午後、せんちゅうの千里図書館へ。リクエスト本を受け取る。ついでに、読み途中だった沼田真佑さんの芥川賞受賞作「影裏」を見つけ読む。D学園高校吹奏楽部の演奏を聴きながら。小説の前半は某社の営業マンらしき主人公が岩手県に転勤し同僚だった友人と渓流釣りする話。仕事の話を綯交ぜて。その友人が、東北大地震で死んだかも知れんという話を耳にした主人公は、友人の実家を訪ね、複雑な親子関係を知る。捜索願をすすめるが、父親は“ほっといてんか”という。その実家の部屋で主人公は模造紙で「電光影裏斬春風」の墨書を目にする。それがクライマックスと思ったのだが…。
後半、突然に出てきたこの言葉に戸惑う。広辞苑にもない言葉。検索すると、どうやら禅語らしい。夏目漱石が「吾輩は猫である」のなかで哲学者・八木独仙の言葉として書いたものともいう。「でんこうようりしゅんぷうをきる」と読むらしい。その言葉探しに日が暮れる。この小説、そもそも何を言おうとしたいのか。愚老にはいまいち分からない。「電光影裏」に深い意味があるわけでもないのかもしれん。写真上=「カナダ先住民の文化力」展から。下=みんぱくの外周に咲くコスモス。
手をつなぎ月をふみふみ帰る夜 昇龍子
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ノーやん
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