(写真は借り物です。私のは前後ともスポイラーなし)
実はこの話を長編で書き上げ、いざ公開という時に、どうしたことか全てが消えてしまい茫然自失。
海沿いを走る通勤電車の中で書いているので、ところどころ電波状況が良くないのは分かっていたつもりだったのに、我ながら脇が甘かったようで…ようやく猛暑もひと段落したし、気を取り直して書き始めた次第。
さて、思っていたよりもハードだったシビックタイプR、使用予定が女房とぶつかるたびに面白くない思いをしていました。
主人たるもの、ストレスと戦いながら仕事に打ち込むには、やっぱり専用のクルマが必要と勝手に自分に言い聞かせ、カローラの新車価格で買える911を探し始めます。
73年までのナローに未練はあるものの100諭吉ほど不足。年式の新しい964ボディーは論外。
930ボディーだとSCの最終型にはもう乗ったし、87年式以降のG50ミッション車はまだ高価。
ということで、930の3.2リッターのカレラ、84〜86年式しか選択肢がありません。でも、どうせならボディーが強化された85年式以降が良いなぁ、できればダッシュボードの空気吹出口が大きくなった86年式、つまりポルシェシンクロの最終型。赤のSCは目立ってしょうがなかったから地味な色でスポイラーなしのを、と探し回ること数か月。
その頃、盛んになりつつあったインターネットの個人売買で関東に紺色の個体をようやく見つけ、早朝発深夜帰着の日帰り東京ディズニーランド®︎格安ツアーに申し込み、日中の旅程をキャンセルして常磐線に飛び乗り、茨城の牛久まで引き取りに行きました。
ほぼ1年ぶりの911。水平対向エンジン独特の鼓動、ポルシェシンクロのクニュッとした感触、クセのあるペダル類…その全てが懐かしく、しっくりとすぐに馴染めるんです。
フロアに軽い修復歴があるため、ミツワの認定中古車にはなれなかったというこのカレラ、シートのほつれは純正の生地で補修済みで、クランクケースにはオイルの滲みすらなく、過去の丁寧な扱いが偲ばれました。
ノーマルと異なるのは、ホイールが本来この年式ではリヤ用の7Jをフロントに履かせ、リヤに89年式用の8Jを履かせてあることと、ナカミチのヘッドユニットとJBLのスピーカーでまとめられたオーディオくらい。タイヤサイズはオリジナルのままというのも好感が持てました。
大洗港に乗り付け、フェリーで無人車航送。私は羽田から飛行機で。
後日、苫小牧港のターミナルまで迎えに行ったはずなのに、記憶がありません。
よほど忙しかったんでしょうなぁ…
このカレラでは、実にいろんな所へ一人旅を楽しみました。大好きなビートルズや古い洋楽を聴きながら…
台風くずれの暴風雨の中、目の前で土砂崩れが発生して80キロも後戻りしたことや、スタッドレスと冬用のワイパーブレードで冬もガンガン乗り回したり、クルマ仲間のキャンプで試乗会をやったり、完全に実用車として使い倒したつもりです。
SCと3年しか違わないのに、ヨークからデンソーに替わったコンプレッサーと大きくなった吹出口のおかげで不自由なくクーラーは効くし、高回転域の軽さはSCに一歩譲るものの、下の方からより力強く、かつ経済的になったフラット6。
そんなクルマが新車のカローラSEサルーンの値段で買えたのですから、本当に良い時代でした。
さて、カレラが家に来た翌年、私は東京へと転勤になりました。
転居先のマンションには駐車場がなかったため自宅車庫に残して行ったのですが、近所のマンション地下に格好の賃貸物件を見つけ、転勤半年後にはフェリーで連れて行くことに。
女房の助手席を前方にスライドさせ、まだ小4と幼稚園の年長さんだった娘ふたりをリヤシートにはめ込んで、家族4人でけっこう走り回りましたね。
三軒茶屋のホコテンの道に迷い込んだり、色々ありましたが。
そんな東京での札幌ナンバー911生活も娘たちの急激な成長とともに、「パパのクルマは狭い、うるさい、くさい、暑い」という声で終わりを迎えることとなります。
こんにちは。
この当時の激務とクルマを自由に使えないストレス感が伝わってきます。
ポルシェに戻したのもその揺り戻しのような感じですね。
ポルシェは何度か運転したことがありますが、それが何だったのか、そして運転したフィーリングやらなんか記憶にありません。
東京に持ってこられていたんですね。あの界隈ではさぞ目立ったことでしょう。
ところでビートルズのアルバムの中で何が一番すきですか?
自分は「Rubber Soul」です。ビートルズの中で一番中庸な気がするんです。
コメントありがとうございました。
そうですねぇ、なんだかんだ言ってもあの頃は仕事人間だったのでしょう。
父の日に娘たちから『もっとパパと遊びタイ』なるネクタイを贈られたのを思い出します。
かつてボディーの小さかったポルシェ911は、"乗るというより着る感じ"と称されるほど、馴染みやすいクルマだったそうです。
熊猫さんもチョイ乗りじゃなくロングドライブに連れ出したら、その辺をきっと体感できたはず。
手が届くうちに空冷を3台乗っておいて、私は本当にラッキーでした。
ビートルズ、一番好きなアルバムは『ヘルプ!』かな?
初期から中期のものが好きです。髪や髭が長くなってからのものや、インド音楽っぽいのは苦手。
やっぱり『ラバーソウル』辺りまでかなぁ…でも、その後にも好きな曲はありますよ、"レイン"とか…