のヮの@no05071730


五十路男の独り言集。
乱筆乱文はご容赦ください。

黒い砂漠日記掌話

2021年09月12日 23時41分02秒 | ゲーム

 

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ガゼルの狩り。長らくためらいながら続けていた。そしていつの間にか、依頼された数の残りがあと一頭までになっていた。しかし、ガゼルはなかなかに硬いくせにすばしっこくて私の攻撃をすり抜けて逃げていってしまう。

ガゼルの群れの中に入り狙いを定めた一頭を追い、しかし逃げられて別の一頭に追いすがる。幾度となくそれを繰り返すがなかなか狩りきれない。草むらに、木の陰に、藪の中に、果ては岩場の向こうに軽々と身を躍らせる。

そうした騒ぎを快く思わなかったのだろう。羽根オオカミが、ロアヘビが、黒豹が、カーマスリビアヒグマが、一斉に私めがけて襲ってくる。

近くにいた密猟者たちも、騒ぎを起こした私に銃を向けてきた。他の動物たちはともかく、密猟者には容赦しない。むしろ奴らが近くにいるなら、まず奴らから片付ける。

密猟者が仕留めた動物たちの行き先は、どうせカルフェオンの貴族たちを喜ばせるものに使われるのだろう。漠然とそう思っていたから、ジェーリモのこの依頼を進めることに躊躇していたのだ。しかし、私は冒険者だ。受けた依頼をできる限りこなすのが、冒険者としての使命であり矜持であるはずだ。

まあ、やっていることは私と密猟者たちとで違いはないし、結局のところ、それで糧を得られるのだ。しょせん、私の一方的な同族嫌悪でしかない。

群がってきた獣たちをあらかた一掃したあと、依頼達成の証であるガゼルの角を切り落とし、文字通り高みの見物をしているであろうジェーリモのもとに運んだ。

結局報酬は、金塊10Gだった。

 

 

 

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砂漠の外れに、ムイクンという場所がある。

妙に排他的で誰もが疑り深い目をしていた。しかし、一歩中へ入ると、活気と言えるほどのものはないが、商店や倉庫など、経済活動の基盤は一通り備わっていて、そこにいる人々は何の不自由もなく暮らしているらしい。

だが私の姿を認めた途端、誰もが口をつぐみ、眉をひそめてしかし目を合わせないようにしていた。

商人の類いは誰も口をきいてくれなかった。村人の何人かは私の問いに答えてくれはしたが、やはりどこか落ち着きがなく、そわそわしていた。

気が荒そうな体の大きい人が、私のことを追い立て始めた。どうにもよそ者が気に食わないようだ。

私は両手を挙げて敵意のないことを示し、早足に来た道を戻り、照りつける砂漠の太陽を仰ぎ見て、大きくため息をついた。

どうやらムイクンは、後ろめたい人間が集まる場所らしい。風の噂では、人を殺すことにさほどためらいのないような輩が多いようだ。

よほどのことがない限り、ここには来なくて正解だろう。

 

 

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はい、黒い砂漠日記です。

 

生存報告がてら掌話です(´・ω・`)

 



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