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ねここねこの家

写真ありで我が家の出来事、
主人と、猫ちゃんず(×3)の普段の様子
思いのままのブログ日記♪

Canaries 〜心の囀り〜 12話 「「戸惑いの淵」」

2020-08-29 19:24:48 | 小説

12話 「戸惑いの淵」

 

「この場所ってノクスの中でも、ひときわ綺麗!」

 

サラの言葉にカルロは黙っていた。

姉のことでまだ不安定なはず。

まだ16歳のカルロにも、姉であるセセリナがした行動は納得ができない。

 

それと同時にサラの不安定さも分かった。

アイザックは本当にサラのことを想っているのに…

乱しているのは、ザメフィス。

分かっていて出だしができないのが、なおさらやるせない…

 

カルロはザメフィスのことを少しだけしか知らなかった。

あの出来事までは。

 

「カルロ…ここまで来れたらセセリナを助けてやろう」

 

サラが初めてアイザックと会った頃だった。

カルロは無視をして、様子を見ようとしていた。

そもそも声の主を知らない。

 

「カルロ…この世界は崩れるぞ」

 

その時黒い存在があり、地響きに続き、何人かが地面に飲み込まれた。

ノクスは綺麗な姿から一瞬のうちに、草原の青さを一部残して暗くなった。

家族で逃げ延び、アイザックに助けられた。

 

「何でなの?ここだけ草原が残っているの?」

 

カルロの質問にアイザックは答えた。

 

「サラの気持ちが残している。助けているんだよ」

 

カルロは質問する。

 

「サラって誰?ノクスはどうなるの?」

 

アイザックは答えた。

 

「みんなでサラを守ろう。君も、姉さんも、ラトも…」

 

ラトが話し始めた。

 

「別の世界の人間のために、勝手に想いを寄せている相手をみんなで守るのか?」

 

カルロが言った。

 

「アイザックが想っているとか関係ないよ。守ろう!」

 

ラトは言った。

 

「自己満足に付き合うのはごめんだよ。勝手にしててくれ」

 

ラトはそれきり姿を見せなかった。

サラの目の前に現れるまでは。

 

アイザックがカルロに告げた。

 

「戸惑いを見せるとザメフィスの思うがまま。気をつけていくんだ」

 

カルロは聞いた。

 

「ザメフィス…?」

 

アイザックが答える。

 

「戸惑いの悪魔。存在だけで実在しない」

 

カルロは淵にいたことを知った。

あのまま姉を守ったら、おそらく自分はもういないだろう。

選択肢を迫られた人たちが飲み込まれたんだ…

 

「ねぇ、カルロ!この場所って昔からあるの?」

 

カルロが我に返って答える。

 

「サラさんの作った場所だよ」

 

サラが不思議そうにカルロの元にきた。

 

「どういうこと?」

 

カルロは一言。

 

「アイザックを信じて」

 

サラはドキッとしながら、笑顔で答える。

 

「…信じているから大丈夫。私負けず嫌いなの」

 

サラの言葉にカルロは安心しつつ、姉の行動が気になった。

何かあったらサラを守らないと。

元はこの場所は飲み込まれた人たちの場所。

 

今は綺麗になっている。

サラの力。

戸惑った時この淵に立ったら、この場所に来ると良いと告げてその場を去った。

 


久しぶりの「小説」を今夜にも^^;

2020-08-28 11:24:23 | 日記

すごく間隔が空いていますが…

今夜でも「Canaries 〜心の囀り〜」の12話目を載せます

忘れてしまっている方は、見直しをよろしく願いいたします

では後ほど


Canaries 〜心の囀り〜 第11話 「セセリナの想い」

2020-08-04 12:36:09 | 小説

第11話 「セセリナの想い」

 

「アイザック…サラは本当に必要な存在?守るべきなの?分からないわ…」

 

セセリナがアイザックに話す。

 

「サラは俺たちを助けてくれる。いずれね。それに大切な存在だよ」

 

アイザックの言葉にムッとするセセリナ。

 

「ザメフィスはおとなしかった。でもサラと同時に現れたのに?それって邪魔な存在だからじゃない?守るべきなのは違うんじゃ…」

 

アイザックは真剣に答える。

 

「セセリナがそんなことを言ってはいけない」

 

納得したようで怒ってその場を去る。

 

「知っているよサラ。そこにいるね?」

 

クスッと笑いながらアイザックが言うと、サラが現れる。

同時だった。

黒い存在も同時に現れ、2人の間を遮る。

 

「お前は…」

 

アイザックが言いかけると、サラも例の存在と違うことに気づく。

 

「私が邪魔なら言えばいいじゃない!あんたラトね!」

 

いきなりアイザックと離され、その時セセリナがアイザックと一緒にいるのを見た。

 

「こっちへ来なよサラ。抱きしめてあげるさ。強くね」

 

上半身裸でラトが答える。

サラはアイザックが気になった。

 

「見てごらん。あれが本当のアイザックだよ。セセリナと一緒に戯れている」

 

目の前に見えていたのは、アイザックがセセリナと寝転んでいた。

まるで恋人のように。

サラに不安が現れた時だった。

 

「俺はあんな裏切りはしない。サラを守る。こうやって…」

 

ラトがいきなりサラを抱きしめる。

サラが離そうともがくが、力で勝てない。

 

「やめろ!ラト!サラ…あれは幻だ!」

 

見知らぬ10代後半らしい男性がラトに体当たりをした。

 

「ふ…」

 

ラトが消えて、助けてくれた人だけ残る。

 

「あなた誰?」

 

サラの質問に息を切らしながら答える。

 

「セセリナの弟カルロ。あの幻影はラトが出しているんじゃない!」

 

サラが驚いて事情を聞く。

 

「姉はね、アイザックが好きなんだよ。惑わしのラトを使っているのは…」

 

サラが言う。

 

「セセリナの表した幻影なの??」

 

「バカな姉だよ。気をつけた方が良いね。サラさん」

 

サラはラトに抱きしめられて強さを感じただけではなく、セセリナがアイザックを好きなことにショックを受けた。

 


忘れていませんか^^;

2020-08-03 09:42:39 | 日記

決して忘れていたわけではありません

小説の10話を覚えていますでしょうか

本日、11話を夜に載せますのでご覧ください(^-^)

お時間がかかりすみません

長〜い目で見守ってください