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ねここねこの家

写真ありで我が家の出来事、
主人と、猫ちゃんず(×3)の普段の様子
思いのままのブログ日記♪

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 41話 「守るために」

2019-09-29 10:44:06 | 小説

41話 「守るために」


ジャイワナーゾに向かって守里とベラーナが向かおうとすると、後方から攻撃があった。


「まだ戦力があるのかよ!」


撃ってきているのはミサイルのようだった。

ジャイワナーゾの後ろに大きな戦艦がありそこから攻撃をしている。


「守里!あいつは俺が引きつけておく!」


ベラーナ言うと同時にララ機は守里にドッキングした。


「セイナが乗っている!気を付けて引きつけておいてくれ!」


叫ぶと同時に大きな戦艦の後方が開いた。

守里がスクリーンを見ると、セイナの姿があった。


マイールに促されてセイナは後方にきていた。

マイールは話し出した。


「本来ならね。アベルトがしたことを知っているから殺したいところさ。でもマーズの鉱石が手に入ったら技術が必要になる。君の…」


セイナは落ち着いて黙って聞いていると、話は続く。


「でもね。アベルトは技術ならDがいるから殺せって言うんだよ。どうなりたい?」


無表情に聞いてくる中にも優しさが見えて、セイナは動揺した。

すぐにキリッとした表情になり、セイナは答えた。


「剣が助けてくれるから生きる」


マイールは嬉しそうに答えた。


「死にたい人間を殺したくない。俺はアベルトの考えについていけない。君を助けよう」


意外な答えに戦艦が動き出すと、Dが現れて言った。


「なぜ進路を変えたんです?その少女は殺すように…」


まで言うと目の前でDが銃口を構えた。

マイールの方が瞬間的に早かった。


マイールはDを撃ったあと、セイナが駆け寄った。


「剣の…だ、大丈夫ですか?なんで…」


Dは静かに答えたがセイナにしか聞こえないような言葉だった。


「アベルトを助ける…気は…しない…こうなることが…剣に…してやること…」


自殺行為に近いことをしたDの心臓近くから血が流れている。

セイナは涙を堪えられず、涙を流した。


Dが、守里の父親の息が絶えた瞬間だった。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 40話 「再会と出撃」

2019-09-28 16:02:47 | 小説

40話 「再会と出撃」


ゲンナ号へ急いで戻る守里と、護衛のため外で飛んでいるベラーナ機。


麻生は待っていたかのように言った。


「すぐ改造じゃ。取り付けるのは二人乗り用のコックピットの部分。これは簡単に取り付けられる。あとはアサルトの強化、こっちもすぐじゃ。ララ機にはパワークロノスは乗せてあるから30分凌いでくれ」


守里がお礼を言おうとするが、構わないと笑い麻生は急いで取りかかる。

トキノと一緒だったが、聞いてみた。


「あの無線は本物?だったら…」


まで話すとカンナが現れて言った。


「あれ?私よ。トキノ!麻生さんと急いで!」


カンナとセイナは事前に、無線でトキノに聞かれることもあると予期していた。

セイナはトキノを完成させた話は本当だったことが分かる。


「トキノの声を改造したの。リリアンとね」


カンナが話すと、ベラーナが1人で戦っている様子があった。

ララは急いで腕まくりをして言った。


「ゲンナ号とララ機で応戦してやるわよ!」


倉庫の場所で守里の目の前に小林と鏡俊一、安藤成の姿があって嬉しさが込み上げてきた。

鏡が驚きつつ涙を拭くと、安藤は涙を拭きながら言った。


「一刻を争うんだろ?あと少しなら準備整えてセイナってのを取り戻さないと!奪われて困るのもあるんじゃん?」


守里も涙目になったものの、詳しくはまた聞けると思うと同時に麻生がOKと手で示した。


「Gビャクヤ発進!」


鏡と安藤は、目の前の光景に驚いている。

ゲンナ号が近づいてきたときも同じだったが、さらに迫力が増していた。


「剣!ザンラは倒した!2機は俺が!1機は驚け!ララ機がだぜ?」


ベラーナの声がした。

ララの声もして言った。


「だって!あたしだってやんないとセイナが危険じゃん!」


照れたように、怖さのあるように、でも夢中で倒した感じが伝わってくる。

ベラーナに強化された武器、アサルトを渡す守里。

ララ機はパワークロノスを取りにゲンナ号に戻る。


ロロナが言った。


「ジャイワナーゾがいる」


それと同時に凄い速さで近づいてくるジャイワナーゾは、周波数を合わせるように手で示す。


ここまできたら秘密がどうとかじゃない。

Gビャクヤとベラーナ機は周波数を合わせた。


「逃げることないじゃん!戦うって言ったの君だよ?守里剣君?」


嬉しそうに話すジャイワナーゾのカイリの声だったが、守里とベラーナは真剣だった。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 39話 「マイール艦」

