スリランカ津波災害への支援

津波によるスリランカへの災害に関する情報を記載し、支援の輪を広げる事が目的。

<100m圏内>

2005-02-27 09:09:50 | Weblog


テレビを見ていると時折政府からのお知らせが流れる。

「海から100m以内には家を建ててはいけません。
現在、家や土地がある人には別な場所を政府が用意します。
漁業関係者で船や網などを失くした人は政府が補償します・・・。」と。

毎週被災地域へと足を運んでいると少しずつではあるが確実に復興が進んでいると感じる。
海沿いにいる人の数も増えてきている。資金がある人は仮設住宅を100m以内に建てている。

大きなダメージを受けた大きな街でも次々と商店は再開されている。
先日ゴールの街でいくつか買い物をしたのだが、「商品が汚い」などと文句をつけると、「津波だから」という答え。
まあ、言い訳の好きなスリランカ人的には良い『言い訳』が見つかったわけである。
普段であれば、そんなの商売人として間違っていると文句をつける私だが、今回はどうも文句をつけにくい・・・。

話がそれてしまったが、とにかく政府は非常に大きな挑戦をしなくてはいけない。
100m以内に家屋建設禁止の件でも、すでにいくつかの被災地域で耳にしたのが
「政治家の力であそこの家は立ち退かなくてもいいだよ・・・」というような声である。
いかに平等に実行していくのか?一時的には100m圏内の人々を退去させたとしても、
時間が経つにつれて少しずつ人々が戻ってくる可能性が大きい。
コロンボ地域にあるいくつかのスラムは違法占拠状態のところが多い。いくら決まりがあってもそれをどう行使するのか。
政治家影響をいかに抑えるのか。課題は山積みである。

また復興が進むにつれて、貧困の格差が大きくなる事が懸念される。
色々な事が「政府がくれる、NGOがくれる、どこかの個人がくれる」だろうという事で進んでいく。
その狭間で忘れられていく人が生まれる可能性がある。

<配慮>

2005-02-27 09:08:30 | Weblog


多くのが学校が再開している。
避難所として使われている学校がまだ多くあるが、一時的に他の学校へ生徒を送っている。
完全に破壊された学校の建設はまだ始まっていないが、
仮設の学校・一時的な統合で対応するようである。

学用品、制服、靴など全てを失った子ども達が多数いるが、
その支援もスムーズに行なわれているとはいえない状況だ。
私が行った多くの避難所で聞かされたのが「学校へ行く靴がない」「ノートがないから学校へ行けない」等である。
被災後一ヶ月半もの時が過ぎているのにまだまだ末端の状況は変わらないままだ。

教育省は子ども達を通して被災状況の情報を集めようとしているらしい。
学校単位でそのような情報を集める事は今後の支援活動を考えると非常に重要なことかもしれない。
しかし、その情報の集め方に問題があるようだ。
NGO(グリーンムーブメント)のスタッフが、学用品の不足状況を調べにある学校へ行った時の事を話してくれた。

その地域では比較的被害も大きく、両親を亡くしたり、兄弟を亡くした子ども達が多数いた。
当然、どの子の親が亡くなっているかなどは分からない。
その情報を集めろと上からの命令を受けた先生は、子ども達を集め、
「お父さん、お母さんがいない子はこっち!」「お父さんだけいない子はこっち!」「お母さんがいない子はこっち!」・・・・。
と言ったそうだ。
全く信じられない事である。普通の人でもそんな言い方はしないと思うが、教育者がそんな事を言おうとは・・・。
要するに、簡単に情報を集めるやり方を先生達は選択したのであろう。
子どもへの配慮のかけらもない。

NGOスタッフの話では、子ども達は平然と先生の言う事にしたがって動き特に泣き出したりする子はいなかったらしい。
ただ、確実に子どもの心の中を乱した事であろう。
そして、周りの子どもから「あの子のはお父さんも、お母さんもいないんだよ」と差別的に見られる可能性もある。

全ての事に通じて思う事、『もう少し考えて欲しい被災者の立場になって』と・・・。