どこかで諦めているように思う。
もういつどうなっても、と。
むしろそうなれば早くそこに行ける、とさえ。
きっと私も同じなのかもな、と思った。
ゆっくり景色を眺めるようになった。
時間が流れていても、景色は止まったまま。
ただぼんやりと眺めている。
本当は目の前の川は流れていて、水の音がして。
でも止まっているんだ。
その流れは私の人生じゃないから。
私は救ってやりたかった。
多分他の誰かが聴いてもわからないかもしれない。
私にはずっと呪縛のような物に囚われているように見えた。
もはやそれはただ辛いだけのような。
ただ義務感に苛まれているような。
もっと上手なやり方がある。
もっと自然な生き方がある。
もっと自分を大切にできる時間がある。
私はできる気がしていたんだ。
自分にしかできないと思っていたんだ。
救ってやりたかった。
導いてやりたかった。
小さな子供のようだったから。
幸せになる過程を。
ただ見せてあげたかった。
燈が高く舞う。
稲穂に見立てたその光は暖かくも雄大で。
豊穣の願いを込めて。
あぁ。
やはりもう一度見ておいて良かった。
きっと。
手を握って。
もう一度見ておいて良かった。
しっかし暑いな。
昨日の都内も猛烈な暑さだった。
食欲もあんまりないし、お昼は何かさっぱりした物にしよう。
アイスクリームでも食べよかな。
ほら、言わんこっちゃない。
言った通りじゃないか。
是非もない。
やっぱりそういう風に出来てるんだから。
誰でも分かる事さ。
携わっている人ももちろん、基本的に同じ事を言っていた。
そんな事は透けて見えてしまうんだよ。
