家への帰り道、細い道の先に鳥がいました。
ずいぶん大きいハトだなあと思いながら自転車で近づくと、
ハトでもニワトリでもない色をしています。
むかしご近所や学校でもニワトリを飼っていて、
友達が襲われたのでニワトリの見分けはつきます。
もしかしたらニワトリより大きいかもしれないのに、
なんだかずんぐりしてまるくてかわいい感じです。
くちばしは長くないし、平たくもないし曲がってもいないので、
水鳥やタカでもなさそうです。
全体的な色はとにかく茶色~こげ茶色で、
わたしのイメージとしてはライチョウでした。
写真に撮ろうと思ったのですが、何も持っていませんでした。
がっかりしながら帰り、ライチョウなどを調べてみますが
それらしい姿ではありません。
そこらへんで見られる鳥、みたいなサイトも見ますが
にんともかんともです。
その後、いろいろ考えたり訊いてみたりしてわかったのは、
あれはおそらくキジのメスだということでした。
――はー、なるほど。あれはキジのメスというものだったんだ。
と納得していましたが、ふと気づくとものすごいことに思い至りました。
キジのメスだったので地味なこげちゃ色ですが、
キジのオスと言えば派手なアレです。
そしてキジのオスと言えば……桃太郎です。
キジなんて直接そこらへんでみたことはありませんが、
すこし状況が違えば、キジがそこらへんを歩いていて、
「腰につけたきびだんごひとつください」なんて言ってくる、
あのシチュエーションに遭遇できたのかと思うとなんだか感慨深いです。
まあ、立川も端のほうはのっぱらや山もあるしなあ……と思っていたら、
そんなところを考えるまでもなく、昭和公園に常駐しているらしいです。
日常のすてきな出会いは世界をちょっと楽しくします。