洟みず

　晴れ。きょうも寒い。けど、風が弱い。きのうよりはちょいましか。「おはようございます。さぶなりましたな」「ほんまさぶいでんな」。マンションはビル風があるからよけいに「さぶい」。「さむい」より「さぶい」は実感がこもる。花壇を見回る。ストックの下葉が少し霜にやられた気配あり。身をかがめ黄葉や萎れ気味の葉を取る。寒さの余り自然に鼻水が落ちてくる。ハンカチで拭う。土の乾きが気になるので決断して散水する。明朝霜枯れしなければよいが。

　ぼくは、肉親、知人、友人の葬式にでるのが苦手や。と、いうのは、きょうは泣くまいと思って参列するのだがどこかですすり泣きが起きると堪らず落涙・鼻水が垂れるからや。ぼくは涙腺がもろいんや。恥ずかしいので葬式は早々に引き上げることにしている。けさの鼻水は純粋に寒さのせいなので正々堂々ハンカチを出して拭った。

　朝9時すぎ、高血圧と狭心症の定期診療。豊中市内の診療所へ。月曜日のせいか診療の順番がきたのは正午過ぎ。NHKニュースの最中だった。検便の結果は異状なし。毎朝起床時に、こげ茶色の痰と歯磨きすると血のでる症状は原因不明。かかりつけ医「バッファリン投与のせいかもしれない」。バッファリンは血流をよくする効果があるので一日一錠服用している。

　年の瀬に、知己の人びとの訃報に接した。それぞれに在りし日の顔が浮かぶ。近頃は家族葬が流行り鼻水する機会も少なくなった。が、人の死を悲しむ心は昔も今も変わらないだろう。

天六に電球吊るす湯豆腐屋　愚老
洟みずや鼻骨削ってまっすぐに　同
コンビニへ駆け込む寒夜のおでん酒　同