わたしは飛行機が嫌いです。
家から遠く、入る前に置いてけぼりのように荷物を奪われ、
飛んだら飛んだで時間の遅れや違う場所への着陸があっても
何一つ責任を取らないこともありますが、
なによりその乗り心地がいやです。
すれ違いもできない通路しかない、薄暗い場所の中、
肩と肩がぶつかりあうような狭いスペースに押し込められ、
ただ座らせ続けられる非人間的な空間。
立ち上がりでもすればすぐにスチュワーデスが飛んできて、
おとなしく座ってろと言い放つような息ぐるしさです。
というところでこの前知ったのですが、スチュワーデスって、
『豚小屋の番人』から派生した言葉らしいですねえ。
それを思うと、飛行機の状況はまさにぴったりだと思います。
効率だけを考えて運動もさせず、狭い部屋におしこめて
黙々とえさを与えて太らすような場所が豚小屋。
効率だけを考えて足の運動もできず、長い時間座っていると
足に血栓ができるような危険な場所に押し込め続けるのが飛行機。
乗客は家畜の豚で、その番をしているから
足を伸ばしたくて立ち上がるだけで隊列を乱すなとばかりに
スチュワーデスは詰め寄ってくるのかもしれません。
『おまえら家畜はフゴフゴ文句言わずに黙って座って
肥えてりゃいいんだよ、この豚!』
と、飛行機という存在自体に言われる気がして、
さらに飛行機が嫌いになりました。