咲-Saki- 第152局
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第151局 「流儀」 感想)

最下位から始まった後半戦、「普通の麻雀」で強敵たちとの差を詰める咲さんだったが、ここぞという勝負所でついに曲げられない自分の麻雀――嶺上開花を和了ってみせた。開花の兆しを見せなかった花が、「曲げられないところはあるよ」という咲さんの想いに呼応するかのように一気に咲き誇る。「信念」だから曲げられないんじゃない。曲げられないからこそ「信念」なのよね。うん、めがっさ熱かった。
得意技を封じられ絶望の淵に立たされた主人公が仲間からの励ましと助言を受けて立ち上がり紆余曲折の末、再び原点である得意技をもって状況を打開していく。王道的展開ではあるが、だからこそおもしろい。確かに良い意味で裏切られたり、想定外のことが起こるのも面白いさ。お話に緩急を付けるならそういう外してくるような展開ももちろん必要なんだけど、そういう王道から外れた描写が輝くのは「そう、そう、これだよ、やっぱりこうくるよね!」って感じるお約束の展開があってこそなんだよね。
県予選大将戦オーラスの大明槓の時もキー牌は花びらを連想させる
だったし、あの県予選オーラスの逆転劇を初めて読んだ時の気持ちを少し思い出したよ。ちょうど、休憩中の咲さんと和のやり取りも県予選大将戦を意識したものだったし。
さて、東3局での倍満和了を皮切りに咲さんの連続和了は続き、東4局にネリーから2600点を出和了った。そして、南1局。






ポン

カン


ツモ
を暗槓し、ダブ南混一赤1嶺上開花で3000・6000を和了り、三連続和了。まさに圧倒的っ...!!そして、卓上に凛として咲く花を見た爽は新約聖書のマタイによる福音書の一節を思い出す。
原文を少し改変しているが、「野の花を見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。かつて栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾っていなかった。」と解釈するのが妥当かな。
原文には当然前後の文章があり、流れとしては「野の花は働きもせず、紡ぎもしないけれど、かつて栄華を極めたソロモンでさえただ一本の野の花の美しさにはおよばない。働きもせず、紡ぎもしない野に咲く花でさえ神はこのように装ってくださるのですから、あなたたちは思い悩まなくていい。神はあなたがたに必要なことをご存知であるから、まずは神を求めなさい。」と説いたものだが、作中では前後の文章が抜けているため、「かつて栄華を極めたソロモンでさえただ一本の野の花の美しさにはおよばない。」という意味で爽は引用したのだろう。
さて、南1局が終了し、咲さんの怒涛の嶺上開花によって、各校の点数状況は姫松:119700点(+8400点)、清澄:113800点(+25700点)、臨海:113200点(-57100点)、有珠山:53300点(+23000点)となり、清澄高校がここで勝ち抜け圏内の2位に浮上。文字通りの大混戦だが、ダンラスだった頃を思い出すとよくもここまで持ち直したと感動を覚えるね。もうこのまま連荘の「流れ」に乗って、姫松をまくって華麗に一位通過も現実味を帯びてきたね!...と思っていたのも束の間。

後半戦南2局、ついにネリーが牙を向く。末原さんの分析によるとネリーの特徴は、「その局のツモが良いかどうかを最初から把握したように打っており、和了れない時は最初から守り打ち、ツモが良い時は最初からそれを知っているかのように手を作っている」というもの。なるほどね。部長が気にかけていた「不可解な振込」はやはり、自分に「波」が来ていない時は他家の手が高くなる前に振り込んで失点を抑えるという意図があったのか。東4局で咲さんに2600点を和了らせたのも、フリカムイの二撃目で高い手を目指していた爽の和了りを安手で流すためだったと。
そして、驚くべきは「波」を察知できるだけではなく、最大の「波」をどこにもってくるのかを調整できるところだ。そう、ここまでの「流れ」はすべてが想定通り。ネリーにとってはただの予定調和だったと。最初からこの卓はネリーの手のひらの上にあったと。ネリーが調整した「流れ」――決められた「運命」に向かって、大将戦は流れていたと。強すぎる。まさに「運命奏者」。ネリーの奏でる運命からは何人たりとも逃れることは出来ない...!












