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なんとなく秋田県南的な方言を書いたり

【せっつえ】秋田県南方言

2020-02-22 | 方言
【せっつえ】[形容詞]
1)勢いがある様。元気が良い様。(肉体的に)頑張る様。
 用例 なにゆったたてせっつえなさまげる
    「何を言っても勢いがある(または乱暴な)人には敵わない」
    せっつえごどじさま
    『元気に頑張るねぇ、おじいちゃん』

2)威張り散らす様。周囲を威嚇する様。見栄を張る様。類:イキる
 用例 なぃんとあれだばせっつえしてな
    『なんとまあ、あいつは威張り散らしてるよね』

この言葉は境目が微妙で、自虐しつつ相手を皮肉る、どちらとも取れる田舎特有の粘着質な使い方に注意。

さて、わざわざタグにも付けたのでお気づきの方もいるかもしれないが
地元のスター、高橋優君の曲「Harazie」に似たような歌詞が出てくる。
「Harazie」全体は「泣く子はいねが」と違い、歌詞カードに本人の標準語訳が載っているので他の部分についてはここでわざわざ取り上げるまでも無いがただ一点!
高橋優君は「しゃっついごどじいちゃん『元気良いねおじいちゃん』」と言っているのだ。

私は歌詞カードを見るまで『良いシャツ着てるねおじいちゃん』と歌ってると思ってた。
「せっつえ」の語源は勢が強い(「つえ」は「はらっつえ『お腹いっぱい』」の「つえ」)「いきおい」の音読みである「せい」から来てるので、この意味ではだいたい「せっつえ」しか聞いたことが無かった。

だからといって「しゃっつい」が駄目だと言うわけでは無い。(いや、自分の感覚では間違っているのだが)方言は地域と年代によって変化しうるものだからだ。謂わば方言の訛りと言うべきか。
他にも「んだべをん」と「んだびょん」など、字面にすると明らかに違うのに、どちらとも無く使われている言葉もある。
ただ、高橋優君の実家との距離と年代で「せっつえ」が「しゃっつい」になるのは残念だ。