2019-09-28 11:18:44 | 小説

39話 「マイール艦」


「缶バッチには、友達が書いた『勇気』の言葉しかない」


守里は賭けに出るように答えると、マイールは意外にあっさり答えた。


「良い言葉だな。『勇気』とは」


拍子抜けしそうな、でも緊張していた守里とベラーナが顔を見合わせるとさらに話し出した。


「これなら何も言えないだろう」


無線からトキノの声がしたが、らしくない返事だった。


「旅を邪魔してはいけない。戦いが始まるから。教会の近くにある」


ふっと微笑みながらマイールは言った。


「セイナ・凛、解読をしてもらおうか?」


守里はトキノがシロハタ・カンパニーの人工知能で完成させたのがセイナだったことを思い出した。

ベラーナを突いて走るように促すと、ベラーナはセイナを連れて走り出した。


滑走路までそんなに遠くはないはず。

守里は後ろを気にしながら走った。

不思議と誰も追ってこない。


Gビャクヤとベラーナ機まで来ると、ゲンナ号が近くに見えて驚いた。

しかも攻撃をしている。

Gビャクヤは2人乗れない。


「セイナ!早く!」


ベラーナ機は先に飛び出している。

セイナが困っていると、近くにマイールがきていて拘束してしまった。


「セイナ!!」


守里が叫ぶと、ベラーナが叫ぶ。


「一旦ゲンナ号に行こう!幾ら何でも不利だ!」


セイナを置いてベラーナと共にゲンナ号へ急ぐ。


「必ず来るから!!」


守里には考えがあった。

麻生が改造が足りないと言っていたことで、万全の体制で臨みたいと。


不思議とマイールがセイナを殺すとは思わなかった。

奴らがマーズの鉱石が必要ならくれてやってでも、セイナを取り戻すと守里は決めていた。


マイールはセイナに告げた。


「人質になるっていったならこれが本来だよ」


平然と答えるとセイナも落ち着いて答えた。


「トキノの暗号は解読できないから」


初めてマイールの表情が変わって言った。


「君はかなり変えたんだね。トキノを。いや、あの人工知能を」


セイナはチップを全て変えていた。

欠陥があるとしたら言語だったかもしれないほど、完全に変えていた。

セイナの腕を引っ張ってコックピットまで急ぐマイール。


「出るぞ!」


マイールの言葉とともにアゼラの戦艦も動き出した。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 38話 「親父」