ツモ
この状態からさらに、ツモるのが当然と言わんばかりに、

と立て続けに索子をツモり、

なんと、爽に三倍満を直撃。ドラ表示牌がわからないため、この形で三倍満となるためには、一通が付くことが条件(門清平和一通一盃口赤1)だから爽の捨てた牌は
かな?
いきなり飛び出した三倍満に臨海以外の3校が驚きの表情を見せるなか、爽の元に「クンネニシ(黒雲)」が戻ってきた。ラス親で青い雲と黒い雲のダブル使用で爽が追い上げを図るが、










ポン

ツモ
ドラ
またしても、ネリーの奏でる運命からは抗えず、ネリーの三倍満ツモが炸裂。咲さんも末原さんも爽もただ、大将戦が終局へと流れていくのを見ていることしかできない。ネリーによる圧倒的な一人舞台である。

そして、三度目の三倍満!!まさかの三連続三倍満和了!!!親の連荘でもなく、たった3局で72000点を掻っ攫っていくとは...。同卓者からしてみると悪夢を見ているような怒涛の展開で正直驚いた。そして、他校を全く寄せ付けないネリーの3連続和了によって、大将戦が終了!!!
順を追って、点数を計算してみると、結果は...。
清澄が100点差で姫松をまくって、2着で勝ち抜け!!!!!!
清澄高校を応援している身としては、この結果はひとまず安堵という感じではあるのだけど、正直この展開は驚いたなぁ。後半にネリーが本領を発揮するとは思っていたけど、こうも一方的で三校が為す術もなく大将戦が終了するとはね。ラス親で親かぶりを受けたがために敗北した末原さんはさぞ悔しいだろうなぁ。咲さんの親番ではツモではなく爽が三倍満を直撃しているのも、清澄にとっては幸運だった。
これで、インターハイの団体戦もついには決勝の対決を残すのみとなった。準決勝を振り返ってみると色々とおもしろくて感慨深いね。
Aブロック準決勝の先鋒戦は絶対強者として猛威を振るった宮永照の連荘の「運命」を改変する物語だった。相手の能力を推し測り、絶対的な力でもって和了りを重ねる怪物に突き刺さった能力を超える一撃には思わず鳥肌が立った。対して、Bブロック準決勝の大将戦では、ネリーの奏でる「運命」に為す術もなく後塵を拝する咲さんが描かれる。この対比が面白い。準決勝ではネリーの予想を超えることは出来なかった。だからこそ、決勝に期待がかかる。どうやって、ネリーの奏でる「運命」を改変するのかと。あつらえたように決勝の大将戦は全員1年生というルーキーたちの対決が見れるのだからワクワクだよね。全国三千校の生徒たちが目指した決勝の舞台。解き放つオモイと 追い風がかさなる場所で4校がどんな対局を見せてくれるのか楽しみだ。
次回は、12/29発売号で掲載予定。YGには11周記念の立先生による千里山4コマもすばらでした!
以下、咲-Saki-本編最新話の感想になりますので未読の方はネタバレにお気を付けください。
(前回の感想はこちら→咲-Saki- 第151局 「流儀」 感想)

宮永咲、本領発揮――――!!
最下位から始まった後半戦、「普通の麻雀」で強敵たちとの差を詰める咲さんだったが、ここぞという勝負所でついに曲げられない自分の麻雀――嶺上開花を和了ってみせた。開花の兆しを見せなかった花が、「曲げられないところはあるよ」という咲さんの想いに呼応するかのように一気に咲き誇る。「信念」だから曲げられないんじゃない。曲げられないからこそ「信念」なのよね。うん、めがっさ熱かった。
得意技を封じられ絶望の淵に立たされた主人公が仲間からの励ましと助言を受けて立ち上がり紆余曲折の末、再び原点である得意技をもって状況を打開していく。王道的展開ではあるが、だからこそおもしろい。確かに良い意味で裏切られたり、想定外のことが起こるのも面白いさ。お話に緩急を付けるならそういう外してくるような展開ももちろん必要なんだけど、そういう王道から外れた描写が輝くのは「そう、そう、これだよ、やっぱりこうくるよね!」って感じるお約束の展開があってこそなんだよね。
県予選大将戦オーラスの大明槓の時もキー牌は花びらを連想させる

