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何かと忙しい40男
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初めて村上春樹を読んだ・・・その2(ネタバレ注意)

2013年07月11日 | 本、CD、DVD、レコード
前回に続いて村上春樹新作の感想その2です

今回はちょっと抽象的な印象と作品構成について。

全体を総じて感じたメッセージは’人間関係はもろく、人間も弱い存在だから愛する人を大切に’という、人類愛、もしくは、大震災に影響されたか、’絆の大切さ’みたいなものを感じ取った

前半は高校時代の仲間の結束さや良好な人間関係と、その崩壊を描き、後半ではその崩壊の解明と’これから’についての自分(の愛)探し、という面を描いている
簡単に言えばそのようなストーリーであるが、その間に大学時代の交友、その友達の父親の話、恋人沙羅との関係、仲間との再会・・・等が描かれている。
ただ全体を通して、それぞれが密接に関係していることはあまりなく、断片的な話の展開で内容に引き込まれることもない上、ストーリー展開上で後で読み返すこともない

ここでよくわからないのは大学時代の友達、「灰田」の存在だが、彼はこのストーリーに取り立てて大きな役割があるわけではなく、ただ単につくるの精神的な穴埋め的存在また、小さな人間関係サイクルの一存在となっていて、あまり大きな意味を持っていない。これはただ単に、作品を膨らませるための肉付け的な役割なのかもしれない。
灰田の父親の話など、つくるが後で思い出す場面があっても、ストーリーの上は全く関係ないと言っても過言ではない。
また、最後の方に出てくる新宿駅の情景描写だが、これも重要な意味があるわけではなく単に村上春樹自身が新宿駅で観察したそのままを書いたんじゃないか?と思えるほど、具体的だが無意味である。多崎つくるの安らぎの手段や心の落着きを表現したのかもしれないが、正直よくわからない。
それとも、外国人読者が日本(の駅)に対する興味や好奇心の喚起を狙ったか?

結局、平易な文面で短編小説なのにもかかわらず全部読むまで一か月以上かかってしまったのは、それだけつまらなかった、という一語に尽きる
全然期待しなかった私がつまらなかった、と言うのだから、期待した村上ファンはさぞかしがっかりしたのだろう、と想像するゾ

こういう作品でも、映画化とかされるのだろうか?


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