2019-09-28 00:09:50 | 小説

38話 「親父」


信号弾が2発出た場所に、Gビャクヤとベラーナ機が急いだ。


小林の状態や、鏡俊一と安藤成の身が心配だったがゲンナ号に任せるしかない。


「なぁ…なんかタイミングが良いな」


ベラーナが無線で話すと守里には気づいていた。

おそらくアル・レレン艦長との回線が開いたとき、傍受していたのかもしれない。

そのことをベラーナに伝えると仕方ないと納得するベラーナ。


大きな戦艦が目の前にあった。

これが?誘導灯がGビャクヤとベラーナ機を導いた。

周りにはザンラが3機いる。

アル・レレン艦長の言った通りの数だった。


周りに警戒しながら戦艦の中に入って行くと、半分目を隠した男が滑走路らしきところにいた。

アベルトやカイリの姿は見当たらない。


「アベルトたちはいない」


マイール・ゼスタローネが話すと、守里とベラーナははめられたと思って引き返そうとする。

マイールは続けて言った。


「アベルトもカイリも食事中だよ」


察したようにマイールは、落ち着いたように言った。


「こんなときに食事だと?」


ベラーナが怒りながら言うと、マイールは落ち着いたまま平然と答えた。


「戦う前には事前の準備さ。君たちの分もある。守里剣…だったかな?缶バッチを渡してほしい。君の方が嘘をついている」


不思議なことに別の男が歩いて来ると守里は懐かしく思えた。


「ミスターD、彼等を食堂へ」


黙って歩いてきても誰かすぐに分かった。


「あんたは…親父…」


守里が声を震わせながら話すとDは答えた。


「大きくなったな。ところでマーズの鉱石のありかさえ分かれば…」


そこまで話した瞬間だった。

守里はDを殴り、息を荒くしていた。

ベラーナ止める隙もなかった。


「私はアゼラに人間だ。名前の必要もない。食堂に行ったら食べると良い。剣、マイールからその後話があるそうだ。野暮な真似はやめた方が良い」


「腹が減ったら食べるさ。今は話が先だ!」


守里が怒りながら答えると、食堂に行く前にベラーナが言った。


「…いきなり親父さん登場で動揺しているのは分かる。ただ落ち着け!」


ベラーナは落ち着きながら平手打ち守里にしてから言った。


「話が先だね。この状況で飯が食えるほど大人たちと違う」


先に怒りはあったが、落ち着いて返事を返すと守里の父親は黙ってコックピットに案内した。

聞きたいことが山ほどあった守里だったが、敵であることに変わりはないとも感じていた。


ゲンナ号はどうなっているだろう、守里はベラーナとセイナと一緒のまま考えていた。

セイナはまだ渡していない。


コックピットに入る前にベラーナにお礼を言おうとする守里に気づき、ベラーナが気にしないように手で合図をして微笑んだ。


コックピットに入ると、5人いることを確認した。

計器の確認のためか武装はしていない。

マイールが現れて話し始めた。


「缶バッチのマーク…それはシロハタ・カンパニーのものだな。渡してほしい。ヒントがあるはずだ。戦いは避けたい。俺はマーズの鉱石があればそれで良い」


守里とベラーナは、いずれ繰り返される戦闘を予感していて黙っている。


セイナは不思議な思いだった。

なぜか怖さを感じない。

同時に不気味さも覚えていた。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 37話 「それぞれの向かう先」

2019-09-27 11:05:02 | 小説

37話 「それぞれの向かう先」


無線の周波数を戻して守里とベラーナ、ゲンナ号だけにする。


「おい!このまま行くか?それともゲンナ号に戻るか?」


ベラーナは守里に聞いてきたが、このまま戻ったらまずいとも感じていた。


守里が無線を通して言った。


「…小林さんのところにいる少年は守らないと。それにマーズの鉱石のあとも心配だし。敵のことが分からな過ぎる。一旦小林さんのところに行かないか?」


ベラーナは反対することもなく、ゲンナ号へ一緒に戻った。


ゲンナ号ではカンナが出迎え興奮しているように手招きする。

準備をしていたララ機から驚いて出てきてカンナのところに行く。

麻生とリリアンはマズい、と言うばかりに守里をスクリーンから避けようとしていたが、反対にベラーナと一緒に近づいてきた。


誰も言葉が出ない状態でスクリーンを見ている。


「セイナ・凛、マーズの鉱石はどこだ?2人が死ぬぞ」


スクリーンには鏡俊一と安藤成が銃口を向けられたまま写っている。

傍らには小林が立っていたが動けないでいた。


「…な…何やってんだよ…かが…あんど…」


守里からやっと出た言葉だった。


「私たちも見つけられなかった。どこかも分かるはずないわ!」


トキノが話すと突然セイナが言った。


「…そこにいるのは誰なの?」


みんなが鏡と安藤の後ろの人物に気づいてよく見ると、顔を隠した人物がいた。

カイリもいることを知って、謎の人物を見るがアベルトは無視をしていた。


「そうか」


同時に銃口が小林に向いて両足に向かって放たれた。


「あ…くっ…!」


苦しむ小林にカイリは微笑んでいる。

鏡と安藤はわけが分からないように動揺し、俯(うつむ)いた。


守里は怒りを抑えることができなかった。


「カイリだったな!真っ向勝負しようじゃないか!」


叫ぶように言うとアベルトは無表情のまま続けて言った。


「知らないのか、嘘なのか分からんがアゼラに来い。まずは君から話を聞こう」


リリアンが止めようとするのをベラーナが静止する。

ベラーナは怒った顔でアベルトに告げた。


「弱いもんいじめは止めないか?そっちが来いって言うなら俺も行く。そもそもザンラがいるんだろ?卑怯だぜ」


カイリは笑いながら言った。


「この2人はどうすんの?」


顔を隠した男は一言だけ告げた。


「セイナ・凛を人質にする。この2人は山に置いて行く。それとも殺した方が良いか?」


落ち着いた、なんだか優しい声で言う男にセイナが言った。


「私が人質になるから2人を山小屋に残してください」


カンナとララが止めようとすると、セイナはトキノと麻生、リリアンに言った。


「ゲンナ号で2人を迎えに行って。小林さんも助けて。私はアゼラに行く。あの2人は殺させない」


力強く話すセイナを止めることはできなかった。

守里がセイナに言った。


「取り返すから。必ずだと信じて」


頷くセイナにベラーナは機体の手に乗るように言って歩き出すのを誰も止められなかった。

守里もベラーナもそれぞれの機体に乗る。


「アゼラがどこにあるか誘導は?」


守里が顔を隠した男に聞いた。


「私の戦艦の信号弾が見えたらその後ろに来ると良い。俺はマイール・ゼスタローネ」


男が話すと信号弾がそんなに離れていない場所から見えた。


「Gビャクヤ発進!」

「ベラーナ機発進!」


ベラーナの手にセイナを乗せると、アゼラに向かう。

それと同時にゲンナ号はトキノとカンナによって、日本へ向かった。


謎の人物は消えて、スクリーンも砂嵐になっていた。

麻生とリリアンはララに、一応機体に乗っているよう指示してそれぞれが動き出した。


麻生は同時に思った。

「この男がアベルトやカイリの弟マイール…ゼスタローネ…3兄弟の弟か…」