さて、東3局での倍満和了を皮切りに咲さんの連続和了は続き、東4局にネリーから2600点を出和了った。そして、南1局。
















“野の百合を見よ… 労せず紡がざるなり
かつて栄華を極めたるソロモンだに――――その花の一片にしかざりき…!!”
かつて栄華を極めたるソロモンだに――――その花の一片にしかざりき…!!”
新約聖書 マタイによる福音書 6章28節-29節
原文を少し改変しているが、「野の花を見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。かつて栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾っていなかった。」と解釈するのが妥当かな。
原文には当然前後の文章があり、流れとしては「野の花は働きもせず、紡ぎもしないけれど、かつて栄華を極めたソロモンでさえただ一本の野の花の美しさにはおよばない。働きもせず、紡ぎもしない野に咲く花でさえ神はこのように装ってくださるのですから、あなたたちは思い悩まなくていい。神はあなたがたに必要なことをご存知であるから、まずは神を求めなさい。」と説いたものだが、作中では前後の文章が抜けているため、「かつて栄華を極めたソロモンでさえただ一本の野の花の美しさにはおよばない。」という意味で爽は引用したのだろう。
さて、南1局が終了し、咲さんの怒涛の嶺上開花によって、各校の点数状況は姫松:119700点(+8400点)、清澄:113800点(+25700点)、臨海:113200点(-57100点)、有珠山:53300点(+23000点)となり、清澄高校がここで勝ち抜け圏内の2位に浮上。文字通りの大混戦だが、ダンラスだった頃を思い出すとよくもここまで持ち直したと感動を覚えるね。もうこのまま連荘の「流れ」に乗って、姫松をまくって華麗に一位通過も現実味を帯びてきたね!...と思っていたのも束の間。

ネリーヴィルサラーゼ
後半戦南2局、ついにネリーが牙を向く。末原さんの分析によるとネリーの特徴は、「その局のツモが良いかどうかを最初から把握したように打っており、和了れない時は最初から守り打ち、ツモが良い時は最初からそれを知っているかのように手を作っている」というもの。なるほどね。部長が気にかけていた「不可解な振込」はやはり、自分に「波」が来ていない時は他家の手が高くなる前に振り込んで失点を抑えるという意図があったのか。東4局で咲さんに2600点を和了らせたのも、フリカムイの二撃目で高い手を目指していた爽の和了りを安手で流すためだったと。
そして、驚くべきは「波」を察知できるだけではなく、最大の「波」をどこにもってくるのかを調整できるところだ。そう、ここまでの「流れ」はすべてが想定通り。ネリーにとってはただの予定調和だったと。最初からこの卓はネリーの手のひらの上にあったと。ネリーが調整した「流れ」――決められた「運命」に向かって、大将戦は流れていたと。強すぎる。まさに「運命奏者」。ネリーの奏でる運命からは何人たりとも逃れることは出来ない...!














この状態からさらに、ツモるのが当然と言わんばかりに、




エルティ(1)
なんと、爽に三倍満を直撃。ドラ表示牌がわからないため、この形で三倍満となるためには、一通が付くことが条件(門清平和一通一盃口赤1)だから爽の捨てた牌は

いきなり飛び出した三倍満に臨海以外の3校が驚きの表情を見せるなか、爽の元に「クンネニシ(黒雲)」が戻ってきた。ラス親で青い雲と黒い雲のダブル使用で爽が追い上げを図るが、

オリ(2)















またしても、ネリーの奏でる運命からは抗えず、ネリーの三倍満ツモが炸裂。咲さんも末原さんも爽もただ、大将戦が終局へと流れていくのを見ていることしかできない。ネリーによる圧倒的な一人舞台である。

