8日の仙台ロフトでのカイダサイン会のあと、石巻に泊まりました。
被災地の取材をして、石の森萬画美術館、石の森萬画記念館と御挨拶に伺いました。
津波に襲われた地区の惨さは言葉を失うばかりでした。
基礎だけになった荒れ地のあちこちに花束が置かれ線香が焚かれている。
小さなお地蔵様の像が沢山置かれている。
真新しい墓石がギッシリ建った墓地にも沢山のお地蔵様。
お地蔵さまは弱い者を守護する仏様。
私たちが見た地区だけで二千人以上の方が亡くなったと聞きました。
でも、仙台も石巻も暗く悲しいだけではありませんでした。
石の森美術館に館長さんも、最近、人々の気持ちが「楽しみたい!」「ワクワクしたい!」ということに積極的になっているようだと。
以前は東北はキャラクター系やオタク系のイベントは人が集まらないと聞いていましたが、震災後の気持ちの変化がカイダの展覧会への集客にも繋がっているような気がします。
仙台ロフトの会場でも、とにかく、絵を見ているお客さんがニコニコうれしそうで、声に出して感想と言い合ったり歓声を上げたり温かい感じなのです。
サイン会に来て下さったお客様もみなさん大喜びして下さって、カイダも私も感激でした。
今後は出来る限り積極的に、東北地方でのイベント企画をすすめてもらうつもりです。
草津温泉に遅い夏休み旅行しました。
草津は10年振りぐらいだったんだけど、町の様子がすごく変わっていて驚いた。
湯畑を中心に道路の整備や素敵なデザインの街灯や手すり、ベンチを作って環境整備していたのは10年前すでに始められていたんだけど、それが徹底してきていて店舗の外観も木造か木造風に統一され、ギラギラしたネオンサインや看板は無くなっている。
路地裏のスナックやバーに残っている程度。
パチンコ屋の表も木の壁面で派手なポスターの掲示も最小限、コンビニも茶系統の色使いの外観。
以前は沢山あった量産品のお土産を大量に売る店(3個買うと半額!とか)は無くなって、一品目(箸、和小物、ティディベアグッズ、フクロウグッズ、ハチミツなど)の専門店っぽい店がすごく増えてる。
町に何軒もあるソフトクリーム店、看板になっている味が全部違う。
温泉卵、抹茶、ハチミツ、フルーツなど。味がかぶらないように相談して店を出しているのかな。
風呂にはいると身体が火照ってアイスを食べたくなるけど、味が違うとついつい味見したくなって食べちゃうよね。
昔は浅草ロック座系列のストリップ小屋があったんだけど無くなっていた。
風俗店っぽい店も消滅。夜、街角で客を引いていた東南アジア系の立ちんぼもいなくなっていた。
夜は毎晩、湯揉みショーの舞台を使って芸協の二つ目さんが出る温泉落語をやっているんだけど、これがなかなかの入り。
毎晩30~50人ぐらい入るって。
私たちが見に行った晩は、半分以上がはじめて落語を聞くというお客さんだった。
落語の普及にもいい興業ね。
夜でも健全な娯楽を提供して町に賑わいを作ったために、怪しいビジネスはやりづらくなったのかもね。
ご当地キャラのゆもみちゃん、午前と午後1回づつ湯畑に出てくるみたい。
動きやしぐさが可愛く上手いのは今どき当然かもしれないけど、色紙を差し出されたら、サラサラ~っとすごく可愛い萌え自画像を描いたのには驚いた!
あのもこもこもの手でサインペン握って、アレだけ描けるのはすごい!
何より驚いたのは、平日でもワンワンお客さんがいて、そのほとんどが若い人のグループやカップルだったこと。
おばさんグループも結構いたけど、若者が圧倒的に多い。
あんなに大量の若者見たの、久々な気が……。
で、その若者たちが、足湯や共同浴場のお湯を楽しんで「ヤバイ気持ちいい~」「湯気すごくない~?」と喜んでる。
温泉は老人の趣味というのは昔のことなのねえ。
そういえば不思議だったのは、お客さんいっぱいなのに外人は少なかった。
中国人の団体が1,2組と白人のグループが少し居たぐらい。
最近の観光地は中国人客頼りと聞くけど、草津はそうでもないのかな?
