テレビを見ていると時折政府からのお知らせが流れる。
「海から100m以内には家を建ててはいけません。
現在、家や土地がある人には別な場所を政府が用意します。
漁業関係者で船や網などを失くした人は政府が補償します・・・。」と。
毎週被災地域へと足を運んでいると少しずつではあるが確実に復興が進んでいると感じる。
海沿いにいる人の数も増えてきている。資金がある人は仮設住宅を100m以内に建てている。
大きなダメージを受けた大きな街でも次々と商店は再開されている。
先日ゴールの街でいくつか買い物をしたのだが、「商品が汚い」などと文句をつけると、「津波だから」という答え。
まあ、言い訳の好きなスリランカ人的には良い『言い訳』が見つかったわけである。
普段であれば、そんなの商売人として間違っていると文句をつける私だが、今回はどうも文句をつけにくい・・・。
話がそれてしまったが、とにかく政府は非常に大きな挑戦をしなくてはいけない。
100m以内に家屋建設禁止の件でも、すでにいくつかの被災地域で耳にしたのが
「政治家の力であそこの家は立ち退かなくてもいいだよ・・・」というような声である。
いかに平等に実行していくのか?一時的には100m圏内の人々を退去させたとしても、
時間が経つにつれて少しずつ人々が戻ってくる可能性が大きい。
コロンボ地域にあるいくつかのスラムは違法占拠状態のところが多い。いくら決まりがあってもそれをどう行使するのか。
政治家影響をいかに抑えるのか。課題は山積みである。
また復興が進むにつれて、貧困の格差が大きくなる事が懸念される。
色々な事が「政府がくれる、NGOがくれる、どこかの個人がくれる」だろうという事で進んでいく。
その狭間で忘れられていく人が生まれる可能性がある。