サミ(3)
そして、三度目の三倍満!!まさかの三連続三倍満和了!!!親の連荘でもなく、たった3局で72000点を掻っ攫っていくとは...。同卓者からしてみると悪夢を見ているような怒涛の展開で正直驚いた。そして、他校を全く寄せ付けないネリーの3連続和了によって、大将戦が終了!!!
順を追って、点数を計算してみると、結果は...。
ネリー・ヴィルサラーゼ(臨海):185200点(+14900点)
宮永咲(清澄):101800点(+13700点)
末原恭子(姫松):101700点(-9600点)
獅子原爽(有珠山):11300点(-19000点)
宮永咲(清澄):101800点(+13700点)
末原恭子(姫松):101700点(-9600点)
獅子原爽(有珠山):11300点(-19000点)
清澄が100点差で姫松をまくって、2着で勝ち抜け!!!!!!
清澄高校を応援している身としては、この結果はひとまず安堵という感じではあるのだけど、正直この展開は驚いたなぁ。後半にネリーが本領を発揮するとは思っていたけど、こうも一方的で三校が為す術もなく大将戦が終了するとはね。ラス親で親かぶりを受けたがために敗北した末原さんはさぞ悔しいだろうなぁ。咲さんの親番ではツモではなく爽が三倍満を直撃しているのも、清澄にとっては幸運だった。
これで、インターハイの団体戦もついには決勝の対決を残すのみとなった。準決勝を振り返ってみると色々とおもしろくて感慨深いね。
Aブロック準決勝の先鋒戦は絶対強者として猛威を振るった宮永照の連荘の「運命」を改変する物語だった。相手の能力を推し測り、絶対的な力でもって和了りを重ねる怪物に突き刺さった能力を超える一撃には思わず鳥肌が立った。対して、Bブロック準決勝の大将戦では、ネリーの奏でる「運命」に為す術もなく後塵を拝する咲さんが描かれる。この対比が面白い。準決勝ではネリーの予想を超えることは出来なかった。だからこそ、決勝に期待がかかる。どうやって、ネリーの奏でる「運命」を改変するのかと。あつらえたように決勝の大将戦は全員1年生というルーキーたちの対決が見れるのだからワクワクだよね。全国三千校の生徒たちが目指した決勝の舞台。解き放つオモイと 追い風がかさなる場所で4校がどんな対局を見せてくれるのか楽しみだ。
次回は、12/29発売号で掲載予定。YGには11周記念の立先生による千里山4コマもすばらでした!
まぁ逆にホヤウはここまで圧倒的なネリーや咲相手でも通じる辺り薄いながらも一応勝機はあったね(無能力で尚且つ超早和了りの末原さんが想定外の伏兵って所)
先鋒戦がどこまで荒れるのかも見ものだが、大将戦はネリー、咲、穏乃、淡と4者ともクセのあるキャラたちだからカオスな卓になりそうだ
>ネリーの奏でる「運命」に為す術もなく後塵を拝する咲さん......
「阿知賀編」は事実上準決勝がゴール地点だったというのもあり、2回戦で圧倒的な差をつけられた千里山に対するリベンジと王者・白糸台を乗り越えトップになる物語が準決勝に集約されていた。反面、団体戦における清澄のゴール地点は決勝戦であり、展開としては阿知賀の2回戦→準決勝と清澄の準決勝→決勝は似ているのかもしれない。もちろん清澄が優勝するとは限らないが。
おそらく前者なんだろうけどそんなの止めようもないな。管理人さんが指摘してるけども決勝は決められた運命を改変する展開になりそうだ
淡のダブリーや穏乃の深山幽谷はあくまで場を支配する異能力
一方、ネリーのは場どころか運命(天運)を味方につける異能力
規模や支配力が違いすぎる
咲でさえあやうく敗退しそうだった
しかも大将戦のラストにきてその力が明かされたところからもまだ手の内をすべて見せていない可能性が極めて高い
決勝はこれ以上にキチガイなほど強いと思う
やってるのは耐久戦だから強さが持続する大星とかとは不利になる気がするな。まあ決勝は大星以外に火力がやばいやつが揃ってないからネリーの有利に見えるけど
+15000なら多いほうだと思うけど。
和了ラッシュが始まる前まで-60000近くだったことを忘れてない?
それを考えればありえないくらい巻き返した。
ネリーの力はここ一番でとんでもない破壊力(トータルで考えると持続しているのと同じかそれ以上の破壊力)になるわけだしネリーがまだ力を隠していたらそれ以上に脅威になる。
三連続三倍満なんてふつうじゃありえない。
運命を調整できるならば、今回は終盤に運命を合わせてきたけど、波によっては序盤か中盤に合わせることもできるということ。
そうなってしまったら、+15000どころじゃなく爆稼ぎだよ。