掛川掌瑛編著
『子平修密無学訣大全』
(上・中・下巻セット)
改訂新版 ¥76,000(税込)
旧版をお持ちの方は、差額¥13,000(税込)にて交換致しますのでお申し込みください。
「改訂新版序言」より
無学訣大全』を発表してから二年近くになり、少しずつ間違いや不足を見つけては加筆・修正してきたのですが、中でも日時の変化干合が反映されていない箇所が数多くあることが判明し、今回『子平修密無学訣・全解』の完成に合わせ、題名も『子平修密無学訣大全』と改め、「改訂新版」を発売すること致しました。
何分にも『無学訣大全』の命式数は一万通りに上り、文字数は百万字に達するもので、これを一人で執筆・校正までするのは容易な事ではありません。
今回、二百箇所程の加筆・訂正を行いましたが、発見できたのも熱心な読者からのお問い合わせがヒントになったもので、読者の皆様におかれましては、お気づきの点がありましたら、ご遠慮なくご指摘いただき、今後さらに完成度を上げて行きたいと考える次第です。
何卒ご愛読、ご利用の程よろしくお願い申し上げます。
(序言より抜粋)
「無学」とは、仏教用語で、学び尽くしてこれ以上学ぶべきことがない境地を意味します。つまり「子平無学訣」を学べば、もうこれ以上「子平」を学ぶ必要がありません。
「子平」のような学問を「命理」と言います。
「命理」とは、時間が運命に与える影響を見る学術であり、「子平」が他の「命理」に優れるのは、時間記号である「干支」によって、あらゆる判断ができるところにあります。その「干支」の並びだけに焦点を絞ったのが「子平無学訣」なのです。
本書『子平無学訣大全』は明澄派五術の秘伝書『子平修密無学訣』の〈解説書〉です。四干の組み合わせは、十の四乗、つまり一万通りあり、本書ではそのすべての組み合わせについて、ひとつひとつ解説します。
(本文より抜粋)
つまり『無学訣』においては、「五行」や「干関係」などを超越して、「干支」の組み合わせだけで、命式を判断できるパターンが存在する、ということになります。
「時間」につけた「記号」である「干支」の並びだけで判断できる、ということは、「時間」と「運命」との関係を直接観察することにより近づくものであり、「作盤」のような、根拠不明の方法からは、より遠ざかることを意味します。
「作盤」や「五行」を排除する、などと言うと、まるで伝統に反逆するかのようですが、実は「五術」においても、「五行」や「易卦」などに基づかない分野も、昔から存在するのです。
例えば「風水」において、「理気」は確かに「五行」や「易卦」の理論に基づいて構成されているのですが、「巒頭」だけは、「竜」「穴」「砂」「水」とい う、地形そのものを類型化し、分類して、その土地の「貴賤」「吉凶」「壽夭」「富貴」を判断できるようにしたものです。
「巒頭」の理論でも「干支」や「易卦」などが使われていますが、これはただ、形態分類上の記号として使われているだけで、地形そのものが「五行」の作用を持っているというわけではありません。
これに対し「理気」はどうかと言えば、家や墓石が、どの八卦方位を向いているとか、水流がどの十二支方位から来ているか、などという、ある種の約束事に基づいて判断を行うもので、地形そのものを見る「巒頭」の見方とは全く異なるものです。
この「巒頭」と「理気」の関係を「子平」に当てはめてみると、「干支」の並びをそのままで判断できる「無学訣」の方法が、「巒頭」の見方と同様であり、 「干支」を「五行」で分類して、その「強弱」で判断する方法が、「理気」の見方と同様、と考えることができます。そして、風水の判断において、「巒頭」の 占める割合は80%と言いますから、「子平」においても、「干支」の並びだけで、80%の判断ができる可能性があるはずです。
「無学訣」でも「強弱」や「格局」を考慮する場合がありますが、それは四干が、ある特殊な並びになる場合の対処法として説明されており、やはり、「風水」 の「巒頭」のように、「子平」の判断も、80%は「干支」の並びだけで決まっている、と考えることができます。 『無学訣』を完全に理解できれば、あらゆる命式を、誰もが、あるがまま的確に判断できるようになり、これ以上「子平」を学ぶ必要のない「悟り」の境地に達することができるのですが、修得には長い持間を要し、なかなか生きているうちに「子平」を使うことができません。
