天使の言い分

日常のつぶやきを書き留めました。

アホのてつ

2013-11-04 10:02:57 | ワンコのお話
薬をのんで寝たせいか、忘れていた犬の夢を見ました。

以前住んでいた家の近くの柴犬の“てつ”の夢でした。

1日中ワンワンキャンキャン鳴いていて、
人が近寄ると飛びつくか、噛みつく。
芸も出来ないし、抜け毛がひどくてみすぼらしい。

皆からは「アホのてつ」とか「馬鹿犬てつ」と
散々な呼ばれ方していました。

私が見た時も、寂しそうにしているから近寄って、
「いい子だね、お名前は?」と手をグーにして嗅がしたら、
尻尾を振ってすり寄ってくるのでそっと頭を撫でたら・・・

噛みやがった!

犬は手の匂いを嗅がせて、興味が無かったら横を向いたり無視します。
そんな時はコチラも知らん顔するんですが、
尻尾を振ってすり寄ってくると言う事は、通常ヤツも私に興味あり、
ってサインなんですね。だから触っても大丈夫なんです通常は…

それなのに不意打ちで噛んだりするから、
アホのてつとか馬鹿犬てつと呼ばれているわけなんです。

そんな事があってからは、側を通っても近寄らなかったんですが、
気になって見てみると、てつも可哀想でした。

母屋から少し離れた道路脇の4畳半程の広さの土地に、
ボブハウスと書いてあるプラスチックかなんかそんな素材の犬小屋に、
いつも1人きり(1匹きり)。
鉄の鎖の長さは1メートルほどで、あるのは錆びた中華鍋の餌箱1つです。
ストレスからか、ハウスの入口はみっしり歯型が付いていました。

夏は日差しを遮るものはなく、
蚊取り煙香も付けてもらえず、てつは日がな1日、
ワンワン、ワンワン吠えていました。

冬も、毛布1枚なくて、
日中は日当たりがいいからまだ大丈夫だけど、
日が沈むとクーンクーンとずっと鳴いていました。

見かねたご近所の愛犬家の方たちが、古毛布を持って行ってあげたり、
手編みの敷物をあげたりしていました。

でも飼い主さんが散歩したりブラッシングしたりと、
てつを可愛がる姿は1度も見た事が無くて、
「面倒みれないなら飼わなければ良かったのにね…」と私も大きなお世話な事を、
先の愛犬家の方に言ったら、

その飼い主さんはこう言ったそうです。

「豆シバだと言うからペットショップで買ったのに、
こんなに大きくなっちゃった。
話しが違うから引き取ってもらおうと交渉したけど断られた。
私だって可哀想だ、詐欺にあった被害者だ、
私が欲しかったのはこんなんじゃない」と。

確かに小型犬なら飼えるけど中型犬は…とかあるかもしれません。
でも豆シバが中型犬サイズに結果としてなっちゃったって、
一緒に暮らしている内に、愛情が湧かなかったんですかね?

ウチの子はレスキューされた犬で、
ウチに来た当初は16キロ。
去勢してるからもう少し大きくなるかも、と言われたのが
今や10キロオーバーの26キロです。

「申し訳ない、予想以上に大きくなったから引き取ります」と言われたって、
手放せないのが普通じゃないかと思います。

「アホのてつかぁ・・・」
何年ぶりかに思い出したあの柴犬。

生きているんだろうか?
可愛がってもらえるようになったんだろうか?