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南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2012年

沖縄から南東に400キロ。太平洋に浮かんだ絶海の孤島でも人々の暮らしがありました。2012年の情報をお知らせします。

宿、ホテルよしざと。威容のある本館でした。

2012-12-13 18:36:22 | 日記



 南大東島での宿泊先はかなり制限されます。それは宿屋が少なく、旅行者のほとんどが「ホテルよしざと」に宿泊せざるを得ないからです。その理由は、ホテルとしてのフルサービスができるのは、島ではこのホテルしかないからです。本州の、どこの観光地にでも見かけられる平凡なホテルでは、観光案内、レンタカー、食堂、喫茶店などの付帯サービスの全てが揃っているのですが、この島の他のホテルではどこかのサービスが欠落しているのです。このため、旅行客は選択枝が無くなっています。すると、ホテル側では、「お客さまに泊まっていただく」というより「泊めてやる」という姿勢となり、サービス精神はゼロに近いものとなっています。この辺の事情は他のブログを参照されると良いかと存じます。

 島には公共交通機関は一切ないため、ホテルよしざとに予約しておくと、飛行機の到着時刻に合わせてホテルから送迎バスが迎えにきてくれます。「ホテルよしざと」は、本館、新館、旧館、別館、民宿、と増築増築を重ねていて、宿泊客数は60名以上であり、島ではトップクラスです。前社長(現、会長)が島ではやり手の経営者だったようで、小さな民宿から始めて、次第に大きくしたようです。島内では唯一の4階建てビルで、ここはエレベーターもついていました。資材の全ては沖縄本島から船で運んだため、相当な建築費ではなかったか、と想像されます。



 ホテルよしざとの新館の4階には食堂があり、食堂の片隅みには畳敷きの部屋もありました。離島の宿泊施設では、食事を出していただけるだけでも有り難いことです。後で説明するのですが、南大東島では旅行者が食事を摂るのが大変なのです。私が渡航した時期には豊年祭があり、ホテルの2日間の夕食は弁当でした。これには理由があって、豊年祭りのために全館が満員となり、調理場の仕込みができる能力をオーバーしてしまったことと、祭りのためにパートの従業員が不足したことによるようです。2日間とも、夕食は500円弁当になるとは情けないことでした。しかし、2食付いて5250円という、内地のホテルで考えられない低価格であっては致し方ないとも言えますが。なお、朝食はウインナー、卵焼きなどがついて、量は十分ありました。


宿、ホテルよしざとの別館です。

2012-12-12 18:38:51 | 日記



 さて、私が案内されたのは、ホテルよしざとの4階建ての新館ではなく、道路の反対側にある吉里会館別館という建物でした。写真のように、木造平屋陸屋根で長屋のような建物でした。廊下の左右にそれぞれ6畳の部屋が並んでいて、刑務所の独房のような雰囲気でした。どうも、この建物は、島に長期滞在して仕事をする社用の人達が利用しているのではないかと思われました。


 部屋の中にはツインベットがあり、クーラー、テレビ、電話もあって、ビジネスホテルといった感じです。しかし、初日に驚かされたのは、入室したとたんに床の上を大きなクモが這い回っていたことでした。遠方からの来客を歓迎してくれたのでしょうが、私にとっては大きなお世話であり、部屋にあったハンガーを使って部屋からご退場をお願いしました。さらに、翌日になると大きな牛蛙が部屋でお待ちしていました。こちらもあまり気分のいいものではないため、やはりハンガーを使って追い出すことになりました。離島の人達は人懐っこいと言われてますが、クモ、蛙まで人懐っこくなるとは思いもよりませんでした。どうも、昼間に部屋のクーラーを切っておくと、部屋が高温高湿度という南国特有の蒸し暑さになり、この湿度と温度が小動物にとって居心地が良いのかと思われます。


