家で、寝ころんで「青年」の続きを読む。主人公・純一が「有楽劇場」で知り合った未亡人の坂井夫人宅に誘われ、劇作家のラシイヌの本を借りる話から、何やら恋心めく気持ちの揺れや哲学問答のような青年の葛藤が描写される。ラシイヌを読まずに返しに行き、夫人から“いついつ箱根へ1人で行くからお暇ならいらっしゃい”と誘われる。なんとなく小説めいた展開になる。それを「拙い小説のやうな日記を書いた」とある。ノーやん日記にはそんな文学性はかけらもない。なにも飾らず感じたことをありのままに記すだけ。それが日記だと思う。ついでながら「青年」には、横文字がやたらと登場する。かと思うと「長々難有う」という旧い言葉使いもある。
アリガトウは「難有し」(アリガタシ)で、古くは神仏に対し使う言葉だったと、岩淵悦太郎先生は「語源散策」に書いている。武士はアリガトウとは言わずカタジケナイと言っていたそうな。いまは毎日「アリガトウゴザイマス」を使う。ことばも時代とともに変わる。
鶏頭はひねくれることあり曇る秋 昇龍子
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ノーやん
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