしてそんな姿勢だから日本はカラス天国になっているのではないか。大都市周辺の乏しい農作物や園芸を守るためにも国・自治体の正面切った対策を望みたい。
風花の華やかに舞ひ町淋し たかし
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