湯畑近くの何でも屋の片隅にある本屋は規模縮小して書籍はほんの少しに。
これは御時勢でしょうがないのかなあ。
私は草津温泉に温泉に合う文庫本だけを置く古本屋を出店する下見ごっこで、町を眺めて楽しみました。
「ここは間口が広すぎて奥行きが浅すぎる」「ここは場所が悪い」とか。
どういう本を置こうとか、本以外には猫柄のタオルや足袋靴下、スパバッグを置こうとか、妄想したりして。
なかなか楽しい遊びです。お試し下さい。
草津温泉に注文するとしたら、LTEにして欲しいのと、旅館の部屋の照明が青白い蛍光灯なのを少し昼光色のを混ぜて安らぐ感じにして欲しいぐらいかなあ。
あと、濃い美味しいストレート紅茶が飲める店があるといいんだけど。
二軒で紅茶飲んだけど、どちらも薄めだったので。
14日、15日と神戸と岡山に行ってきました。
神戸では大河原邦夫展を鑑賞。
とても素晴らしい作品ばかりの展示だったけど、もっとボリュームがあっても良かったなあ。
大河原邦夫の作品を見せるのか、メカデザインの歴史を見せるのか、ちょっと趣旨が統一されてない感じも受けた。
完全に大河原先生の作品だけに絞っても良かったんじゃないかなあ。
もちろん、改めて日本のメカキャラクターデザインの歴史を俯瞰する展覧会をきちんとやるべきだと思う。
大河原先生、最初からめっちゃ上手いんだけど、時系列順に並べてあると、ちゃんと上達し続けてるのがよくわかって、凄いなあと思った。
展示はセッティングの位置が高すぎるように感じたんだけど……。
お子さんや車椅子の方は見にくかったんじゃないかなあ。
15日は岡山で、夏に開催される「二次元VS日本刀展」の打ち合わせ。
カイダとコラボする赤松太郎兼光刀匠とお目にかかり、展示会場となる備前長船刀剣博物館を下見しました。
赤松刀匠は代々続く刀鍛冶の家系の十代目。
弟さんは研ぎ師で親戚みんな刀関係の職業だって。
がっしりと逞しい大きな体で彫りの深いイケメン!
まるで漫画とかラノベの設定みたいな人だったなあ。
つーか、キンメリア人みたいなルックスで、ファンタジー描く人ならモデルに使いたくなると思う。
カイダも刀を持って構えてもらい、資料写真を撮りまくりましたよ。
博物館の館長室をお借りして打ち合わせ。
赤松刀匠が参考として、自作の三振りの刀を持ってきて下さり、それがそれぞれに素晴らしかった!
特に直刃の刀はあまりに透明感のある美しい輝きで、まるで結晶でできているように見えた。
日本刀というよりファンタジーのアイテムみたい。エルフの王子様の武器とか。
シンプルな刃の刃文が燐光を帯びているように見える。
平安の遺風を残す鎌倉時代の様式とのこと。
骨董的な日本刀は博物館や美術館の展示や知人のコレクションなどで見たことがあったけど、腕のよい刀匠の打った新作刀を間近で鑑賞するのは、ほぼはじめて。
これほど美しく迫力のある物とは、正直びっくりして圧倒された。
夏の展覧会用に作る作品については、カイダと木村刀匠がお互いにイメージを提示しアイデアを出し合って打ち合わせた。
赤松刀匠はかなりキッチリ自分のイメージを持っていらっしゃる方で、カイダと面白いケミストリーが発生しそうで楽しみだ。
でも、カイダが「こんな感じで、こういうことがしたいんですが……」と作品イメージ説明したら、その場にいた刀匠さん、学芸員さんがドン引き。硬直。
「そんなこと、聞いたこと無い」
「できないことはないだろうけど……やっていいことなのかどうか」
「はっきりいうと抵抗感があるが……そんなことをやろうと思う人は今までいなかったわけだし……」
押して、「やってみたい!」とカイダが主張したら、世話人的な刀匠さんがその場で携帯をかけ始め、カイダの希望に叶う技術を持った職人さんを探し始めた。
うーわー……。
どうなることか、夏をお楽しみに!
丁度、備前長船刀剣博物館では「日光二荒山神社 宝刀展」を開催中。
ガッツリ実戦で使われた棟に欠けのある猛々しい刀、巨人が使うんか!というような巨大な刀、荒々しい大薙刀など、素晴らしいお宝な刀を学芸員さんの解説付で鑑賞させていただき、大満足!
刀って奥が深く、様々な魅力があるんだなあ!
博物館は広々とした作りで、刀を作る様々な技術を見せてくれる実演コーナーが併設されている。
もちろん、実演している人は本物、腕利きの方ばかり。
じっくり見てお話を詳しく聞いたら1日かかっちゃうだろうなあ。
それぐらい充実した施設でした。
ちなみに可愛い猫ちゃんもいます。
9月にはカイダと赤松刀匠の対談トークも企画されてますよん。
二次元VS日本刀展
http://2d-vs-katana.jp/
お楽しみに!