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「鬱病」と「老人ぼけ」は似ているという一文を新聞に
見つけ興味深く読みましたので紹介します。
文書の主の曽野綾子氏によると、「鬱病」と「老人ぼけ」
に共通しているのが利己主義に陥り、他者の認識が極めて
希薄になる症状とのこと。
自分のことを考えるだけでせいいっぱい、他人の立場など
眼中にない。他人のために労力、金、心などを使うことを
思いつかない。自己中心思考に陥り自分のすることで、相
手の迷惑を推測できないのが老化のあらわれなのだ。・・
・・・・・
思えば戦後の教育のすべてが、要求することであった。聖
書が言う「友のために自分の命を捨てること、これ以上に
大きな愛はない」という、人間の自由意志の極限の姿を示
した行為(したがって我々凡人にはなかなか実行できない
境地)も否定され続けてきた。
だから受けることにしか興味がない、という精神の幼い壮
年や老年ができても仕方がない。
ただ、国家や医師や社会の組織が用意する「与えるだけの
癒し」では鬱の苦しみもぼけも本質的には救えないような
気がする。鬱を治し老いを防ぐのは与える充実感を教える
ことなのだから。<透明な歳月の光■272より>