西口神具店

伊勢で神棚作りをしている三代目宮師の日々

岩崎製小刀「芽」

2015-05-31 10:14:15 | 大工道具

三条製作所製の小刀、「未」「仙」「芽」の3種類があり、
これは「芽」


刃の角度が絶妙。


裏スキが深くて、使い減りにうまく対応しそうです。


一番気に入っている握りの部分、
ほかの2つに比べても肉厚に作ってあり、
うまく手になじみます。
現代の名品です。

象牙を使った大鉋の刃口埋め

2015-05-19 08:30:48 | 薄削り


鉋銘「重道」の3寸の大鉋の刃口を象牙で刃口埋めをします。
まず台を調整して、平面を出し、
緩くなっている表馴染みをエポキシ樹脂で固め
軽く叩いても刃が出ないくらいの位置に設定します。




象牙を刃口に合わせて形を決めます、
この際にはよく切れるヤスリを使うといいです。
「壺〇〇」とゆう三木のメーカーがお勧めです。



刃口の形に象牙を加工したら
エポキシ樹脂にて鉋台に貼り付けます。
上下からしっかりと抑えることはもちろんながら
刃口から後方向へもクサビにてしっかりと固定します。



このようにエポキシ樹脂が少し溢れ出すくらいに塗布します。
象牙は台の面より少し出るくらいに小穴の深さを決めます。



台直し鉋でエポキシ樹脂と象牙を一緒に削り落とします。
刃口の象牙部分だけを削り材に当てるように
台裏を調整します、木っ端返しは#400くらいのペーパーで
スムーズにしておき、鉋屑がつまらないようにします。



刃口を象牙で埋めて、鉋屑が出るように調整出来ました。
もう少し刃物を調整して刃をキチッと研げば
もっとも薄い鉋屑がでそうです。
「重道」 名品はやっぱりいいです。

削ろう会神戸大会

2015-05-09 10:33:24 | 薄削り
5月5日と6日の2日間神戸て削ろう会神戸大会が行われました。
チームBの熱き3人も参戦しました。


競技方法がいまひとつ理解していなかったので
戸惑うことも多かったですが、
9ミクロン以下で2次予選に出場できます。
とりあえず皆さんここはクリアーしました。


私の2次予選の削り


賢太郎の2次予選の削り


私の2次予選結果


賢太郎の2次予選結果

残念ながら決勝に進むことはできませんでした。
残念、また来年の高山大会でがんばりましょう。

鑿のシールはがし

2015-05-08 21:51:44 | 薄削り

鑿の名品「大内」ですが、
巨大なシールが柄いっぱいに貼り付けてあります。
このセンスの無さは作者の感覚を
疑いたくなります。


このシールをはがしたいのですが
カッターナイフやぺーパーでこそげても
うまく取れませんが、火に弱いことが判明。


このようにライターの火であぶると
とても綺麗に取ることができます。


10本の組鑿で、ご丁寧にすべての鑿に
貼り付けてあるのです。
シールを外しただけではほかの部分との違いが明白、
サンドペーパー#240くらいで
軽く磨くと綺麗になります。


ペーパーをかけただけでは
面白くないので
柿渋を塗って置きます。
実際に発色するのは3か月以上かかりますが、
使いながら綺麗にしましょう。

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鉋台の口埋め

2015-05-04 10:26:23 | 薄削り
鉋の台はしばらく使っていると
刃口が開いてきます。
1枚台の鉋はこの刃口部分がとても大切です。
早くサッサと口埋め出来る方法をご紹介します。


まずは6ミリカッターで刃口の少し上を一気に突き切ります。
深さは4~5ミリ位、白っぽい樫の板でボンドをたっぷり入れて
埋木をします。


クサビで刃口から台尻方向へテンションをかけておきます。


クランプできつく締め込み1日放置します。


翌日、目違いを小鉋で払います、完全に払いきらず、
少しだけ残しておきます。


鑿で慎重に口切りをします、大切な作業なのでゆっくり慎重に。


口切りができたら目違いを払います。


これで口切り作業は終了ですが、


#400くらいのペーパーで口切した部分をスムーズにします、
これを忘れると鉋屑が詰まるので、削りながらの調整です。