本書が書かれた目的は、「無学訣」の示す「干支」の並びによる推命、即ち、時間が運命に与える影響を、時間記号である「干支」の並び方そのものから、誰 でも読み取ることができるようにするためであり、「子平」における「無学」の境地を全人類と分かち合うためのロードマップとして、一万通りに上る四干すべ ての組み合わせについて解説します。
『子平修密無学訣 全解』
「序言」より
本書は、明澄派五術の秘伝書『子平修密無学訣』と、その続編である『命理五訣』の原文を、故張明澄先生の講義に基づき、忠実かつ解り易く説明した解説書です。
これらの原文は、既に『子平無学訣大全』の「原文」という項目で公開済みですが、原文だけ読んでも理解することは到底不可能であり、是非とも解説を読みたいという、読者からのご要望にお答えすることになりました。
このうち、「命理五訣」というのは、
「貴賤訣」
「吉凶訣」
「壽夭訣」
「富貧訣」
「成敗訣」
という五篇からなっています。
「貴賤」とは、持って生れた条件よりも、身分や地位が向上するか、下降するか、という意味であり、風水の巒頭において「竜管貴賤」つまり「竜」の良し悪しによって、そこに住む人の身分地位の上昇や下降が決定される事に対応するものです。
「吉凶」とは、命の危険や災難・災害などにに遭いやすいか遭わないか、危険に遭ったときに、無事に逃れられるのか、死んでしまうのか、という意味であり、風水の巒頭において「穴管吉凶」つまり「穴」の良し悪しによって、そこに住む人の安全や危険が決定されることに対応するものです。
「壽夭」とは、持って生れた条件よりも、健康で長生きできるか、不健康で短命か、という意味であり、風水の巒頭において「砂管壽夭」つまり「砂」の良し悪しによって、そこに住む人の、長命や短命が決定されることに対応するものです。
「富貧」とは、持って生れた条件よりも、金持ちになるか、貧乏になるか、という意味であり、風水の巒頭において「水管富貧」つまり「水」の良し悪しによって、そこに住む人の、財運の良し悪しが決定されることに対応するものです。
「成敗」とは、成功する人生か、失敗する人生か、という意味であり、風水の巒頭において「向」つまり理気の良し悪しによって、そこに住む人が、自分の夢や希望を達成できるか、どうかが決定されることに対応するものです。 つまり「成敗」とは自己実現の成績という意味であり、非常に個人的な事柄に属すもので、一家や一族などを管掌する風水で見るよりは、子平にこそ見るべき内容があるのは、言うまでもありません。
また今回『命理五訣』の命式例として、『窮通律』の詩を掲載しております。
『窮通律』とは、明澄派初代掌門梅素香の作とされるもので、命式ごとに七言絶句の漢詩が付され、孔子を初めとする歴代著名人の命式を「貴賎」「吉凶」「壽夭」「富貧」「成敗」で評価したものです。初代は明末の人で、まだ「無学訣」の見方ができていない時代の古典的な看法で判断しており、「無学訣」と古法の違いを垣間見ることができます。
『窮通律』の一例を挙げておきますと、
辛酉 孔雀禽王蜀漢臨
丙申 明燈雨水組驕淫
癸丑 貴因重忌和輕喜
丁巳 敗在偏財悖尅淋
孔雀禽王蜀漢に臨み
明燈と雨水が驕淫を組む(丁と癸で従旺格を構成する)
貴は重忌が軽喜に和するに因り(忌神丁が喜神癸を弱めないのが貴の原因)
敗は偏財が悖で尅して淋らすに在り(癸と丁の干関係の悪さで失敗)
これは「三国志」で有名な諸葛亮孔明の命式を評価したもので、「鶴頂格」と呼ばれる形式で行頭の文字が「孔・明・貴・敗」と並んでいます。孔明の命式は「貴」であるが「敗」であり、身分地位は大いに上がったが、終に自己実現はできなかった、というものです。「無学訣」で見れば、「燃火」か「滋生」に当たり、「敗」の命式である事は間違いありませんが、「貴」については保証されていません。 『窮通律』の見方は「強弱」に重点を置いて見る子平の限界とも言えますが、孔明の一生が「敗」であったことはよく言い表しているように思えます。
「子平」の別名を「八字」とも言うように、子平命式はわずか八字で構成されるものですが、その情報量は巨大であり、人間をあらゆる面から観察し評価するばかりでなく、その内面を理解するための一助として、大いに役立つ優れた方法論と言えます。
『子平修密無学訣』と『命理五訣』の見方は、「子平」の最終段階というべきもので、これを理解し身につけることができれば、子平の研究にかけた人生は成功、つまり「成」という事ができるでしょう。
張明澄記念館HP
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