宿、ホテルよしざとの共有スペース。

2012-12-11 18:40:32 | 日記


 私が宿泊した吉里会館別館は便所とシャワーが共用でした。島では水が貴重なため、バスタブのあるホテルは無く、全てシャワーでした。新館の特別室にはバスタブがあるようですが、宿泊費が相当に高くなります。シャワー自体は熱帯なので、昼間に汗をかいたときなどに利用すると便利なので否定はしません。戸外に小型のボイラーがあり、灯油を使ってスイッチ一つで温水が出てくるようになってます。どうも、一般の民家も同じようであり、シャワーで身体を洗っているようでした。


 さて、便所も共同なのですが、10年前に旅行した人の体験記によれば、ここは汲み取り便所だったそうです。部屋を予約したときに、「便所は水洗ですか」と問い合わせたところ、「数年前に水洗になりました」と回答があり、ひとまず安心しました。ついでに、「ウオッシュレットは付いてますか」と尋ねると、ホテルからは「ウオシュレットって何ですか」という返事が返ってきました。どうも嫌な予感がしましたが、やっぱり便所にはウオッシュレットはありませんでした。本州の安ビジネスホテルであっても、ウオッシュレットが付いているのは今時は常識なのです。なお、島の住居の多くが水洗便所になったのは、「農村集落排水」による生活改善の助成によるもので、2009年(平成21年)の下水道の普及率は81%でした。


宿、「きらく」、新規参入のリゾート風ホテルです。

2012-12-10 12:16:13 | 日記


 島で新しく開業した観光客向けのホテルが「きらく」でした。ここの売り物は、一戸建てのコーテジ型であり、ジャグジーがあることです。ビジネスホテルではなく、島外の人達に向けて、楽しく遊んでいって下さい、というのがコンセプトなのです。そのため、「釣り、ダイビングの案内などの非日常的な体験もできます」という涙が出てくるような有り難いサービスもするのだそうです。コーテジの外観は半球形のドーム型をしていて、今風なのです。ハワイなどにも似たようなデザインのホテルがあり、リゾートの雰囲気はありました。客室は結構広く、それぞれにツインのベッドが並べられていました。

 さて、島で初めてのリゾート型ホテルという売り込みはいいのですが、ホテルの設備が全体的にショボイのです。まず、敷地面積が狭くて、各コーテジが接近し過ぎているのです。息が詰まりそうな密着度とは言いませんが、東京の「極小戸建て、建売り住宅」を連想させるような密集度です。リゾートを考えるなら、少なくとも1戸のコーテジに対して百坪くらいの芝生が欲しいものです。島には空き地が多いのですから、場所を選ぶ必要があったのではないでしょうか。それと、ホテルの左右にある施設が気になります。左隣は建設会社の重機の駐車場となっていて、右隣はどこかの会社の倉庫の建物があります。客室から外に出るとこれらの施設がモロに見えて、リゾートに来た雰囲気が失われます。
 致命的なのはホテル敷地の中に食堂が無いことでした。「食事は、歩いて3分のところに提携している食堂があり、こちらを利用して欲しい」、とのことでした。雨の日は傘をさして食事に出かけることになります。これで一泊1万円は高いか安いかということになりますが、私は少々高いのでは。
 このホテルは、以前は民宿だったのですが、将来は島が観光地となることを見込んでリニューアルしたようです。経営母体は隣の建築会社なんだそうです。理想をかかげてリゾート向けのホテルを開業したようなのですが、裕福層の旅行客を招くことができるような工夫やサービスをするべきではないでしょうか。

宿、「プチホテル・サザンクロス」、ビジネスホテル専業です。

2012-12-09 12:19:06 | 日記



 島の中心部から少し離れたところ(といっても、歩いて5分だが)には、「プチホテル・サザンクロス」というホテルがありました。こちらは素泊まり専門で、一泊3460円なのだそうです。全21室で、1室を除いて全てシングルベッドであり、島に商用で来た建築作業員、営業員などが長期滞在に利用することが多いそうです。私が訪問した時は満室で、客室の内部は見られませんでした。

 経営主は、ホテルの横の棟にある建築会社でした。このホテルにも建物内には食堂が無く、道路の反対側にある食堂(ホテルの経営者と同じかどうか不明)を利用することになります。長期の滞在であればこの施設でも十分かと思われます。