「でんしゃがきた」
竹下文子・作 鈴木まもる・絵
偕成社 32p 1000円+税
2013年9月18日発売
かん かん かん かん……でんしゃが きた。
ふみきりに。てっきょうに。
たんぼの むこうに。 うみべの えきに。
ちいさい でんしゃが とことこ。
とっきゅうが びゅわー!
いろんな ところに いろんな でんしゃが やってきます。
どこに いくのかな? だれが のるのかな……?
(カバーソデより)
(裏表紙)
(とびら)
p.2-3
p.4-5
p.5-6
p.14-15
<制作ノート>
こののりもの絵本シリーズは、テリトリーの整備や拡大といった、
男の子が持つ本能的な欲求に支えられているせいで、
男の子が持つ本能的な欲求に支えられているせいで、
おかげさまでポツポツと数を増やしています。
だいぶ前から編集のMさんに
「電車もやりましょう」と言われていました。
でも、電車は地域性が強く、たとえば九州地方の電車は、
関東以北の人にはなじみがないとか、
型式がよく変わるので、新型車両もすぐ”古い”となってしまう……とか。
新幹線のように誰でも知っているのに乗って、どこかに行くというのだと、
車内ばかりの風景で(これはこれでおもしろいと思うけど、
やはり外観が見たいという読者のほうが多い)ちょっと……とか……で、
今までいくつもフミコさんといろいろ案を検討したのですが、
やはり外観が見たいという読者のほうが多い)ちょっと……とか……で、
今までいくつもフミコさんといろいろ案を検討したのですが、
なかなか形になりませんでした。
が、今回フミコさんが
「でんしゃがきた」という言葉をキーワードにして
その時々の場所での電車と人の暮らしを描くという新たな視点を発見!(えらい!すごい!)
この形になりました。
これなら地域性もあって良いし、古い新しいも関係なく、
そもそも”電車とは何か”という普遍的なものを感じる本になったと思います。
要は、人の暮らしがあり、その必要性で電車があるということで、
開かずの踏切りのような下町的な場面もあるし、
会社員の人が数百人も描いてある山手線ホームの場面、
もちろん新型新幹線もあるし、
里山をのどかに走る単線の風景もあります。
(実在の路線&電車をモデルにしましたが、風景は絵として
微妙に変えて描いてあります)
ただ電車を並べるのではなく、
そこに暮らす多様な人たちの、多様な暮らしを感じてもらえればと思い描きました。
そして、(だから)最後の場面は三陸鉄道になりました。
昨年夏、このために八戸から宮古まで取材に行きました。
基礎だけが残ったさら地や新しいお墓など、
津波で流された地域を見ていろいろ感じました。
どんな状況になっても、元気に生きていく人間の強さと、
だからそのために電車が走るし、それを支える人たちがいるという、
人の暮らしと電車という本来の姿が描けたと思っています。
是非ご一読ください。
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でんしゃが きた (のりものおはなし絵本) |
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偕成社 2013年 |