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いのちに対するメッセージ

2019-12-28 | 日記
デニ・ムクウェゲ氏という人をご存じでしょうか?

コンゴ民主共和国(旧ザイール)の婦人科医で、長年、性暴力被害者の治療に携わってきた人で
2018年、ノーベル平和賞を受賞。これまで4万人の女性の治療が認められたとのこと。

ムクウェゲ氏は、弱者を踏みにじる行為は相手を思いやることができないからであり、平和な時に相手も自分と同じく
大切な存在であることを教えなければならないと発言していました。

どのようにすれば、相手を尊い存在と思えるのだろうか。
自分と違う価値観の人、自分より弱い存在の人を尊重し思いやる心は、結局、自分と向き合えない人は
真に人を大切に思うことはできないのです。
自分の利害や欲など、そういうものに負け、弱者を踏みにじることを何とも思わなくなってしまうところまで
してしまうのが人間です。

相手も同じ人間であり、尊いいのちと思うことができるだろうか。少なくとも私は、
神様が一人ひとりをオリジナルにかけがえのない存在として生かしているとそう信じられる時にこそ、
相手を思い、赦し、愛して行けると、心底実感しています。



もう一つ、このムクウェゲ氏の言葉で印象深く残ったのは、被害女性は治療を受けて、
家庭や社会に戻っていくのですが、そこで多くの女性が「リーダー的存在」として戻るのだということを聞き、
この言葉に常識的に「驚く」という反応をした。
なぜ、、、心にトラウマ的な深刻な被害を受けた人が、人々に影響を与えるリーダー的な存在として
回復することができるのかと。

具体的にどのようにして変えられていくかというところをもう少し聞きたかったのだが、
少なくとも、過去が消え去るということではなく、新たな力によって変わることだと言っておられた。

考えさせられることが多き人であった。

番組では、ムクウェゲ氏が最後に広島を訪れ、戦争の爪痕を見て回るなかで、原爆で地上の木は失い、
根だけが残った木であったのだが、見事に回復し、枝も葉も豊かで、立派な木を見、
どんな状況であっても「希望」があるのだとメッセージを受け取っていた。

私の根っこは何だろう。 
あなたの根っこは何か。あなたが行き詰った時、躓き倒れたとき、立ち上がることのできない状況で、あなたを回復させ、
真に希望をもたせることができるものなのだろうか。一年の終わりと、新たな一年を迎えるにあたって、
考える価値があることだと私は思う。ムクウェゲ氏のように、「沈黙ではなく、弱者と生きるために何ができるだろうか?」








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