引き金を引いた後。
どんな風になるんだろ。
分からないけど。
半分は興味本位かもしれない。
これで腐ったやつらの気持ちも理解できるんだろうか。
理解したとて、何にもならないだろうけど。
でもやってみることにした。
やはり、もう既に充分壊れている。
届いた何かの書類、郵便物。
自分にとってはどうでもいいもの。
今日も暑い。
リハビリもしんどいな。
食べかけのアイスをくれる。
「冷たくて美味しいでしょ？」
確かに。こう暑い日は身体に染みる。
今日の食事もさっぱりしたものがいいな。
久しぶりに聞かれたな。
「奥さんは元気ですか？」
そう言えば話していなかった。
事情を簡単に説明した。
「それはひどい。」
そう言って、「結構応援してたんだけど、やめるわ」と。
まぁ、仕方がない。
新しい生活はどうなるだろう。
まぁ、なるようになるかな。
とやかく言っても仕方がない。
どうにもならない事もある。
くだらない事で誤魔化したけど、これでいいのだろう、きっと。
さて、明日からは少し新しい生活が始まる。
あとはその日までただ待つだけ。
夜の高速。
車はまばら。時折すれ違うヘッドライトがある位。
車を走らせる時、色々な事がよぎる。
あてもなく走っている。もう随分と走った。
ここはどこだろう。
頭がぼーっとしている。
適当な所で捨てていこう。
私が持っていても仕方のないものだ。
辺りは真っ暗。
眠気がやってくるまで。
もう少し走ってみよう。
忙しいから。
それはやりたくない時に使う言葉。
もう仕方がない。
自分の行いの結果だ。
可能な限り言葉で理解を促したかった。
自分で決めたんだ。受け入れてもらうしかない。
なんと虚しい結果だろう。
自ら無意味にしてしまうなんて。
何故そうするのですか？
選択の理由を聞かれる。
本当の所はよく分かっていない。
色々あるから。
ただ、自分の為ではない気がする。
それほど躊躇っていたから。
では何の為なのだろう。
それが正しいから？
興味本位？
ただ他人は言う。
思った通りにすればいいと。
そうだね。
多分、そう思ったんだ。
理由なんてないのかもしれない。
家族は居ない。
かつては仲も良かった。
周囲に誰も居ないわけではない。
ただ、王様は独りだった。
自身を俯瞰して、初めて独りだと分かった。
王様は気まま。
誰からも指図されない。
でも自由なのではない。
やりたい事ではなく、やれる事をしているだけ。
したい事がないだけ。
気にかけてくれる人がいないだけ。
王様は独り。
生きているのではない。
死んでいないだけだ。
