【岡潔の思想】324「岡の大脳生理」人の座 前頭葉
【9】人の座―前頭葉 真我への目覚め 1967年12月
日本の産業界は、最近、非常な躍進を遂げ、今や、工業生産力世界第3位といわれます。アメリカ、ソビエト、日本と実際大したものですが、しかし物を作っただけでは、国家の経済的繁栄はもたらされない。売りさばく方も、うまくやらなくてはならないだろうが、そこがどうなのか、非常に危うんでいます。で、近頃、実業界の内情にとても通じている人に会ったので、様子を聞いてみたところ、果たして非常に悪い。
一口に言って、どんなふうか。例外はあるが、一般に、大会社になればなる程、その経営者例えば、社長さんは、自分はそうしてはいけないとわかるのだけど、それをしないではおれないのだと、こう言っているというのです。
実際、その言葉通りだとして、これはどういうことなのか、大脳生理学に聞いてみます。大脳生理学のいうところによりますと、哺乳類には、本能とか、それに伴う感情とかが時を誤り、度を過ごさないための自動調節装置というのがついている。
しかし、人にはそれが取り払われてしまっている。その代わり、人には大脳前頭葉というものがある。動物で大脳前頭葉を持っているのは、人以外に猿があるが、猿のは、ごく発生当時で非常に小さく言うに足りない。
ちゃんとした大脳前頭葉をもっているのは人だけで、人は自動調節装置の代りに、この大脳前頭葉を使って、いけないものはいけないと知って抑止して、やらないようにする。人にはこの大脳前頭葉の抑止力があるのです。但し、自動調節装置は自ら働くが、抑止力は働かそうとしなければ働かない。人がこの抑止力を自主的に使わなかったら、人としての品位を維持することができない。のみならず動物よりはるかに下等なものになってしまう。
これが、医学の定説であって、これが定説になったのは前世紀のこと、以来、絶えず定説なんですが、ところが、デューイはこの定説を知らない。それで、快、不快によって判断せよというようなことを言っている。そして教育はその通りにやっている。
しかし、考えてみて下さい。快、不快によって判断するというのでは、一体どこに人の人たるところがありましょうか。大脳前頭葉の抑止力もなしで、これは獣類のすること、人のすべきことでは決してありません。
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横山賢二さんの解説が読めます。
🔶岡潔講演録(7):【9】 人の座―前頭葉 (okakiyoshi-ken.jp)
※典比古
今、大脳前頭葉の抑止力もへったくれもないようなことが起こっています。次の動画をご覧ください。横山さんは解説の最後で「「便利、快適、損得」などという「快、不快」を追求するあまり、我慢や忍耐や謙虚さを古臭いものとして軽視してきたためです。道徳で大事なのは「どんな良いことをするか」ではなく、人に迷惑をかけない「何をしないか」であると岡はいうのです。」と。
この著書についての、茂木誠さんの見解(一回バンされました!)
🔷茂木誠 茂木誠 - Wikipedia
■この動画も追加しておきます
🔷これテレビ流れたら日本中パニックになるぞ… 早く気づけ!/ Meiji Seikaファルマ本社前 深田萌絵 林千勝 街頭演説 2024/9/22 私たちは売りたくない (youtube.com)