【岡潔の思想】

【型で俳句を】「第三型を学ぶ」

【型で俳句を】「第三型を学ぶ」
 さて、ちと間があきましたが、今まで主宰著『型で俳句を』から「第一型」そして「第二型」と学んできましたが、今日から「第三型」に入ります。
 
 今回もこの著書より抜粋させていただきます。
「第三型」
 下五に三音の季語を置き、下五を「名詞+かな」で切って完結させる
〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇 /
  かまきりの尋常に死ぬ枯野かな /   其角    <中略>
 さて、この第三型の典型は、途中らないで、下五に三音の季語を「名詞+かな」で置き、ワンシーンで詠みあげます。
  をりとりてはらりとおもきすゝきかな / 飯田蛇笏
 掲句はすべて仮名で表記しています。薄の風になびくやかさを表現しようと、漢字を使わないで仮名書きにしたのかと思われます。もし「重きすすきかな」「重き薄かな」と表記したとしたら、雰囲気してしまうかも知れません。
 ともかく「をりとりて」から「すゝきかな」までを、一気に流れるように「一句一章体」でつなぐのが「かな」の使い方です。
  足軽のかたまって行く寒さかな /      井上士郎
  雨やみをする間もあがる花火かな /    久保田万太郎
  みちのくの伊達の群(こおり)の春田かな / 富安風生
「寒さ」「花火」「春田」を「かな」で結ぶことによって、一句の世界が閉じられ完結します。 

※典比古
 他に例句をあげてみます。 
例1 波はみな渚に果つる晩夏かな  友岡子郷
           「晩夏(夏)+かな」(ばんか 3音)
例2 シスターの声降りそそぐ泉かな  市堀玉宗
           「泉(夏)+かな」(いずみ 3音)
例3 競ふとも見えぬ遠さのヨットかな 三村純也 
            「ヨット(夏)+かな」(ヨット 3音)

秋の三音の季語(全部ではありませんが)を載せますので、「第三型」の文体にお使いください

【時候】 残暑 葉月 九月 白露 夜長 秋気 寒露 夜寒
【天文】 玉兎 良夜 無月 雨月 野分 夜霧 狭霧 濃霧 夜露 
【地理】 花野 刈田 
【生活】 苧殻 夜学 新酒 夜食 うるか 添水 案山子 鳴子 田守 
     鹿火屋 夜なべ 砧 秋蚕 根釣 踊 相撲 花火 月見 秋思
【行事】 子規忌 
【動物】 牡鹿 牝鹿 小鷹 小鳥 帰燕 鶉 鱸 鰯 秋刀魚 蜻蛉 
     ちちろ 蝗 浮塵子 
【植物】 木槿 芙蓉 熟柿 林檎 葡萄 柘榴 胡桃 酢橘 朱欒 檸檬
     紅葉 照葉 楓 木の実 通草 芭蕉 カンナ 西瓜 南瓜 糸瓜
     瓢 芋茎 零余子 生姜 晩稲 落穂 穭 大豆 小豆 芒 真葛
     野菊 茸 
※典比古
 【型で俳句を】第一型を学ぶ(8月16日の記事)
 【型で俳句を】第二型を学ぶ(9月7日の記事)
           
           中村修さん「団地」
              
       
  ※次回は『詩あきんど』8月号より「第三型」を探し、鑑賞いたします。
冬の三音の季語も紹介いたします。

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