【空海と量子力学】
空海が『声字実相義(しょうじじっそうぎ)』の中で述べた言葉で、「五大は皆な響き有り、十界に言語を具す、六塵は悉く文字なり」というそれは、直観的に「量子力学」を連想してしまった。量子力学というと、なにやら小難しい数式もあって、とっつきにくいのですが、ざっくりと解釈すると「この世はすべて波動(振動)」から成り立っているという説。
この言葉は、宇宙と人間の存在が「響き(音)」「言語(言葉)」「文字(表現)」として深く結びついているという思想を表現しており、とくに「五大は皆な響き有り」という「五大」ですが、それは「地・水・火・風・空」を指すのですが、要は「森羅万象」の世界のこと。
注目するのは「皆な響きあり」。これは物理的な音や振動だけでなく、宇宙全体の根本的なエネルギーや波動を表現しており、象徴している言葉だと思われます。
量子力学では、物質やエネルギーは波動として捉えられます。この波動が干渉し合い、物理的な現象を生み出します。要は、すべての物質やエネルギーが振動し、相互作用している様子が表現されているということです。
また「十界に言語を具す」という「十界」ですが、仏教の世界観で、地獄界から仏界までの10の精神的・存在的な次元を指し、「言語を具す」というその言語は、「音声」という波動であり振動です。
これが世界(十界)に内在しているということになり、量子力学が示す多次元的(十界)な可能性や重ね合わせの状態に類似しています。
そして「 六塵は悉く文字なり」の「六塵」とは、感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を通して認識される対象(色、声、香、味、触、法)を指します。
さらに「文字」とは、量子力学でいう「情報」の表現にも似た考え方で、感覚的に見える現象が実際には根本的な振動や波動を象徴しているというように読み取れます。
このように空海の言葉は、宇宙や人間が「響き」「言葉」「文字」として表現される調和的な存在であること、現代の量子力学でいう「すべては波動(振動)」という考え方と共鳴しているのではないでしょうか。
※典比古
🔶延喜式内社 宇都母知神社ホームページ | 宇都母知神社は、神奈川県藤沢市打戻に鎮座する神社で、延長5年の『延喜式神名帳』に記載されている相模国の延喜式内社十三社の内の一社です。
本日【新嘗祭】としての収穫祭がございます。24日(日)12時~
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